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小説「新・人間革命」に学ぶ 第30巻〈上〉

2021年06月23日 | 妙法

小説「新・人間革命」に学ぶ 第30巻〈上〉 解説編 池田主任副会長の紙上講座2021年6月23日

  • 連載〈世界広布の大道〉
イラスト・間瀬健治
イラスト・間瀬健治

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第30巻〈上〉の「解説編」。池田博正主任副会長の紙上講座とともに、同巻につづられた珠玉の名言を紹介する。

紙上講座 池田主任副会長
05:40
ポイント
①皆が伸一の自覚で
②本陣・東京への激励
③智慧と勇気の闘争

 小説『新・人間革命』の最終巻となる第30巻は上・下巻にわたり、「大山」「雌伏」「雄飛」「暁鐘」「勝ち鬨」「誓願」の全6章で構成されています。
  
 最初の「大山」の章は、1979年(昭和54年)が舞台です。第1次宗門事件の、山本伸一の真情とともに、5月3日・5日に認められた、「大山」「大桜」「共戦」「正義」の四つの揮毫についてつづられます。
  
 これらの揮毫が公表されたのは、後年になってからです。「正義」は25年後(2004年10月)、「共戦」は30年後(09年4月)でした。
  
 「大山」「大桜」は、2010年(平成22年)6月の本部幹部会で紹介されました。同幹部会は、池田門下にとって、一つの大きな節目でした。
  
 池田先生が出席されず、「君たちに万事を託していく総仕上げの『時』を迎えている」とのメッセージとともに、二つの揮毫が初公開されたのです。
  
 「大山」は、脇書に「わが友よ 嵐に不動の信心たれと祈りつつ」と記され、「いかなる烈風にも、大山のごとく不動であらねばならない」(118ページ)との創価の魂が脈打っています。
  
 「大桜」は、脇書に「わが友の功徳満開たれと祈りつつ」とあり、「どんな厳しい試練にさらされようが、仏法の因果は厳然である。全同志よ! 胸に創価の『大桜』をいだいて進むのだ」(119ページ)との思いが込められています。
  
 「大山」の章で、伸一は訴えます。
 「弟子が本当に勝負すべきは、日々、師匠に指導を受けながら戦っている時ではない。それは、いわば訓練期間だ。師が、直接、指揮を執らなくなった時こそが勝負だ」(85ページ)、「私に代わって、さっそうと立ち上がるんだ! 皆が“伸一”になるんだ!」(86ページ)。
  
 「山本伸一」の自覚で立ち上がるのは、「今この時」をおいてほかにありません。一人一人が「大山」のごとき不動の信心で、広布勝利の「大桜」を咲かせていく時です。

神奈川文化会館から横浜港を望む(1982年1月、池田先生撮影)。第30巻〈上〉では、山本伸一が同会館を何度も訪れ、同志に励ましを送る場面が描かれる
神奈川文化会館から横浜港を望む(1982年1月、池田先生撮影)。第30巻〈上〉では、山本伸一が同会館を何度も訪れ、同志に励ましを送る場面が描かれる
連載時の状況

 「雌伏」の章の連載は、2017年(平成29年)3月から6月にかけてでした。この時期、池田先生は、東京の各区を訪れています。
  
 3月には、新宿の大久保・新宿若松・新宿平和会館の、3会館を視察。4月には、立川文化会館と豊島の東京戸田記念講堂を訪問します。さらに、6月は、荒川文化会館、中野南文化会館に足を運びます。
  
 また同章では、東京を舞台にした伸一の激励行が描かれています。
  
 1979年(昭和54年)、第3代会長を辞任した彼が、9月に30軒目となる個人指導に訪れたのは、狛江でした。隣接する調布への期待も記されています。同年12月には、荒川を訪問。足立にも思いをはせます。翌年2月には、目黒平和会館で同志を励まします。
  
 79年11月、東京戸田記念講堂で行われた本部幹部会で、伸一は会長辞任後初めて、学会歌の指揮を執ります。「大東京よ、立ち上がれ! 全同志よ、立ち上がれ!」(169ページ)――指揮を通して、東京をはじめとした全同志に勇気を送りました。
  
