「形態変化」する銀河、円盤から楕円形に 国際研究
国際研究チームは、現在観測可能な宇宙に存在する数十億個の銀河のうち、約1万個の銀河に関する観測データを詳細に調べた後、ハッブル(Hubble)とハーシェル(Herschel)の両宇宙望遠鏡を用いて、
宇宙史をさかのぼる遠方銀河の観測を行った。
研究を主導した天文学者らが所属する英カーディフ大学(Cardiff University)物理・天文学部から発表された声明によると、
観測の結果、約137億年前のビッグバン(Big Bang)の後に形成された恒星の83%は当初、回転している平らな円盤形の銀河に集まっていた。
しかし現在では、これらの円盤形の銀河内には、宇宙に存在する恒星の49%しか位置しておらず、残りは楕円形の銀河内に位置していることが確認されている。
この結果について声明は「円盤形の銀河が楕円形の銀河になった大規模な形態変化が起きたことを示唆している」と説明している。
宇宙に存在する恒星の大半は、120億年前~80億年前の間に形成されたと考えられている。
今回の観測結果をめぐり研究チームは、2つの仮説を提唱している。1つは、円盤形の恒星集団2個が互いに接近しすぎた結果、重力で合体して無秩序な星の塊となり、
楕円銀河が形成される可能性があるとする説。もう一つは、円形の平坦な銀河内にある恒星が徐々に中心方向に移動して、無秩序な、ほぼ楕円形の恒星集団が形成されるとする説だ。
研究を率いたスティーブ・イールズ(Steve Eales)氏によると、このような銀河の形態変化は、これまですでに理論化されていたという。
しかし、今回の研究では、ハーシェルとハッブルを合わせて用いることで、変化の程度を正確に測定することに初めて成功したことを指摘。
そして「銀河は宇宙を構成する基本要素なので、この形態変化は、宇宙の姿と性質における、過去80億年間での最も重大な変化を真に表すものだ」と説明している。