ダンナのぼやき

あられダンナの日々のぼやきです。
色んな事を思い、考えぼやいてます…。

Blood Of The Nations/ACCEPT

2010-09-15 09:05:12 | 音楽
ACCEPT。

ドイツ最強のヘヴィ・メタル・バンドである彼らは、これまでに2度の再結成と解散をしている。
そんな「まさか」の再結成を果たしたACCEPTによる、最新作『Blood Of The Nations』を聴いた。



ラストまで聴いて率直に思ったのは…理屈抜きでカッコ良い!
そして、素晴らしい!!という事。
コレこそがACCEPTの在るべき姿であり、雄々しく男臭くて血沸き肉踊るこのドラマチックな感覚、コレこそが本物のヘヴィ・メタルというモノではないのか?!
そう言いたくなるまでに素晴らしい傑作だと思った。

最初に告白するが、当初あのウド・ダークシュナイダー抜きのACCEPTなんて有り得ないと思った。
その「ACCEPTの声」とも言えるウドを抜きに、ウルフ・ホフマン(G)とピーター・バルデス(B)が新シンガーを迎えて再結成に踏み切ったと聞き、正直「まだ懲りていないのか?」と相当ネガティヴな印象を抱いていた(苦笑)。



余談になるが、ウドを解雇して2代目シンガーとしてデヴィッド・リースを迎えて、『Eat The Heat』というアルバムがリリースされた。
ウドを押し出し、バンドを解散に追い込んだ“元凶”として評判が悪いデヴィッド(当時ウドとの比較や様々な批判やプレッシャーによる重度のヤク中に陥っていた)。
個人的にはデヴィッドというシンガーはロブ・ハルフォード型の声と歌唱であり、器用に何でも唄いこなせる優れたシンガーで大好きだった。
ACCEPT解散後、自身のバンドを幾つか結成したが素晴らしい歌を披露している。
「ウド=ACCEPT」という多くのファンが持つ固定観念に邪魔され、正当な評価を受けれなかった悲運のシンガーだと今も思っている。



話は戻って、今回の再結成でもウルフ&ピーターは、その他ならぬウドにオファーを出している。
が、ウドはそれを断っている。
自分にはU.D.Oというバンドがある事、そして自分無しのACCEPTなど有り得ないとまで本人が主張し、所詮は金儲けの為だとウルフとピーターを批判(ウドの中には未だに彼らに対する強い不信感がある)した。
それでも怯まずにウルフ&ピーターがACCEPT再結成に動いた、その原動力になったのは間違いなく3代目シンガーとして加入するマーク・トニーロとの出会いがあったのは間違いない。

僕もマークの声を聴いて驚いた。
一聴すると、その歪んで濁った金属的な歌と声はウドを彷彿とさせた。
この『Blood Of The Nations』というアルバムを買って聴いてみたいと思ったのは、他ならぬこのマークの存在があったと言っても過言ではない。



アルバムを聴いて思ったのは、マークはとてつもなく凄いシンガーである事。
アルバムを聴けば判るが、基本的にはウドとは似て非なるシンガーだ。
極端な表現になるがブライアン・ジョンソン(AC/DC)とアンディ・デリス(HELLOWEEN)を足してエリック・アダムス(MANOWAR)で割ったような(笑)、決して耳触りが良いとは言い難い濁って歪んだ金属的な超個性的な声の持ち主だ。
しかし、ヘヴィでアグレッシヴな楽曲から哀愁漂うバラードにいたるまで、何でも巧みに唄いこなせる驚異的な表現力と歌唱力、そして圧倒的な声量の持ち主と言える。
正に烈火の如き、燃え上がるような魂の声と歌だ。
こんなにもパワフルで、凄いシンガーだとは思わなかった…。
ウルフ&ピーターがACCEPTの再結成と再始動を決意するのに値する素晴らしいシンガーだ。
間違いなくウドの不在を帳消しにする、今のACCEPTにとって最大の“武器”だ。

あと、この『Blood Of The Nations』が傑作たる理由に、楽曲の充実が挙げられる。

本作はボーナス・トラックを含め全14曲、70分を越える超大作だ。
しかし、途中で飽きる事もなく一気にラストまで聴けてしまう。
楽曲が実にバラエティー豊かで、それを巧みに配置するアルバム構成が見事だ。



クレジットをみれば判るが、メイン・ソングライターとしてのウルフ&ピーター、新加入のマークによる活躍があると思う。
勿論自身が熱狂的なファンだったという、本作をプロデュース(自身が志願)した俊英アンディ・スニープからのアドバイスと卓越した音作りも大きく影響しているだろう。



ザクザクしてブ厚いギター・リフと、バンドの特徴である野太い地響きコーラスの効いたメタリックなオープニングを飾る“Beat The Bastards”。
典型的なACCEPTナンバーと言える“Teutonic Terror”や“Pandemic”、そして“Land Of The Free”。
雄々しくも、威厳に満ちたアルバム曲となった“Blood Of The Nation”。
ドラマチックな展開をみせる長尺な“The Abyss”や“Shade Of Death”といったナンバー、マークのエモーショナルな歌が冴えるメロディアスな“Time Machine”や“New World Comin'”や、美しくも悲壮感漂うバラードの“Kill The Pain”(ちょっと演歌っぽいけど:笑)。
そしてココっ!と言うツボで炸裂するツーバスが轟くファストな“Locked And Loaded"や“Rolling Thunder”(ギターのリフがLOUDNESSっぽい:笑)、そして“No Shelter”まで…捨て曲が無い。
特にウルフはそのメロディアスなギター・ソロは全盛期以上にド派手に弾きまくっており、非常に印象的でもある。
どれも「コレぞヘヴィ・メタル」って感じの優れたナンバー揃いで、聴きながら緊張感とその果てにある感動を見事の演出してくれる。

単なるノスタルジーな再結成ではなく、今と未来に向けての再始動であり、コレはACCEPTというバンドのメタル・シーンにおける“再生”と“帰還”を高らかに告げるアルバムだ。
こういったケースは、ごく希だと思う。



その鍛え上げられた鋼鉄の肉体は傷だらけながらもパワーに満ち溢れ、メタル・ハートは今もあの時以上に強く激しく鼓動している。
ドイツが生んだ最強のメタル・バンドは今、ここに完全な復活を果たした。
ここにあるモノこそ、最高にして極上のヘヴィ・メタルだ。
ウドの不在を嘆くばかりではなく、心躍る熱いヘヴィ・メタルを多くのメタル・ファンに聴いて、魂から感動して欲しいと心から願います。



今もお前の心の中に火はあって
それは情熱となり炎の様に燃え上がる
もっと高みへと
最初から猛り狂っているんだ
そう、もう振り返る事などしない

さぁ、奴らを完膚無きまでに叩きのめしてやれ!!




PS:LIVEも凄そうだ!みっ、観てみたい!!





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