 この場面が掲載されたのは、2017年(平成29年)4月26日です。この日、池田先生は、東京戸田記念講堂に、66回目となる足跡をとどめられています。先生は初代会長・牧口先生、第2代会長・戸田先生の肖像が掲げられた講堂で、対話拡大に力走する総東京をはじめ、全国の同志の勝利と幸福、健康・無事故を深く祈念されました。
  
 「雌伏」の章には、「『仏法は勝負』である。ゆえに、広宣流布の戦いは、いかなる逆境が打ち続こうが、断固として勝つことを宿命づけられている」(170ページ)と書かれています。
  
 「仏法は勝負」との一念に徹し、不可能の壁を破って広布の勝利を収める――それが、本陣・東京の責務です。

学会創立100周年へ

 今月6日、6・6「欧州師弟の日」40周年を記念する「欧州誓願総会」が行われました。30カ国を超える欧州の友が参加し、「歓喜の歌」のハーモニーが、日本をはじめ、世界の同志に希望を送りました。
  
 「欧州師弟の日」の淵源は、1981年(昭和56年)6月6日にさかのぼります。伸一は、牧口先生の生誕の日に、欧州研修道場で開催された夏季研修会に出席し、こう提案します。
  
 「この意義深き日を、『欧州の日』と定め、毎年、この日を節として、互いに前進を誓い合う記念日としてはどうか」(410ページ)
  
 81年は、1月から3月にかけての北・中米訪問、5月から7月までのソ連・欧州・北米訪問と、池田先生が世界各地を回り、激励を重ねた年でした。
  
 「雄飛」の章では、この年が「反転攻勢を決する年」(318ページ)であり、「いよいよ全世界の同志と共に世界へ打って出て、本格的に広宣流布の指揮を執らねばならない」(同)と、伸一の思いがつづられています。
  
 5月、伸一は「トルストイの家」(旧ソ連)や「ゲーテの家」(旧西ドイツ)に足を運びます。伸一は、文豪たちが生涯、執筆を続けたことに思いをはせ、自身は53歳であることから、「人生の本格的な闘争は、いよいよこれから」(357ページ)と、命ある限り行動し、ペンを執り続ける決意をみなぎらせます。
  
 79年4月の第3代会長辞任後、伸一の行動が聖教新聞に報道されることは、わずかでした。反逆者や宗門の画策によって、会合で指導したり、その指導を機関紙に掲載したりできない状況が続いていました。
  
 しかし、80年(同55年)4月30日、伸一の長崎での激励等の記事が聖教1面に掲載されます。その後、7月に聖教新聞で伸一執筆の「忘れ得ぬ同志」が開始となり、8月には小説『人間革命』第11巻の連載が2年ぶりに再開されます。
  
 アメリカ広布20周年を記念する諸行事に出席した秋の訪米では、伸一の写真が聖教新聞を飾り、81年の海外指導でも、彼の激励の模様が掲載されます。SGI会長として、伸一は海外から日本の友に、聖教新聞を通して勇気を送りました。
  
 「どんなに動きを拘束され、封じ込められようが、戦いの道はある。智慧と勇気の闘争だ」(140ページ)――伸一は、最愛の同志を鼓舞するため、「智慧と勇気の闘争」を貫いたのです。
  
 80年(同55年)11月18日、学会創立50周年を慶祝する式典で、伸一は師子吼します。
  
 「今日よりは、創立百周年をめざして、世界の平和と文化、広布のために、心新たに大前進してまいろうではありませんか!」(317ページ)
  
 学会創立100周年への初陣となる本年を、池田門下の「智慧と勇気の闘争」で勝ち開いていきましょう。

ドイツ・フランクフルトで行われた信心懇談会(1981年5月)
ドイツ・フランクフルトで行われた信心懇談会(1981年5月)
名言集
●真の弟子

 弟子のために道を開くのが師である。そして、その師が開いた道を大きく広げ、延ばしていってこそ、真の弟子なのである。(「大山」の章、71ページ)

●軌道を進む

 何があろうが、広宣流布の軌道を外さず、自ら定めたことを、日々、黙々と実行していく――まさに太陽の運行のごとき前進のなかにこそ、人生の栄光も広布の勝利もある。(「雌伏」の章、126ページ)

