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【米国市況】株は最高値、CPI堅調も利下げ観測変わらず-147円後半 2024年3月13日 5:58 JSTブルームバーグ

2024-03-13 06:24:18 | 日記
【米国市況】株は最高値、CPI堅調も利下げ観測変わらず-147円後半
Rita Nazareth
2024年3月13日 5:58 JSTブルームバーグ

米国債は下落、10年債入札の需要が低調で下げ幅拡大
市場はFOMCが年内に利下げを実施できるとなお予想

CPI統計発表後に株式相場は上昇 Photographer: Michael Nagle/Bloomberg
12日の米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は最高値を更新した。朝方には一時下落する場面もあったが、持ち直しを見せた。米消費者物価指数(CPI)統計は、市場で広がる年内利下げの観測を変えるには至らなかった。

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 5175.27 57.33 1.12%
ダウ工業株30種平均 39005.49 235.83 0.61%
ナスダック総合指数 16265.64 246.37 1.54%
  テクノロジー株が上げを主導した。オラクルは12%の急伸。前日の引け後に発表した決算で、クラウドコンピューティング事業での受注増加が示された。エヌビディアは7%高。一方、ボーイングは3日続落し、年初来の下落率が30%近くに拡大した。

  2月のCPI統計では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前月に続き、市場予想を上回る伸びを示した。インフレを2%目標近くに戻そうと努めている米金融当局にとって、これは理想的な内容ではないが、インフレ統計発表後に再び相場が荒れることを恐れていたトレーダーらに衝撃を与えるほどではなかった。

米コアCPI、2カ月連続で伸びが予想以上-利下げ慎重論を補強 (3)

  クリアブリッジ・インベストメンツのディレクター、ジョシュ・ジャムナー氏は「CPI発表前には非常に強い数字が示されるとの警戒が広がっていたが、それが現実のものとならなかったため、相場が押し上げられたようだ」と指摘。「全体的には、ディスインフレのプロセスに関するこれまでの理解とおおむね一致する内容だったことから、今回の統計が市場に及ぼす影響は比較的小さいはずだ」と述べた。

  株式相場はCPI発表直後に変動が大きくなった後は、相対的に落ち着きを取り戻し、買い進まれた。

  モルガン・スタンレー傘下Eトレード・ファイナンシャルのクリス・ラーキン氏は、今回のCPI統計は根強いインフレという筋書きに新たな息吹をもたらすかもしれないが、これで実際に利下げ時期が遅くなるかどうかは別の話だと指摘。「『根強い』は必ずしも『過熱』を意味しない」と述べた。

米CPI、インフレ抑制「最後の1マイル」伸びた-市場関係者の見方


  リーガン・キャピタルのスカイラー・ウィナンド氏は、「企業業績とインフレ、金利が正しい方向に向かいつつある中、相場の勢いを止め得るものを見つけるのは難しい」と話した。

S&P 500 Notches Fresh Record

  S&P500種に採用されている企業の今年の利益は予想を上回ると、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは予測した。底堅い経済成長に加え、人工知能(AI)の発展が原動力になるとみられている。

  オースン・クウォン氏とサビタ・スブラマニアン氏を含むBofAのチームは、1株当たり利益予想を235ドルから250ドルに引き上げ、BMOキャピタル・マーケッツやドイツ銀行と並び、ブルームバーグが追跡しているストラテジストの中でも特に楽観的な見通しを示した。

S&P500企業の利益予想引き上げ、景気やAIが原動力に-BofA

米国債
  米国債は下落。390億ドル(約5兆7600億円)規模の10年債入札で需要が低調だったこともあり、下げ幅を拡大した。

国債 直近値 前営業日比(BP) 変化率
米30年債利回り 4.31% 5.0 1.19%
米10年債利回り 4.15% 5.2 1.28%
米2年債利回り 4.59% 5.0 1.11%
米東部時間 16時57分
  トレーダーらは連邦公開市場委員会(FOMC)が昨年12月に金利予測で示したように2024年に0.25ポイントの利下げが3回以上実施されるとなおみている。ただし、6月の初回利下げ確率は約70%にやや後退。今年の利下げ幅予想も約80ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に縮小した。

