〈トインビー対談開始50周年記念特集〉 博士が託した紙片が生んだ語らい2022年5月7日
- 池田先生に伝えた言葉「世界に対話の旋風を巻き起こしてください」

多くの指導者・学識者が“座右の書”とする池田先生と歴史学者アーノルド・J・トインビー博士の対談集『21世紀への対話』。アルゼンチンの公共メディア・コンテンツ庁のエルナン・ロンバルディ長官は「世界の平和と調和を実現しゆくためのエッセンス(精髄)が凝縮されていた」とたたえる。“トインビー対談”開始50周年記念特集の3日目(完)では、博士の遺志を継いだ池田先生が世界に展開した識者との対話を紹介する。



1973年(昭和48年)5月19日、2年間で40時間に及んだ歴史的な対談の最終日のことである。
84歳のトインビー博士は、45歳の池田先生に語った。
「私は、対話こそが、世界の諸文明、諸民族、諸宗教の融和に、極めて大きな役割を果たすものと思います。人類全体を結束させていくために、若いあなたは、このような対話を、さらに広げていってください」
その後、博士は人を介し、「あなたが、世界に対話の旋風を巻き起こしていくことを、私は、強く念願しています」と伝言。1枚の紙片を先生に託した。
そこには、博士の友人である、世界的に著名な学識者たちの名前が記されていた。
その時の心境を、後に先生はこうつづっている。「よし、やろう! 人類の平和のために、世界に対話の旋風を巻き起こそう。仏法の人間主義の哲学をもって、世界を結ばねばならない」
先生は、紙片に記されていた学識者のうち、ローマクラブの創立者アウレリオ・ペッチェイ博士、ドイツの教育学・哲学の権威であるヨーゼフ・デルボラフ博士、アメリカの細菌学者ルネ・デュボス博士と会談。
対談集『21世紀への警鐘』(ペッチェイ博士)、『21世紀への人間と哲学』(デルボラフ博士)も編んだ。
トインビー博士はこうも語っている。
「私たちの対談は地味かもしれません。しかし、私たちの語らいは、後世の人類のためのものです。このような対話こそが、永遠の平和の道をつくるのです」
博士との語らいから世界に広がった「対話の大道」――。
確かな平和を築くその道に続こうと、今、多くの青年たちが先生の対話に学び、学究に励んでいる。
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