●永遠の黄金則

 何があろうが、“広宣流布のために心を合わせ、団結していこう”という一念で、異体同心の信心で進むことこそが私たちの鉄則です。いや、学会の永遠の“黄金則”です。(「雌伏」の章、178ページ)

●「万」の「力」

 「励ます」という字は「万」に「力」と書く。全力を注ぎ込んでこそ、同志の魂を揺り動かす激励となるのだ。(「雄飛」の章、289ページ)

●仏法者の運動

 どんな体制の社会であろうが、そこに厳として存在する一人ひとりの人間に光を当てることから、私たち仏法者の運動は始まります。(「暁鐘」の章、352ページ)

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「7・3」貫く地涌の闘魂2

2021年06月21日 | 妙法

〈池田先生と共に 希望・勝利の師弟旅〉 「7・3」貫く地涌の闘魂2021年6月21日

 6月23日は沖縄の「慰霊の日」である。
 愛する沖縄の天地で、私は平和を誓願し、小説『人間革命』を書き起こした。
  
 “一人の偉大な人間革命は、全人類の宿命の転換をも可能にする”との主題を掲げた民衆運動の叙事詩は、1945年7月3日、恩師・戸田先生の出獄から始まる。
 殉教の先師・牧口先生の不二の分身として、戸田先生は東京の焼け野原に一人立たれた。その胸奥には、法難の獄中で悟達された「われ地涌の菩薩なり」との大自覚が烈々と燃え盛っていた。
  
 ここに、創価の広宣流布、立正安国の大行進の原点がある。この恩師の一念を思い起こせば、我らの命に何ものも恐れない地涌の闘魂が湧き上がってくるのだ。
  
 ◇ ◆ ◇ 
  
 この秋に発刊される『日蓮大聖人御書全集 新版』には、妙一尼へ宛てられたと推察される御返事が新たに収められる。
 妙一尼は「冬は必ず春となる」(御書1253ページ)の御金言を賜った女性である。
  
 新収録の御文は、佐渡流罪の大難にも一歩も退かず真心の限りを尽くす妙一尼の信心を、釈尊の修行になぞらえて讃えておられる。
 「これは末代の凡女、彼(釈尊)は上代の聖人なり。志既に彼に超過せり。来果何ぞ斉等ならざらんや、斉等ならざらんや」
  
 釈尊をも超える信心の志を貫く女性が、仏と等しい大果報に包まれぬわけがない――この御本仏のお約束は、そのまま地涌の生命を躍動させて広布に走る、創価の女性部・女子部への御賞讃と拝されてならない。
  
 草創の共戦の母たちが常に心に刻んでいた「幸福勝利の哲学」がある。
 第一に、一人の友の幸せを願い切り、大切にする心。
 第二に、目標を最後まで喜び勇んで、やり通す執念。
 第三に、苦難に挑む友を守り支える異体同心の団結。
  
 今も赫々と輝き光る太陽の心である。だからこそ、学会家族は負けない。「冬は必ず春」の凱歌を飾るのだ。
  
 ◇ ◆ ◇ 
  
 恩師の出獄から12年後の7月3日、私は権力による冤罪で入獄した。
 この直前の6月30日に、民衆厳護の使命を誓って誕生したのが学生部である。
  
 御聖訓には、「今の世間を見るに人をよくなすものはかたうどよりも強敵が人をば・よくなしけるなり」(同917ページ)と仰せである。
 真の地涌の闘士は、悪戦苦闘を越えてこそ育つ。
 大闘争の中でこそ、師子王の心が継承されるのだ。
  
 男子部・女子部の結成70周年の7月を迎える。
 試練の逆境をはね返して、わが後継の若人たちが偉大なる人間革命の逆転劇を創りゆく英姿を、私は祈り見つめている。
  
 共に勝ち進もう!
 「地涌の闘魂」を燃え上がらせて!

