市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

宮崎市謎所案内2美しい街

2005-02-14 | Weblog
 宮崎市で、都市プランナーとか環境アドバイザーなどが、美しい街とほめるところはまずは、住宅団地であった。緑と花の植え込みがつづくからである。それなら、今、売り出し中の宮崎県立看護大学まえにひろがる「まなびの」団地はその最たるものだろう。そこでは、販売ターゲットによってグレードの上下がはっきりしている。コンクリート塀に生垣、石積み(人造石模型)と生垣、その石積みの上につつじなどの潅木、その背後に生け垣、おなじく石積みのうえに盛り土の斜面があり、その上につつじと生垣と、今のところ、これが最上位である。

 うわさによると、通の右と左では、会話もちがうという。うちのが、こんどハーグの学会にいきますのよ、なんたらかんたらとか、やっぱりイタリヤは北ねなんたらかんたらと奥さんたちが話すんで、身のおきどろもないのよと、ぼくの姪の知り合いがこぼしていたという。彼女一家は、最初の売り出し住宅を買ったためである。ビンボーとカネモチの差異は、社会的地位の上下をも意識させるようである。

 この上流?の角地に20ステップの階段を上がったところに巨大なスペイン風の鉄筋コンクリート造の家屋がある。集会所までなんと豪華なものよと上がってみると、これは個人住宅であった。いや、ここからカーブする道路にそって、おなじ造作の住宅が並んでいる。真ん中あたりに案内板があり、なんと明記してあったと思う。「宮崎県立看護大学 教員宿舎」というのである。10棟あった。最低で7000万円、ひょっとすると一億円かかったかもしれない。こんなのを毎日仰ぎ見て、税金ドロボーとうらやむだけでも、不愉快なことではなかろうか。
 
 ここでは、美しい街づくりが、じつは住民の暮らしにくさをうみだしているのである。プランナーもアドバイザーも、この一点が見えてない。
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