  リーガン・キャピタルのウィナンド氏は、株式相場は上昇しているが、米国債利回り曲線は逆イールドが続いており、今年の景気をなお懸念している投資家が多いことをうかがわせると指摘。

  「リセッション(景気後退)が起きれば、当然ながら利回り曲線はスティープ化して順イールドになるだろうが、リセッションにならなくても、利回り曲線は今年スティープ化する可能性があると考える。投資家はソフトランディングは達成できるといずれ認識し、そうしたセンチメントの変化で10年債利回りが2年債利回りを上回ることはあり得る」と述べた。

Traders Hold Firm on Rate Bets Despite Faster Inflation | Markets keep pricing more reductions than Fed dot plot after CPI data

外為
  外国為替市場ではドルが値上がり。米国債利回りの上昇が背景にある。

  ドルは対円でも買われ、一時0.8%高の1ドル=148円12銭を付けた。日本銀行の植田和男総裁が「食料品、日用品などの非耐久財消費に弱めの動きがうかがわれる」と述べたことも円を圧迫した。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1230.50 1.22 0.10%
ドル/円 ¥147.66 ¥0.71 0.48%
ユーロ/ドル $1.0927 $0.0001 0.01%
米東部時間 16時57分
原油
  ニューヨーク原油相場は4営業日続落。この日は根強いインフレを示した米CPIに金融市場全体が振り回された。石油輸出国機構(OPEC)は供給削減が滞っていることを報告で明らかにした。

  ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は比較的大きな変動を経て、バレル当たり78ドルを下回って引けた。北海ブレント原油は反落し、82ドルを割り込んだ。OPECの月報によれば、イラクの産油量が2カ月連続で割当量を上回った。

OPECの石油供給削減は停滞、イラクが生産枠上回る供給を継続 (1)

Oil Drops Amid Inflation Uncertainty | WTI fell 0.5% after fluctuating Tuesday
WTI先物出所:Nymex
  サクソバンクの商品戦略責任者オレ・ハンセン氏は2月の米CPIについて、予想をわずかに上回る数字が米政策金利を巡る「状況を揺るがしはしないだろう」と話す。「全体的に見て、この統計が考え方に影響する可能性は低い」と述べた。市場では来週のFOMCについて、5会合連続となる金利据え置きが広く予想されている。

  原油価格は今年に入って上昇傾向にあるが、強気と弱気の綱引きで一進一退となっている。OPECプラスの供給削減を他の産油国の増産が相殺する中、中国需要に対する不安も根強い。今週は国際エネルギー機関(IEA)も市場分析を報告する。

今年の米原油生産、日量1319万バレルに-政府が予想を上方修正

  ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前日比37セント(0.5%)安の1バレル=77.56ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は0.4%下げて81.92ドル。


  金現物相場は過去最長となった9日続伸から反落した。米CPIのコア指数が2カ月連続で予想を上回ったことで、利下げに対するFOMCの慎重姿勢が裏付けられた。

  TDセキュリティーズの商品戦略責任者、バート・メレク氏は「2月の米CPIは予想より強かった」と述べた。「このことから考えられるのは、FOMCはまだ利下げの段階ではないらしいということだ」と話した。

  米金融政策が長らく待たれている緩和転換を果たせば、国債のような利回りのある金融商品との比較で、金投資の妙味は高まる。インフレが2%の目標に向かっている証拠が増えるまで、政策当局者らは利下げを見合わせている。

Gold Extends Losses as US Inflation Data Reinforces Fed Caution | Rates and the dollar extend gains, weighing on bullion
金スポット価格(右軸)、米10年債利回り(左軸)出所:ブルームバーグ
  MKS・PAMPの金属戦略責任者、ニッキー・シールズ氏は金相場について、「穏やかなインフレはなおも支援材料だ。市場は6月の米利下げを今も予想しており、今回の統計はその見方を変えるほど悪くはない」と述べた。