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〈SDGs行動の10年 共に未来をつくる

2021年06月17日 | 妙法

〈SDGs行動の10年 共に未来をつくる〉 女優 柴田理恵さん2021年6月17日

  • 家庭で始めるSDGs
03:07

 テレビや舞台の第一線で活躍する女優の柴田理恵さんは、富山市の特別副市長として国連のSDGs(持続可能な開発目標)推進に関わっている。その柴田さんと女性平和委員会の澤登かおり副委員長、女性平和文化会議の山崎美緒副総合議長の3人が、「家庭で始めるSDGs」をテーマに語り合った。

しばた・りえ タレント・女優。1959年、富山県生まれ。84年、久本雅美さんらと劇団「WAHAHA本舗」を設立。テレビ、舞台、ドラマ、映画、ラジオと多方面で活躍。副芸術部長。
しばた・りえ タレント・女優。1959年、富山県生まれ。84年、久本雅美さんらと劇団「WAHAHA本舗」を設立。テレビ、舞台、ドラマ、映画、ラジオと多方面で活躍。副芸術部長。
澤登女性平和委員会副委員長
澤登女性平和委員会副委員長
山崎女性平和文化会議副総合議長
山崎女性平和文化会議副総合議長

 澤登かおり女性平和委員会副委員長 実は今回初めて、柴田さんが富山市の「特別副市長」を務めておられることを知りました。
  
 柴田理恵さん そんなに立派な人間ではないんですけど(笑い)。肩書は特別副市長ですが、いわゆる観光大使のような役割です。富山市は、持続可能な街づくりに積極的に取り組んでいるんですよ。生まれ育った富山の魅力を発信して少しでも郷土に貢献できればと思い、“私で良ければ”と、お受けしたんです。
  
 山崎美緒女性平和文化会議副総合議長 富山市は、どんなことに力を入れているのですか。
  
 柴田 一番重要なのが「コンパクトシティー」ですね。社会の高齢化がどんどん進む今、都市機能を集約し、“歩いて暮らせる街”をつくろうという試みです。特に、市民の皆さんの足になっている路面電車が有名ですね。これに乗れば、市役所や病院、美術館、大型商業施設などへの移動に便利なんです! 自動車の排出ガスを減らすことにもつながりますしね。
 昔ながらのチンチン電車のような古い車両と、最先端の路面電車(LRT=ライト・レール・トランジット)が走っていて、これに乗って観光するのも楽しいですよ。

“市民の足”として富山市内を走る次世代型路面電車。かなたに雄大な立山連峰を望む
“市民の足”として富山市内を走る次世代型路面電車。かなたに雄大な立山連峰を望む

 澤登 SDGsを学ぶ中で気付いたことはありますか。
  
 柴田 正直、SDGsの17の目標を見ても、分かりそうでピンとこないものもあったんです。「貧困をなくそう」とか「海の豊かさを守ろう」とか、確かにその通りだけど、“じゃあ私たちは何をしたらいいの?”って。それなら“自分に何ができるか”を考えようと――。自分が継続できることって毎日の生活の中にしかないですもんね。
  
 山崎 具体的に取り組まれていることは?
  
 柴田 まず「地産地消」です。その土地でつくられたものは新鮮でおいしいし、遠くから運搬する際の排出ガスを抑えられますよね。
 食品ロスも意識していますよ。例えばお豆腐1丁を買うにしても、今日か明日に食べきるのが分かっているなら、消費期限に近いものを取るようにしています。昔は棚の奥のほうから取っていたんですけど(笑い)。
  
 澤登 私は「マイボトル」をいつも持ち歩いています。
  
 柴田 大切なことですね! 私はなるべく自動販売機を使わないように、稽古場に行く時などは自宅から水筒を持っていきます。丈夫なペットボトルがあれば、洗って水筒の代わりにしています。ケチかもしれないけど(笑い)。以前、ワンガリ・マータイさん(ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境運動家)が池田大作先生と語り合いましたよね。あの方が言う「もったいない」の精神は、本当に大事だなと今更ながら感じています。

 澤登 柴田さんは“ケチ”って言われましたけど、芸能界で活躍される柴田さんがそのように頑張られていることが、とても励みになります。“私たちと同じだ”って。
  
 柴田 もちろんですよ! 唐突かもしれないけれど、SDGsは学会精神にも通じると思うんです。「広宣流布」って大きく言われても、「私にそんな力はない」って、何をしていいか分からなくなるけど(笑い)。
 でも違いますよね。まず自分が輝いて幸せになる。そして自分の周りの人を少しずつ幸せにしていく。さらにその周りの人の幸せを願っていく――その広がりが広宣流布なのだと、私たちは教えてもらっていますよね。身近なところから連帯と行動を広げていくSDGsの精神も、似ていると思うんです。

