ときどき、ドキドキ。ときどき、ふとどき。

曽田修司の備忘録&日々の発見報告集

雇用をつくるのがプロデューサーの仕事

2008-09-17 04:18:01 | アーツマネジメント
演劇情報誌「シアターガイド」の10月号に、演劇プロデューサー細川展裕氏のインタビュー記事が載っている。

細川氏は、劇作家・演出家の鴻上尚史の幼稚園の同級生で、学生時代まではまったく演劇に縁がなく、卒業してサラリーマン生活をしていたときに鴻上に誘われて舞台制作の仕事を始めた、という。

ここまでの話は、私はこれまでにもよく話しに聞いていた。

で、そこから先は、というと、現在は劇団新感線のプロデューサーであり、松竹と組んで新橋演舞場などで大掛かりなスペクタクル舞台をつくり、大勢の観客を集める一方、史上最年少で鶴屋南北賞を受賞した劇作家本谷有希子のマネジメントも手がけている、と紹介されている。
まったく違う作風の作家や演出家(片や中島かずき、井上ひでのり、本谷有希子)とまったく違う種類の舞台をつくる幅の広さが彼のプロデューサーとしての魅力であり、不思議なところだ。

同記事は、その細川氏の言葉として、プロデューサーの一番大事な仕事は「雇用をつくること」だ、と伝えている。(いま同誌を手元に持っていないので、言葉としては別の言葉だったかも知れないが。)

これは、お金を儲けることだ、という言い方と同じようでいて(少なくとも現象としては併行する)、まったく違うことを言っているように思う。

細川氏が記事の中で直接そういう言い方をしていたかどうかは覚えていないのだが、お金は他の業界でもつくれるが、この業界に入ってこようとする人たちの才能や将来の可能性を広げるのがプロデューサーの仕事だ、というように読み取れる。

さすがに懐が深い、と感嘆した。


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