  金相場は今月に入り大きく上昇し、過去最高値の更新を繰り返した。しかし突然の上昇について、その幅とスピードは明確な根拠を欠いていると、疑問を抱く市場参加者は少なくない。

  それでも金は、中国をはじめとする新興市場国の中銀による大量購入などに支えられてきた。パレスチナ自治区ガザから紅海といった中東の緊張に加え、ロシアとウクライナの戦争といった地政学的リスクの上昇も、逃避先資産としての金の妙味を強固にしている。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後3時51分現在、前日比26.51ドル(1.2%)下げて1オンス=2156.24ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は22.50ドル(1%)下げて2166.10ドルで終了した。

原題:Stock Traders Bracing for Worst Shrug Off Hot CPI: Markets Wrap(抜粋)

Stock Traders Bracing for Worst Shrug Off Hot CPI: Markets Wrap(抜粋)

Treasuries Extend Declines After Weak Demand for 10-Year Sale(抜粋)

Dollar Firms After Higher Than Expected Core CPI: Inside G-10(抜粋)

Oil Slips as OPEC Supply Cuts Stall Out, US Inflation Persists(抜粋)

Gold Extends Loss as US Inflation Data Reinforces Fed Caution(抜粋)

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NYダウ続伸で235ドル高 半導体株高、NVIDIAは7%高 北米 2024年3月13日 5:26

2024-03-13 06:19:39 | 日記
NYダウ続伸で235ドル高 半導体株高、NVIDIAは7%高
北米
2024年3月13日 5:26


【NQNニューヨーク=川上純平】12日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比235ドル80セント高の3万9005ドル46セント(速報値)で終えた。このところ下げの目立っていた半導体株が上昇し、投資家心理が改善した。半面、2月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回り、米長期金利が上昇したのは株式相場の重荷だった。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアが7%あまり上昇した。エヌビディアは前日までの2日間で利益確定売りで7%下落し、相場を押し下げていた。売りが続くことへの懸念が広がっていただけに、押し目買いが入ったことで市場には安心感が広がった。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やクアルコムも上昇した。

半導体株高を受け、主力のハイテク株にも買いが及んだ。ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、アップルが上昇した。

もっとも、ダウ平均は下げる場面もあった。12日発表の2月のCPI上昇率は前年同月比3.2%と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(3.1%)を上回った。1月分に続いてインフレ圧力の根強さを示す結果となり、市場では「米連邦準備理事会(FRB)が利下げ開始への自信を深める内容ではなかった」(ウェルズ・ファーゴのサラ・ハウス氏)との見方があった。米長期金利が4.15%前後に上昇(前日終値は4.10%)し、株式の相対的な割高感が意識された。

スリーエムやIBM、ウォルマートが上昇した。半面、航空機の納入遅れへの懸念からボーイングが大きく下げた。ナイキやハネウェル・インターナショナルにも売りが出た。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比246.362ポイント高の1万6265.636(速報値)で終えた。

最高値突破の日経平均は下落しても2400円程度で暴落はない…そう断言する専門家が今、注視する意外な指標 3/12(火) 11:17配信 プレジデントオンライン

2024-03-13 06:08:22 | 日記
最高値突破の日経平均は下落しても2400円程度で暴落はない…そう断言する専門家が今、注視する意外な指標
3/12(火) 11:17配信
プレジデントオンライン


34年ぶりに最高値を更新し、一時4万円の大台を突破したことが話題となっている日経平均株価。新NISAを始める人も多く、投資熱は高まっている。だが、経営コンサルタントの小宮一慶さんは「私が銀行員になった約40年前の株価は1万円弱で、NYダウも1000ドル弱。その後、ダウは40倍になった一方、日本は2度も7000円台になるなど苦しんだ。日本の現状を踏まえると、今後、景気が上向き続けると考えるのは早計だ」という――。


【図表】2019年3月から6年間の各3月の日経平均株価とニューヨークダウ

■34年ぶりの最高値

 東京株式市場では日経平均株価が、1989年12月末につけた3万8915円の最高値を34年ぶりに更新したことが大きな話題となっています。その後、一時4万円も突破しました。

