ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

When God Turned Away

2006-08-20 15:32:59 | 音楽
マンディ・ライオンと言う男をご存知でしょうか?
この男の名前を聞いてピ~ンと来た方は、かなりのマニアだと言えるかもしれない(笑)。
マンディがメタル・ファンの間に、一番最初に名が知れ渡ったのは、90年代にあの衝撃的なWWIIIでデビューの時だ。
日本のファンにとってWWIIIと聞けば、ジミー・ベイン(B)とヴィニー・アピス(Dr)の黄金コンビが、DIOを解雇後に結成したバンド、オマケにあのトレイシー・G(G)が在籍したバンドと言う印象が強い筈。
だが、実際にはWWIIIはマンディとトレイシーが結成したバンドであり、詳細な経緯は不明ながらジミー&ヴィニーがデビュー直前に加入したのだ。
1stアルバムで聴けるWWIIIのサウンドは、実にストレートかつ過激な正統派のHMそのものなサウンドだった。
しかし、時はグランジ/オルタナ全盛期、WWIIIは一部のマニアとヨーロッパのファンに絶大な支持を受けるも、レコード契約を無くしてしまう。
その後、マンディ以外メンバー全員(!)が、こぞって再結成DIOに召集され、WWIIIは解散したかと思われた…。
次にマンディの名を聞いたのは、意外な人物との競演だった。
その人物こそ、あのジョージ・リンチである。
ジョージ初のソロ・アルバム『Sacred Groove』に参加し、マンディそのものと言える“The Beast Part-1”“The Beast Part-2(Addiction To The Friction)”にて、あの「歌声」を披露している。
当時ジョージが語っていたが、マンディについて「今ロスにいるギタリストやバンドの多くが、彼を狙っているよ」と評価した。
その後、実際にジョージとマンディは曲作りをしていた様だが、結局ジョージは再結成DOKKENに参加してしまう。
ソロ・シンガーとして活動していたマンディが、次に相棒として選んだのが何とあのジェイク・E・リーであった。
オジーのバンドを脱退後、レイ・ギランとBADLANDSを結成する。
3枚のアルバムを発表した後、バンド内の人間関係の悪化により解散、ジェイクもフリーだった。
BADLANDS自体がブルージーなHRだった為、ジェイクのプレイも地味になり気味だった。
そのジェイクがマンディとの合流により、またヘヴィで華麗なプレイが聴けるとファンの期待は高まった。
一説では、マンディが再始動させたWWIIIに、ジェイクが加入したとも言われているが、この2人のプロジェクトは“WICKED ALIANCE”と名付けられた。
このWICKED ALIANCEは、早々にアルバムの製作に突入する。
ファンの期待を煽るだけ煽ったこのプロジェクトは、結局アルバムを発表する事なく空中分解してしまう…。
確かにアルバムは完成した(マンディのHPで数曲試聴出来る)様だが、ジェイクはマンディとのコンビを解消した為、アルバムは結局“オクラ入り”してしまったのだ。
噂ではジェイクが、マンディのあまりの“Wildなスタイル”に、心底ウンザリしてしまったと言う事らしい(苦笑)。
マンディは今もチャンスがあれば、WICKED ALIANCEのアルバムを発表したい様だが、そのチャンスは残念ながら今は縁がないようだ。
様々な紆余曲折を経て、マンディは自らのソロ・プロジェクトとして、本格的にWWIIIを始動させた。
そして完成したのが、’03年にリリースされた2nd『When God Turned Away』だ。
ずっと捜していたアルバムだったが、やっと手には入ったのが嬉しい。
今まで長々と、マンディ・ライオンなるシンガーの事を語ったが、個人的には本当に大好きなシンガーの一人なのだ。
ロブ・ハルフォードや、ロニー・ジェイムズ・ディオ等のように、既に超人的で“神”の領域に達したシンガーも大好きだ。
このマンディもある意味“人間離れ”したシンガーだと言える、ただ前記のロブやロニーのような超人的なものではなく、そのVOスタイルは正に悪魔か野獣の様な凄まじいモノである(笑)。
声質的にはウド・ダークシュナイダーや、故ボン・スコットを彷彿とさせる、濁ったカミソリのようなVOスタイルだ。
ただマンディの場合は、彼らの何十倍かの声量で、吠え・唸り・喚くのだ。
ヘヴィなバッキングの中で、摩擦を起こし、のたうち回りながら、強引にメロディーを紡ぐ、超個性的なVOスタイルなのだ。
所謂“デス声”とは根本的に異なる、非常に異質かつ特異メロディアスなモノなのだ。
マンディのVOスタイルを、個人的には“怪獣ヴォーカル”と呼んでいる(笑)。
この久々の2ndでも、マンディのVOスタイルは全く変わっていない。
マンディ以外のメンバーは全くの無名ながら、非常に堅実で安定したプレイをしている。
あの衝撃的なデビュー・アルバムでは、あくまでもメインは超個性的なマンディなVOと、トレイシーのテクニカルなギター・プレイだった。
WWIII在籍時のトレイシーを知る者にとって、彼のDIOにおける不当かつ過小評価は納得が出来ない。
マンディの音楽性はこの2ndでも全く変わっていない。
一歩間違えれば、時代錯誤と言われそうな、昔ながらの強靭な典型的なHMを貫いている。
マンディ自身、ルックスも良く、キャラも立っているので、ロブ・ゾンビやマリリン・マンソンに匹敵する、新たな悪魔的なロック・アイコンになれる可能性もある。
本人も意識したのか、本作ではゾンビやマンソンを彷彿とさせる、モダンさもある(ボーナス・トラックのリミックスはモロやね:苦笑)。
とは言え、彼らとは決定的に違うのは、マンディが意外にもストレートかつ正統派のメタル指向である点だろう。
今もロスで地道に活動をしているマンディ、出来る事なら彼に相応しいインパクトをもったギター・ヒーローと共に活動して欲しい。
ジョージやジェイク、そしてトレイシー等のように、個性的なギター・ヒーローこそマンディに必要だと思う。
自らを「BEAST」と称し、大酒飲みで、バイクを愛する化石的なロックン・ローラー。
それがマンディ・ライオンと言う、超個性的なヴォーカリストの魅力でもあるのだ。


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1 コメント

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はじめまして (ありも)
2009-06-07 16:07:38
久しぶりにBADLANDSの3枚目をきいておりまして、そのライナーにマンディの名前がありまして、ネットでサーチしてこちらに辿りつきました。今の時点ではマンディーの歌声を知りませんが、探してみます。

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