日本での発売開始が2020年初頭であったというから、スクープ画像が出回ったのは2019年あたりのことだったのでしょう。
当初、これが入ってくれば大当たりだろうと感じたものでした。
画像で見る限り、ゴルフのプラットフォームを使っているとは思えない程伸び伸びとしたデザインで、立派に見えたものです。
DRLの使い方も斬新で、新しい時代を感じたものです。
それがどういう事か導入されてみると、立派に見えたデザインがこじんまりと見え、その後に発売となったT-CROSSの方が万人受けするようにさえ見えたのです。
外観から見るラゲッジスペースの小ささや、価格とのバランスがそうさせたのかもしれません。
予想通り販売は振るわず、といったところだったのでしょう。
いや、T-ROCに限らずVWのSUV三兄弟が振るわなかったというべきでしょうか。
欧米での実績とは違うのでしょうけれど、日本国内においてはなぜこれほど当たらないのか、とVWは思った事でしょう。
日本車の性能が上がったというのが一番にはありますが、そこからの差別化が出来ていないのだと感じます。
そもそもVWは大衆車の分類でありますから、トヨタやホンダに比べて質の差別化をする必要などはないのでしょう。
しかし、2割も安く買える日本車がありながらVWを選ぶには、選ぶ側として選ぶだけの何かが無ければならないのでしょう。
そのあたりが見えにくくなったのが、ここ最近のVWと思います。
BMWやメルセデスに比べ、明らかに選ぶ理由が明白ではなくなったのかもしれません。
もし仮に、欧米でそれほど落ち込んでいないならば、コスパの良い大衆車がないからかもしれません。
兎にも角にも、車を環境性能や経済性で選ぶ人が大多数でありますから、国産に比べ2割も3割も高い額を出して買わなければならない日本においてはデザインというものが必須なのでしょう。
ここ最近の薄味のテイストでひた走るVWと、対照的なのはトヨタなのかもしれません。
日本国内市場において、プリウスやクラウンが当たっていることを考えると、新型ティグアンやT-ROCなどは受けが良くないのだろうと思われます。
ここ最近に見るBMWとVWにおけるデザインの不安定感、狙ったものなのか、はたまた長いトンネルなのだろうか。
タイトル画は、フルモデルチェンジが入るという2代目T-TOC