バーミンガム博物館・美術館 Birmingham Museum &Art Gallery についての話題です(昨日の続きです)
後期ラファエロ前派の代表的画家、 エドワード バーン⁼ジョーンズ Edward Burne-Jones はバーミンガム出身だそうです。知りませんでした。
「バーン⁼ジョーンズの間」なるものもあって...地元の英雄扱いですね。
私はあまり好きではありません。
古代風の衣装を身に着けた細身の女性がぼーっとした表情で優雅なポーズをとる耽美的な画風....画集か何かで見たことのある有名な作品が展示室の壁いっぱいにぎっしりかかっています。
ロイヤル・コレクション(王室所有)のレオナルド・ダ・ヴィンチの素描特別展をやっていました。
入退室した人数を数えていて、2人出たら2人いれる入場制限がありました。貴重な展示品の保護と、入館者への配慮のためのようです。
バーン⁼ジョーンズの間で20分ほど並びました。
待っている間、ダ・ヴィンチのテクニックについての学術ビデオを見られるようになっています。
アイデアスケッチのような簡単なものから解剖学図像のような精密なものまでダ・ヴィンチ直筆の素描がいっぱい見られて感激です!
入場制限のおかげで 人の頭に邪魔されたりすることなく、快適にゆったりと見学できました。
両面にびっちり描きこまれた紙の展示品もけっこうたくさんありました。
ガラス板に挟まれ両側から観賞できるようになっています。
めったに写真を撮らないうちの夫が気に入って撮影していたこの一枚....
夫はスマートフォンのホーム画面を船橋市内のデパートで撮ったふなっしーの立て看板から、このダ・ヴィンチの素描の写真に変えました。
新館への渡り廊下にあるカフェで一休みした時に撮った写真です。
Too Cute! 可愛すぎ!という現代作家による、妙に意欲的過ぎて意図不明のインスタレーション特別展に一室割いてありました。
展示場への誘導に、狭い通路の壁両側に表現を思いっきり大げさに豊かにした新「エモジ」デザインの展示がありました。
丸いホールのわきの売店を抜けると...
博物館部門です。
建物が圧巻です。
一階部分のガラスケースの中の展示物を丁寧にみて回りました。バーミンガムを中心にした産業、工芸関係の展示エリアの中二階はパス。
時間があれば、あるいはたびたび来られる場所であればゆっくり見て回ってもよかったかもしれません。
一階の展示物で私の興味を引いた、ラブ・トークン love token のスプーンの傑作例。
ラブ・トークンというのは男性が女性に愛の証におくる品物のことです。婚約指輪も現代に残るその一つの例ですね。
フォークロア・アートでは木彫りのものが多いのです。ひと塊の木を彫りぬいてつながった鎖やみつあみにした綱などを表現する、飾りつきのスプーンが一般的です。
ウェールズでは民芸品として現在でも制作、販売されています。
☝の写真のぶらぶら下がった小さなスプーンも伝統にのっとって、すべて一枚板からの彫り抜き、だと思います。ちょっと、やりすぎ。ひけらかしではないでしょうか。木彫りの技術が高いのはじゅうぶんにわかりました。
バーミンガム美術館/博物館は、今回の特別企画展であるロイヤルコレクションのダ・ヴィンチ素描展を含め、入場無料です。
近くだったらたびたび行きたい充実した美術館です。
(ラファエロ前派の有名な作品がドカッと戻ってきたらまた見にいかなきゃ!)
近頃ご無沙汰の、同規模の市民美術館、マンチェスター美術館 Mancester Art Gallery にも久しぶりに行きたくなりました。
マンチェスター美術館も同時期(19世紀中ごろ)にファッショナブルだったラファエロ前派の充実したコレクションで世界的に有名です。