 これらのことを見るたびにバブルやその前の日本経済を実際に経験している人間としては、ある種の感慨を覚えるとともに、少し考えさせられるものがあります。

 私は、約40年前の1981年に東京銀行(現・三菱UFJ銀行)の銀行員となりました。名古屋支店勤務でしたが翌年に為替課長と“賭け”をしたのをよく覚えています。その頃は、日経平均株価がちょうど1万円を超える水準で、ニューヨークダウは1000ドルをやはり超える直前でした。どちらが先に大台を超えるかで1000円の賭けを行ったのです。どちらが勝ったかは忘れましたが、日経平均もNYダウもそのレベルの相場だったのです。

■バブル期の日本

 その後、すさまじいバブルが日本で起こりました。1985年9月にそれまでの円安を是正するために、ニューヨークのプラザホテルにG5(先進5カ国)の蔵相、中央銀行総裁が集まり会議が開かれました。米国の膨大な貿易赤字を是正するため、それまで240円程度だったドル・円レートを是正する決定が行われたのです。いわゆる「プラザ合意」です。当時、米国に留学中だった私は、みるみるうちに円高が進むのに驚いた記憶があります。1年ほどで100円ほど円高に振れたのです。

 急激な円高で、当時は輸出主導だった日本経済は大きな打撃を受けるとの懸念から、日銀は金利を下げるとともに通貨供給量を拡大しました。ちょうどこのころ、外資の日本進出が進みかけていた時期で、外資、とくに金融機関は都心にふさわしいビルを探しましたが、彼らの目にかなうのは東京・港区のアークヒルズくらいしかありませんでした。

 最初は、東京駅周辺の土地が再開発のために買い進められましたが、そこに金融緩和での余剰資金が流れ込み、土地が値上がりするので、特に八重洲側では、「地上げ」が始まりました。それがすぐに都内全域に広がり、周辺都市に拡大したのです。土地バブルが発生したのです。「23区の土地価格で全米の土地が買える」とまで言われました。それが株式やゴルフ会員権にまで広がるのに多くの時間を要しませんでした。

 バブル期には、都心のみならず東京近郊の住宅地の地価が短期間に4倍にはね上がったり、小金井カントリー俱楽部の会員権が4億円をつけたりと、異常なバブルが発生しました。「一億総投資家」と言われ、日経平均株価が最高値をつけたのもその頃でした。

 企業も余った資金を利用して、三菱地所がニューヨークのシンボルの一つロックフェラーセンターを買収、青木建設がカリフォルニアの超名門ゴルフ場のペブルビーチを買収しました。他にも、JALがニューヨークの名門ホテル、エセックスハウスを買収するなど、世界中を日本のバブルマネーが席巻しました。

 余談ですが、私が勤めていた銀行で中小の不動産会社に融資していた担当者から聞いた話だと、現金で数億円持ってきてほしいと言われて持っていくと、その場で売主に現金でお金が支払われたそうです。そして、そこに居合わせた関係者に、その現金から百万円ずつ「祝儀」ということで配られたというのです。銀行の担当者にもくれるというのを必死で断ったという話を聞いたのもその頃です。

 89年暮れの日経新聞には、「翌年(90年)は4万円」の記事が、最近よりももっと大きく踊っていました。しかし、バブルはしょせんバブルですから、90年には2万円台まで日経平均株価は下落し、その後34年間89年の最高値を抜かなかったのです。

 それどころか、バブル崩壊による金融危機などがあり、日経平均株価は2度7000円台まで落ちました。そして、バブル期に買収した世界の名門資産は、今も日本企業が保有しているところはほとんどありません。バブル崩壊とはそのようなものです。バブル崩壊後の荒波を越えて、やっと日経平均がバブル期の最高値を抜いたというのが昨今なのです。


■ドル建てで考えれば

 先の80年代前半と比べると、NYダウは40倍近く上がっている反面、日経平均株価は4倍程度です。これはこの国のこの間の成長力の弱さを反映しているとも言えます。

 また、日経平均株価をドル換算したものを見ると、違った局面が見えます。図表1は、2019年3月から6年間の各3月の日経平均株価とニューヨークダウを表したものです(2024年は3月8日)。2019年3月はコロナ前、2020年3月はちょうどコロナの蔓延が急速に始まりだした頃です。

