なにもしない、なにも出来ない、ただ空しく仕事している、これを無気力と思い込んでいる人が多いのではないか。だれが、それを無気力と教えたのか。それがテレビ・新聞なのである。
宮崎には「よだきごろ」という言葉がある。怠け者のことである。働かないで縁側で寝てばかりいる。それで近所のおばさんが、枕元に握り飯を置いてくれたが、翌日にいってみると、にぎりめしは、地べたにころがったままであった。問うと、転がったにぎりめしを、起きて拾うのが「よだきかった」というたそうな。
南米のジャングルに「怠け者」という動物がいる。右肩から左肩まで右手をまわすのにも数十秒かかる映像を見た人もおおいだろう。こんなスローでジャガーや
豹などの餌食にならぬのかと不思議である。その理由は、木にぶらさがったままで降りない。日中は動かず寝ている。それで猛獣の動態視力に入らぬからだという。
爬虫類なみに体温は外気に連動す。だから睡眠が冬眠状態という。一日の食事は、植物の新芽や若葉が8グラムですむ。動かない食わない、発見された当時は空気から栄養を摂っていると信じられていたという。この省エネが生きる力となっているのだ。
しかし、なまけものはニュースにはならない。ニュースになるのは、風船のように舞い上がって,大衆の視線をひき付け関心を集め、消費に走らせる記号的な人間模様である。風船のなかみはもちろん空っぽである。写真入りで紹介されるかれらの業績を自分の生き方に引き寄せて、冷静に判断すれば、その達成物などは、自分には何の関係もなければ、価値もないものではないのか。
だが、空っぽであればあるほど、空高く舞い上がる。メディアはそれをよろこぶ。なまけものだとして、自分の虚ろさを嘆くのは、まちがいである。なにもしないということ、このことは、この消費社会にとって、もっとも有益な省エネの貢献である。やがてはこの無駄な活動に溢れかえった消費社会の変革を促すだろうと、自負をもつべきであろう。
宮崎には「よだきごろ」という言葉がある。怠け者のことである。働かないで縁側で寝てばかりいる。それで近所のおばさんが、枕元に握り飯を置いてくれたが、翌日にいってみると、にぎりめしは、地べたにころがったままであった。問うと、転がったにぎりめしを、起きて拾うのが「よだきかった」というたそうな。
南米のジャングルに「怠け者」という動物がいる。右肩から左肩まで右手をまわすのにも数十秒かかる映像を見た人もおおいだろう。こんなスローでジャガーや
豹などの餌食にならぬのかと不思議である。その理由は、木にぶらさがったままで降りない。日中は動かず寝ている。それで猛獣の動態視力に入らぬからだという。
爬虫類なみに体温は外気に連動す。だから睡眠が冬眠状態という。一日の食事は、植物の新芽や若葉が8グラムですむ。動かない食わない、発見された当時は空気から栄養を摂っていると信じられていたという。この省エネが生きる力となっているのだ。
しかし、なまけものはニュースにはならない。ニュースになるのは、風船のように舞い上がって,大衆の視線をひき付け関心を集め、消費に走らせる記号的な人間模様である。風船のなかみはもちろん空っぽである。写真入りで紹介されるかれらの業績を自分の生き方に引き寄せて、冷静に判断すれば、その達成物などは、自分には何の関係もなければ、価値もないものではないのか。
だが、空っぽであればあるほど、空高く舞い上がる。メディアはそれをよろこぶ。なまけものだとして、自分の虚ろさを嘆くのは、まちがいである。なにもしないということ、このことは、この消費社会にとって、もっとも有益な省エネの貢献である。やがてはこの無駄な活動に溢れかえった消費社会の変革を促すだろうと、自負をもつべきであろう。