ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

何がどう問題なのか

2008-07-31 09:52:48 | アーツマネジメント
先日、T劇場のTさんと話していたところ、劇場内で仕事上のミスが発生して、外部からそれを指摘されてちょっとした騒ぎになったということがあったらしい。

そのとき、外部からの指摘に対して、まず最初に、「どこが問題なのか教えてください」と聞いたという。言葉として正確に聞き取ったわけではないが、意味としては、「問題のある点は直しますから、どこをどう直せばよいか、教えてください」という聞き方をした、ということだったのだと思う。

このことは非常に大事なことで、誰か(通常は誰であれ何かしら影響力のある人)から、「問題だ」と指摘されると、ほんとうは何が問題なのかがわからないままに、大変だ、大変だ、となりがちである。実際、何が問題なのか、どこをどう直せばよいのかを正確に把握することが大事で、それを確認するだけでほぼ事態が解決することもある、とT氏は言う。

「問題だ」と指摘した人は、いったい何に照らして(何を基準として)「問題だ」と言っているのか、について、言わば参照軸にあたるものが共有されていないと、問題は本質的には解決しないし、近いうちにまたぞろ同じことが繰り返されることになってしまう。

よって、誰かからなにごとか「問題だ」と指摘されたときには、その組織(劇場や会社)にとって何が参照軸となっているのか、を明確化するための質問が必要だし、有効だと言える。

ときには(あるいは、多くの場合)、「問題だ」と言い出した人の意識の中で当人だけが過度に心配しすぎているだけのこともあるかも知れない。

その心配は、客観的に見て考慮する必要がゼロであるとは言わないまでも、衆目の見るところ、その人が心配しているような事態が起こる確率がかなり低い場合は、「問題だ」と言い出した人の仕事の仕方(や精神構造)の方が問題だ、ということも、多分、よくあることである。

多分、だが。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« またまた初級カウンセリング講座 | トップ | 山海塾とチェルフィッチュ »

コメントを投稿

アーツマネジメント」カテゴリの最新記事