ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

ミュージカルというビジネス

2006-07-22 12:54:08 | アーツマネジメント
JRの電車の中吊広告に「ついにこの時が来た!日本上演通算5000回達成!」という劇団四季のライオンキングの公演ポスターが掲出されている。

いつが5000回目の上演なのだろうと思って劇団四季のサイトを見たら、7月30日(日)の公演が5000回目に当たる予定で、26日(水)から29日(土)まではカウントダウン・イベントが予定されているらしい。

ライオンキングの日本初演は1998年12月20日で、JR東日本アートセンターの杮落とし公演として四季劇場<春>での上演が始まり、それがいまだに続いている。ここまで8年弱である。東京公演がずっと継続しているのみならず、それと平行して、大阪、福岡、名古屋でも上演が行われている。
365日を8倍しても3000回にも届かないのであるから、東京公演だけでなく複数都市で上演が継続していないとこういう数字にはならない。

これに関連してはいるが以下、別の話。
ミュージカルのロングラン記録に関しては、今年はじめに新記録のニュースがあった。ブロードウェイのマジェスティック・シアターで上演中の「オペラ座の怪人」が2006年1月9日の公演で7486回目の上演を迎え、「キャッツ」を抜いてブロードウェイのロングラン記録(※注)を塗り替える、というものだった(2006年1月6日の朝日新聞記事による)。
この作品は、1986年にロンドンで初演され、ブロードウェイでは1988年から上演されており、新記録を打ち立てるまで18年間続演している。18年の集客数は計1100万人、興行収入は6億ドル(約700億円)にのぼる。公演は世界20カ国に広がり、8千万人の観客によって32億ドル(約3600億円)の売り上げがあったという。

一般的に、映画と舞台興行を比較すると、映画の方が断然収入が多いように思われるだろうが、大ヒット・ミュージカルとなると話は別だ、ということになる。映画では何年も興行が続くことはないし、売り上げもせいぜい数百億円で一千億円を超えるものはそうそうないだろう。(映画の興行収入についてあらためてきちんと調べたわけではないが)

ビジネス資産としてのミュージカルの可能性は、驚くほど大きいのである。

(注)オフ・ブロードウェイのミュージカル「ファンタスティックス」はさらにロングランの期間が長く、1960年5月3日にニューヨークのオフ・ブロードウェイ、サリヴァン・ストリート・プレイハウスで世界初演され、2002年1月13日に幕をおろすまで実に42年間、オフ・ブロードウェイで17,162回の上演を重ね、史上最長ロングラン記録をうちたてた、という記述が以下にある 

〔出典〕世田谷パブリックシアターの公演情報 → 平成14年度公共ホール演劇製作ネットワーク事業「ミュージカル 亜門版『ファンタスティックス』」より

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