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ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

魔王ダンテ

2008-10-18 20:56:07 | アニメ・コミック
今、『魔王ダンテ』を読み直している。

“収納の鬼”と化したヨメが、棚を購入して、押し入れに眠っていたマンガや書籍等の整理をしていて、久々に手に取ってペラペラと見たのがキッカケ(笑)。

やっぱり最高に面白い!

以前、巨匠・永井豪氏自ら語っていたが、「『ゴジラ』みたいな怪獣映画を漫画でやってみたかった」と言っていたのを記憶している。



不幸にも掲載誌の休刊(打ち切りやったかな?)により、本作はこれから面白くなる!って所で未完のまま終わってしまいました。

本作が後に『デビルマン』という日本が世界に誇る、漫画の最高傑作の“原型”となった…と今更言うのは野暮か?!

永井先生の中でも思い出深い作品だったのか、平成に入ってからリメイク(今度はしっかり完結)、アニメ化もされました。

個人的には、この“昭和版”の方が断然好きですね。
この頃の永井先生のタッチは、良い意味で荒々しくて、「ダンテ」という作品の持つ世界観にもピッタリだと思います。

しかし、キリスト教圏内の欧米では、敬虔なキリスト教信者が憤怒するから絶対に発売出来ない内容ですね。

「悪魔=正義」、「神=悪」。
この見事な「正邪」逆転の発想、単純な「悪魔VS神」ではない素晴らしいアイデアだと思います。

我々が「神」と思う存在こそが、太古の地球に宇宙より襲来した侵略者である事。

「悪魔」と呼ばれる存在こそが、実は地球の先住人類である事実。

正体が“精神エネルギーの塊”である「神」が、そのパワーを分散させて誕生したのが「人類」である事。

「神」と「悪魔」との戦いは数千年にも渡り、侵略者である「神」が敵である「悪魔」に“悪”というイメージを「人類」に植え付けた事。

悪魔崇拝者(サタニスト)こそが真の世界の救世主であり、キリスト教徒がテロリストの様に描かれる。

そもそも「神」の子孫である「人類」こそ、美しい地球を汚す“害虫”であり、「悪魔」の敵であり、抹殺されるべき存在である事。


いや~凄い!!

こんな事を既に30年以上も前に思いついた、永井先生はそれだけ神懸かっていた事の現れでしょう。

しかし、「悪魔」側であろうが、「神」側であろうが、己の信じる物の為なら倫理観や道徳等はあっさり放棄して、宗教の名の元で人命・人権お構い無しに大虐殺を始める展開は今も充分に衝撃的。
オウム事件や9・11等といった大きな惨劇があった今現在だからこそ、本作が内包するテーマが重く感じますね。

さて、視点をガラっと変えて、本作を実写版『デビルマン』の悪夢は忘れて、今こそ怪獣映画的なノリで映画化すれば結構面白いのではないでしょうか?!




(韮澤氏のデザインは秀逸ですね、こんな風にダンテが実写化されると良いですね…)

内容が内容だけに、ハリウッドでの映画化は不可能でしょう。
やれるのなら、宗教観に疎い、というか無頓着な日本映画しか有り得ないですな。
もしホンマに映画化されたら…と妄想は膨らみますが、その時には監督・脚本・キャスティングには慎重になって欲しいですね(苦笑)。


「全世界の人間が敵だ!」




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