共感力と口コミで仲間をつくる価値創造の“女性の力”

 澤登 なるほど! 私も学会の同志の皆さんからいつも触発を受けています。
 山梨の女性平和委員会のあるメンバーは、地域でSDGsや環境問題に取り組むグループをつくっています。彼女が町の環境課にゴミ処理について聞いたところ、生ゴミをよく絞れば、数千万から数億円も、1年間の処理費を削減できることを知ったそうです。実は何もしないと生ゴミの約80%は水分で、この水分を減らせば燃やすための燃料を減らせるというのです。
 そこで彼女は分かりやすく“片手で絞って1億円、両手で絞って3億円”という標語をつくって、ゴミ処理費の削減を訴えたところ、地域に共感が広がっていきました。私もそれを聞いてから、両手で絞るように心掛けています。
  
 柴田 台所の三角コーナーにある生ゴミをですか?
  
 澤登 はい。水切りネットをぎゅーっと。
  
 柴田 ぎゅーっと絞るだけで3億円! 私もやります!
  
 澤登 使う燃料が少なく済めば、二酸化炭素の排出削減にもつながりますね。
  
 山崎 まさに、生活に根差した女性らしい気付きや視点ですよね。私も自分のできることから取り組んでいます。着なくなった洋服は、古着を回収している大手衣料品販売店があるので、そこに持って行くようにしています。中古品を扱うフリマアプリも活用していますよ。
  
 柴田 へーっ、そうなんですか! 若い女性ならではの工夫ですね。そうそう、コロナ禍で文化芸術の分野も打撃を受けたじゃないですか。国の支援を実現させたのも、“女性の力”が原動力となったんです。いろんな人が支援策を求めようと願っていたんですが、考え方の違いなどで折り合いがつかず、なかなか前に進まなかったんです。
 そこで立ち上がったのが女優の渡辺えりさんです。“立場の違いは置いておいて、まとまろうよ”との思いで、えりさんが声を上げ、文化芸術の関係者が一つにまとまったんです。私もえりさんから聞いて、久本(雅美)さんにも相談したりして――。共感力と口コミで、どんどん仲間を広げられるのが女性の強みですよね。
 日々の暮らしについても、「これが便利よ」とか、「これってSDGsにつながるんだって」とか、あっという間に広がりますもんね。
  
 山崎 女性の口コミにはすごい力がありますよね。誰かに話す中で別の発想が生まれ、どんどんオシャレに“バージョンアップ”していく。それが、社会全体の変革をも生み出せるんだと思います。

柴田理恵さん㊨との語らい。「お互いの取り組みを話すことは、いろいろな発見や気付きがあって大事ですよね」と(2日、東京・信濃町の世界聖教会館で)
柴田理恵さん㊨との語らい。「お互いの取り組みを話すことは、いろいろな発見や気付きがあって大事ですよね」と(2日、東京・信濃町の世界聖教会館で)
一歩踏み出せば世界が変わる

 澤登 話は尽きませんが、そろそろ時間です(笑い)。柴田さん、今日は本当にありがとうございました。
 私たち女性平和委員会は昨年11月から今年の4月まで、オンラインアンケート「子どもの笑顔を広げよう!」を実施しました。約2万人の皆さんから声をいただく中で私が改めて感じたのは、“子どもの声を聞く大切さ”です。子どもの気付き、発想って素晴らしいものがあるじゃないですか。希望ある未来を築くためにも、青年や子どもたちと一緒にSDGsについてさらに学び、実行していきたいと決意を新たにしました。
  
 柴田 大切なのは、やっぱり、小さな行動でもそれに踏み出すことだと思うんです。1人が気付けば2人が続いて、10人、100人とスクラムが広がっていきますよね。将来を見た時、コロナ禍の中から、いよいよ新しい時代を開くことができるか、今が大きな分岐点になると感じています。SDGsを一時の流行にするのではなく、より良い未来をつくるために、私も皆さんと一緒に“実行”していきたいと思います!

