市街・野 それぞれ草

 802編よりタイトルを「収蔵庫編」から「それぞれ草」に変更。この社会とぼくという仮想の人物の料理した朝食です。

演劇「エキスポ」の宮崎演劇協会合同公演

2006-03-24 | Weblog
 演劇「エキスポ」の地方性は、70年大阪博の「人類の調和と進歩」は、エキスポにあらず地方のどろくささにあったという皮肉に込められているというのが、ぼくの読みであり、深読みでもある。そこで、もうひとつ深読みをお許しいただこう。
  
 この上演成功が、宮崎演劇協会の合同公演に帰せられるとしたら、それは間違いであるということだ。20年ほど見続けてきた劇団SPC、劇団220を中心とした自立劇団の成果こそ本質だ。ここを読み違うと、宮崎演劇協会合同公演こそ偉大なりと、協会主体の演劇活動に帰着していくかもしれない。
 
 協会は劇団ではないのだ。管理された組織にすぎない。協会の合同公演は、大公演はやりやすく、行政の補助金ももらいやすい。メディアは考え(批評意識)もないしにやんや、やんやと紹介しまくる。つまり組織、行政、メディアの三位一体の地方文化賞賛となる。そこには批評など介在しなくなる。個人の創意も消える。

 自立劇団は、個性を失い団子となり、演劇上演は「だご汁」の提供となる。

 「エキスポ」上演の成功は、各自立劇団の積み上げの結果だと再確認し、自立劇団の自主的活動をさらに充実・推進してもらうことを強く提言しておきたい。それがなかったら、宮崎の演劇状況は30年前の「トロア」時代に還る。
コメント (1)
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