 まず、円ベースの日経平均株価を単純に見てみると、現状(3月8日)の3万9688円は19年3月の2万1418円に比べて、1.85倍となっています。コロナが始まった20年3月の1万8974円と比べると2.09倍です。

 一方、同時期のNYダウを同様に比べるとそれぞれ1.49倍と1.73倍で、円ベースでの日経平均株価の上昇率のほうが高いことが分かります。

 さらに、日経平均株価をその時々のドル・円レートで換算すると、図表1のようになりますが、上と同様に、ドルで換算したその上昇具合を見ると、対2019年3月では1.40倍、対2020年3月では1.53倍となり、NYダウの上昇率を下回っているのが分かります。

 ドル・円レートが現状、147円程度ですが、それから見ても、外国人投資家からはそれほどの上昇とは言えず、割安感があると言えます。

 また、現在の株価を指標面から考えると、PER(株価収益率:株価が一株当たり純利益の何倍か)では16.8倍程度です。コロナ期でも14倍程度でしたから少し水準が上がったという程度です。バブルの最盛期は60倍程度まで上がりました。それらから考えるとそれほどの過熱感はないと考えられます。

 年初来急ピッチで株価が上がっているので、多少の調整がある可能性があります。3月11日の東京株式市場はほぼ全面安の展開で一時、前週末終値比で1100円超下落しました(終値は868円45銭安の3万8820円49銭)。

 今後は、PERで1倍程度下がるとすると、日経平均で2400円程度の調整はあるかもしれません。もし、2倍程度の下げがあるとすれば、その倍程度の動きとなりますが、バブルではないと私は考えているので当面の暴落は考えにくいと思います。

 日本の短期金利がこの先、日銀のマイナス金利解除で少し上がり、逆に米金利はインフレ圧力の弱まりから下がることを考えても、90年代に見られたような暴落は当面はないと思われます。

 また、日経平均の高値を支えている企業の多くは、海外で活躍する企業で、日本経済の状況だけでは株価を判断するのが難しくなっていることにも注意が必要です。


■現状の日本経済を考えれば

 一方、先に述べた小金井カントリークラブの会員権相場は、今では4000万円程度です。東京郊外でバブル期に4倍値上がりした土地はその後、元の水準の4分の1にまで下落し、最近少し上がったというほどです。

 私がなぜ小金井カントリー倶楽部の会員権相場を注視しているのかというと、それは日本国内で一番「余っているお金」の勢いを表しているからです。

 株式市場には、私たちの公的年金を運用する世界有数の投資機関であるGPIFや、アベノミクス以降は日銀まで参入するようになり、「官製相場」とまで言われるほどです。つまり、政府関連の資金が流れ込むことがあり、実力を超えている部分もあります。でも、ゴルフ会員権にはそのようなお金は流れ込みません。

 GPIFには、日本株は全体の25%という上限があり、このところの株高で持ち高を減らす必要があり、日銀もリスク性資産を減らすことが急務ですから、両者ともに徐々に日本株の持ち高を減らす傾向だと考えられます。土地やゴルフ会員権は弱含みではありませんが、バブル期のような勢いはありません。

 こうして考えると、バブル期が異常だったのです。いずれにしても、膨大な財政赤字を抱え、人口が今後も大きく減少する中で社会保障負担が今後ますます政府にも個人にものしかかってくるのは必至です。

 長期的には、こうした大きな問題や「実質賃金」が長きにわたってマイナスとなっている現状は何一つ解消していないのです。そういう環境の中での日経平均株価最高値ですが、これにより景気が長期的に上向き続けると考えるのは早計でしょう。



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小宮 一慶(こみや・かずよし)
小宮コンサルタンツ会長CEO
京都大学法学部卒業。米国ダートマス大学タック経営大学院留学、東京銀行などを経て独立。『小宮一慶の「日経新聞」深読み講座2020年版』など著書多数。
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