ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
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BATTLE: LOS ANGELES

2011-09-19 21:40:17 | 映画
『世界侵略:ロサンゼルス決戦』を観た。

本来ならば、今年の春に公開されていた作品だった。
それが日本を襲った未曽有の「東日本大震災」により、9月にまで公開延期(当初は10月!)になってしまいました。




この時期、洋画・邦画問わず様々な作品が公開延期やオクラ入りとなりました。
あまりに大きな震災だった為に無理もないと思いましたが、同時に過敏になり過ぎているのでは?とも思えました。
このエイリアンが地球を侵略しに来るSFアクション映画において、かの大震災後に「作品の内容を配慮して公開延期」となった理由が今一つピンと来ませんでした。
しかし、こうして無事に公開された本作を観て、何故映画会社側が公開延期を決断したか判りました。



本作で地球を侵略にくる宇宙人達は、最初夥しい数の隕石に擬態して襲来。
狙い通りに主要国の沿岸部に着水し、当然ながらも落下した衝撃で津波が発生。
更に宇宙人と人類の間で激しい戦闘となり、大都市が破壊され尽くして「死の街」と化し。
加えて宇宙人による破壊と殺戮、又は人類との激しい戦闘により市街地には至る所に死体がゴロゴロしている地獄絵図。
スクリーンから発せられる強烈な死と破壊の匂いに対して、日本での公開が半年もズレ込んだのは当然であり無理もないと妙に納得出来ました。



と言えば重い作品かと言うと、それは声を大に高らかに宣言しますが全然違います!
観る人の価値観によっては、SFアクション映画を皮を被った米国産プロパカンダ映画と批判出来るとは思えてしまいます。
でも個人的には「映画館で観るに相応しい娯楽大作」として、滅茶苦茶楽しんで観る事が出来ました。




(基本的にネタバレ御免!!)




ハッキリ言ってしまえば、本作は『ブラックホーク・ダウン』を『エイリアン2』(別の言い方をすれば『スターシップ・トゥルーパーズ』)を足して『宇宙戦争』で割った様なSF戦争アクション映画。

このジャンルとしては大統領や科学者を登場させて、群像劇として物語を作るのが定番。
だが本作は敢えて民間人救出の任務を受けた、米軍海兵隊の小隊のみにドラマを絞ったのがユニークで正解。
それも冒頭の10分程度で各兵士のキャラを紹介し、後は地獄と化した市街地において宇宙人と怒涛の勢いで肉弾戦を繰り広げる展開は非常にシンプルで潔い。

そんな中でナンツ軍曹(演:アーロン・エッカート)のカッコ良さが際立っている。



その細かい動きや目線の置き方と冷静な判断に、数々の実戦をくぐり抜けて来た叩き上げの職業軍人らしさを感じる。
その一方では過去に部下を死なせて自身が生き残った事(部下の名前と認識番号まで覚えているのが上官としての優秀さを証明している)を悔い、任務の中において「死にたがる」傾向があるのも典型的なヒーローにならない影がある要素で良い。

そして本作のヒロイン(微笑)であるサントス曹長。
演じるのは、今や世界で一番女戦士&兵士が似合う女優ミシェル・ロドリゲス。



海兵隊の厳つい野郎共に囲まれているので、実は小柄で華奢な彼女(「この美貌だけでは戦えない」と言うのが最高)の可愛らしさが光っている。
海兵隊ではなく、唯一空軍の技術員であるのも物語において重要なポイント。
個人的には宇宙人の体液を浴びた時、交わされる一連の下ネタ・ジョークには爆笑させて頂きました(笑)。

そして本作の要とも言える宇宙人。
隕石に乗って襲来し、アッという間に世界各国の主要国を制圧。
数と武力で人類を圧倒する。



やたら弱いと批判される宇宙人だが、個人的には妙に気に入ってしまった。
デザイン的には最近のSF映画に登場する宇宙人のマンネリ気味なデザインとは違い、今この時代に正々堂々とタコ型宇宙人をカッコ良く見せる手腕(中隊長クラスはモロにタコ!)に唸った。



動くと独特の金属音がして、海兵隊に生きたまま解剖されたり、撃たれた仲間を人間のように庇ったり、よいしょよいしょと重火器を運んだりと妙にキャラが立っている。
地球襲来の目的が「水」と推測されるが、実際にはこの宇宙人に関しては何も詳細が明らかにならないのも不気味ながらも秀逸。
この有機的でグロテスクながらも、結構可愛いタコ型宇宙人と言うだけで本作の他とは違う優れた要素だと思えたました。

あと付け加えるならば先に公開された事により、どうしても比較される因縁深い『スカイライン:征服』との違い。



まぁ~『世界侵略』側が訴えるのも仕方ないと思える程に、この2作はあまりに似すぎている(苦笑)。
本当の戦いはこれから!的なオチを含め、何とも複雑な感じもする。
ただ『スカイライン』は低予算とバカさ加減で突き抜けていたが、コチラは非常に丁寧に作り上げられており予算もスケールも桁外れにデカい。
しかしコチラも、基本的にはバカである事には変わりない(笑)。
敢えて違いを挙げるのであれば、コチラは熱くなって燃えて男泣きさせる展開が魂が震わしてくれる。
かつて『ID4』を観て号泣した事がある方ならば、終盤のナンツと共にヘリから降下するシーンに涙腺が木っ端微塵に破壊されるのは間違いない(自嘲)。



今年のトレンドであった「宇宙人侵略/人類滅亡」系の超大作、本作はその流れにおいて最もソレを象徴する作品であるとも言えるかと思います。
やはり何も考えずに、その疾風怒濤の勢いに身を任せて楽しめる映画は最高。
賛否両論が激しいようだが、コレはコレで傑作だと思いました。


「海兵隊は絶対に屈しない。」



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