さわやかな風に、スズランの白く小さな花か揺れる。まるで、「私はここにいるよ」と、ささやいているかのように。花が「鈴」に、葉が「蘭の葉」に似ていることが、スズランの名の由来。
冷涼な気候を好むため、日本では北海道や本州以北の高原、高山で見られ、ひかえめにひっそりと咲く。花言葉は、「純潔」「幸福が訪れる」。なんとも清楚で可憐な姿。ほのかな香り。眺めていると、心が優しさに包まれていくような気がする。
しかし、すずらんは実はその姿からは想像もできないほどの毒を持つ。多年草で、根や葉は新しくなっても球根を残し、全身から毒を発し、身を守る。
″何かあっても必ず次の世代につなぐのだ″――まるで深い「覚悟」ともいえる強さ。世代から世代へ、未来に命をつなぐ生命の因果律が、小さな花に備わっていることに厳粛な思いがする。
大切なことは信念を貫く“心の強さ”なのだと、スズランに学ぶ。御書に、「今までかうて候事は一人なれども心のつよき故なるべしと・おぼすべし」(1220)と。日蓮大聖人か迫害の嵐を勝ち抜いてこられたのは、ひとえに“心か強かったゆえ”であると述べられた一節である。
この花のように、今いる場所で“断じて勝利する!”との決心を忘れまい。あらゆる行き詰まりを打開するカギはいつも自分が握っているのだから。秘められた無限の力。いざという時、その力を引き出すのは私自身――そう思った時、心の中に確かな光が広がった。
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