札幌、函館は3日間で2倍 旭川は注意レベル近く PM2.5、北海道内で急上昇 「ぜんそくの人は影響も」
(02/28 06:15)
東北地方から西日本の広い範囲で微小粒子状物質PM2・5の大気中濃度が上がっている問題で、道内でも27日、濃度が大幅に上昇した。旭川市の大気1立方メートル当たりの濃度は午前10時現在、全14観測地点のうち最大の64マイクログラムで、上昇傾向が見られ始めた24日の1日平均の4倍、同様に札幌市西区も35マイクログラムで2・7倍に増加。専門家は「西風が強まり中国から飛来した可能性が高い」と分析。道は「健康な人は気にしなくてよい数値だが、ぜんそくなどの人は屋外での運動を控えてほしい」としている。
27日は1日平均の数値が出ておらず、北大大学院工学研究院の村尾直人准教授(大気保全工学)は「外出など日常活動が活発化し始める午前10時の数値が一つの目安」とする。
大気1立方メートル当たりの濃度は、函館市が27日午前10時現在、34マイクログラムで前日の平均の2倍、24日の2・4倍。苫小牧市が34マイクログラムで前日の1・3倍、24日の1・5倍だった。
宗谷管内利尻町の27日の数値は48マイクログラムで、1~26日の平均濃度の8倍。村尾准教授は「空気がきれいな利尻でも濃度が高いということは、PM2・5が中国、とりわけ黒龍江省など東北部から流れてきているのでは」と分析する。
日本気象協会北海道支社によると、27日は道内を寒冷前線が通過した影響で、西風が強くなり中国大陸からPM2・5が流入しやすかった。28日以降は、風向きが変わることなどから、村尾教授は濃度が低くなるとみる。
環境省が定めたPM2・5の暫定指針値は1日平均70マイクログラム。これを超えると、健康に影響が出る可能性があるとして、自治体に注意喚起するよう求める。<北海道新聞2月28日朝刊掲載>
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