 

 

 

 

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小説「新・人間革命」に学ぶ 第30巻〈上

2021年06月16日 | 妙法

小説「新・人間革命」に学ぶ 第30巻〈上〉 御書編2021年6月16日

  • 連載〈世界広布の大道〉
イラスト・間瀬健治
イラスト・間瀬健治

 今回の「世界広布の大道 小説『新・人間革命』に学ぶ」は第30巻〈上〉の「御書編」。小説で引用された御書、コラム「ここにフォーカス」と併せて、識者の声を紹介する。挿絵は内田健一郎。

宗門に潜む信徒支配の体質
【御文】

 外道・悪人は如来の正法を破りがたし仏弟子等・必ず仏法を破るべし師子身中の虫の師子を食等云云(御書957ページ、佐渡御書

【通解】

 外道や悪人によって、如来の正法が破られることはない。仏弟子らによって必ず仏法は破られるのである。師子身中の虫が師子を食むとはこのことである。

【小説の場面から】

 伸一は、僧たちの信徒支配の意識に潜む、恐るべき魔性を感じていた。
 
 初代会長・牧口常三郎と、第二代会長・戸田城聖は、戦時中、思想統制が進み、宗門が神札を容認した時、正法正義を貫き、軍部政府の弾圧によって投獄され、遂に牧口は殉教した。その学会に、僧たちは登山禁止など、卑劣な仕打ちを重ねた。だが、それでもなお、戦後、学会は広宣流布の実現のためにと、宗門を外護して、赤誠を尽くしてきた。
 
 日蓮大聖人の末弟を名乗る僧たちが、宗祖の御遺命通りに死身弘法の実践を重ねてきた学会を迫害する。およそ考えがたい事態が、創価教育学会の時代から続いてきたのだ。しかし、それも仏法の眼を開けば、すべては明らかである。大聖人は、誰が仏法を破壊していくかに言及されている。(中略)
 
 仏法を誹謗する外道や悪人ではなく、仏弟子が仏法を破る働きをなすというのだ。それは、経文に「悪鬼入其身」とあるように、第六天の魔王が僧の身に入って、人びとを攪乱するゆえである。僧の姿をした者が、大聖人の御精神を踏みにじって、広宣流布を妨げるのだ。戸田城聖の時代にも、学会は僧たちの理不尽な圧迫に苦しめられた。
 
 伸一は、かつて戸田が厳しく語っていたことを思い起こしていた。
 
 “学会の存在なくして、広宣流布の伸展は断じてない。和合僧たる学会を破ろうとすることは、要するに、広宣流布を妨害することではないか!”
 
 (「大山」の章、24~25ページ)
 

「行」「学」は仏道修行の両輪
【御文】

 行学の二道をはげみ候べし、行学たへなば仏法はあるべからず、我もいたし人をも教化候へ、行学は信心よりをこるべく候、力あらば一文一句なりともかたらせ給うべし(御書1361ページ、諸法実相抄)

【通解】

 行学の二道を励んでいきなさい。行学が絶えてしまえば仏法はない。自分も行い、人をも教化していきなさい。行学は信心から起こる。力があるならば一文一句であっても人に語っていきなさい。

【小説の場面から】

 〈1981年(昭和56年)1月、山本伸一はハワイを訪問。第1回世界教学最高会議で、御書を拝して指導した〉
 
 「『行』とは、自行化他にわたる実践であり、唱題と折伏のことです。『学』とは教学の研鑽です。『行学』に励む人こそが、真の日蓮大聖人の門下です。そして、この二道の絶えざる実践がなければ、それは、もはや仏法ではないと、大聖人は仰せなんです。このお言葉通りに実践し、さまざまな難を受けながら、広宣流布を進めてきたのは学会しかありません。この厳たる事実は、誰人も否定することはできない。
 
 『行学』の二道は、信心から起こる。『行学』を怠っているということは、信心を失っていることにほかならない。信心とは、いかなる脅し、迫害、誘惑にも絶対に屈せず、不退を貫き、ひたぶるに御本尊を信受し、広宣流布に邁進していくことです。
 
 『行』と『学』は、信心を機軸にした車の両輪といえます。したがって、いくら知識としての教学に精通していったとしても、『行』という実践がなければ、片方の輪だけで進もうとするようなものであり、正しい信心の軌道から外れていかざるを得ない。
 
 (中略)
 
 私たちは、いわゆる職業的仏教学者になるために教学を研鑽するのではない。自身の信心を深め、一生成仏をめざすためであり、広宣流布推進のための教学であることを、あらためて確認しておきたいのであります」
 
 (「雄飛」の章、320~321ページ)
 

東京の新たな“凱歌の行進”

 1979年(昭和54年)、反逆者や宗門僧らによる師弟分断の謀略の嵐が吹き荒れます。池田先生が会長を辞任すると、会合で指導することや、その指導を聖教新聞で掲載することができない状況がつくられていきました。
 
 しかし、先生は個人指導に力を注ぎ、揮毫を認め、和歌を詠み、ピアノを弾いて同志に励ましを送ります。いかに行動を制約されようとも、先生の広宣流布の戦いは決してとどまることはありませんでした。
 
 同年11月16日、先生は、豊島区の東京戸田記念講堂で開催された本部幹部会に途中から入場します。そこで、会長辞任後、初めての学会歌の指揮を執ります。「威風堂々の歌」の勇壮な調べが流れる中、心で叫びます――“大東京よ、立ち上がれ! 全同志よ、立ち上がれ!”。師匠の力強い指揮と、参加者の歌声はピタリと合い、会場は一つになりました。この日、東京の新たな“凱歌の行進”が開始されたのです。
 
 「雌伏」の章には、「戦いは智慧である。工夫である。創造である。どんなに動きを封じられようが、広宣流布への不屈の一念があれば、前進の道が断たれることはない」とあります。どのような状況にあっても、以信代慧の智慧を湧き上がらせ、全国・全世界に勝利の凱歌を轟かせていくのが、世界広布の本陣・東京の使命です。

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異体同心で前へ、前へ

2021年06月13日 | 妙法

異体同心で前へ、前へ! 池田大作先生の写真と言葉「四季の励まし」2021年6月13日

 【写真説明】大東京の空に、鮮やかな虹が懸かった。自然が織り成す妙なる七彩が、かなたの東京タワーや高層ビルを包み込む。2002年(平成14年)5月、池田大作先生が新宿区内でシャッターを切った。
 虹は、それぞれの色が調和して輝く。広宣流布もまた、多彩な人材が異体同心で、あらゆる人々と友情を結ぶ中で進んでいく。
 日蓮大聖人は、十方の諸仏が法華経を「真実なり」とたたえた光景を、「無量無辺の虹の虚空に立ちたらんが如し」(御書359ページ)と表現された。
 さあ、真実の声、勇気の声を高らかに、わが地域に「勝利の虹」を懸けよう!
 

池田先生の言葉

 何があろうと、
 恐れることはない。
 いざという時こそ、
 もう一歩、
 強盛なる執念で、
 題目を
 唱え抜いていくことだ。
 大事なのは、
 勇猛精進の祈りだ。
 師子奮迅の戦いだ。
 異体同心の前進である。
  
 自分の「我」に
 固執すればするほど、
 人との溝が深まり、
 世界は狭くなっていく。
 地域の繁栄も、
 広宣流布の伸展も、
 皆が
 進取の意気に燃え、
 広い心で、
 団結していく
 なかにこそある。
  
 ダイナミックな交流は
 新たな創造を生む。
 新たな勢いと
 拡大の力となる。
 自分の持ち場を
 死守しつつ、
 心広々と
 打って出て、
 励まし合い、
 触発し合って、
 共に成長し、
 皆が
 勝利していくのだ。
  
 今、共に
 信心に励んでいるのは、
 決して偶然ではない。
 過去遠遠劫からの
 深い縁に結ばれ、
 一緒に久遠の誓いを
 果たすために
 末法濁世
 出現したのだ。
 その縁のうえに
 今があることを
 互いに自覚するならば、
 強い絆が育まれ、
 広布への
 大きな
 前進の力が生まれる。
  
 団結は美しい。
 団結は楽しい。
 そして
 団結こそ力だ。
 「異体同心」こそ、
 絶対勝利の法則である。

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