くるたのしき・・・スカイランナーへの道<復活!>

走ることは「苦しいけど、かくも楽しいこと」つまりは『くるたのしいこと・・・』と、高山を走るスカイランナーを目指した手記。

東京マラソン2010・・・寒かった!なんとか完走したけども・・・

2010-03-06 23:20:43 | マラソン

2月28日 朝から冷たい雨、時折強く、みぞれが混じった!

暖かい伊豆半島から昨日東京に出て、寒さに震えたけど、今日は昨日に増して寒い!6時に宿を出たけど、手袋して傘をさし、吐く息も白く・・・真冬に逆戻りだった。

都営新宿線は朝早くなのに既に乗客の3割はランナーか東京マラソン関係の方々だった。新宿駅に下りて都庁まで歩く通路の壁側は、着替え中のランナーだらけ。今朝の寒さに勝ったのは通路のランナーの熱気。それと「この雨どうしましょう?」の戸惑いのランナーの目は、通り過ぎるほかのランナーの雨対策の格好を凝視する・・・。通路を抜けた先はゼッケンを着けたランナーしか立ち入れない選手エリアになり、ここでゼッケンと荷物の簡単なチェックを受けて会場入りした。

Imgp1715_3 私は昨夜のうちに走るスタイルは確り決めていた。レース会場で何を着ようか?着けようか?と悩むことでいいことはないので、前の晩にしっかりとこれだけは決めていた。雨が降らなかったら、静岡マスターズのユニフォームのランパン&ランシャツ。これにアームウォーマーと手袋。さらにスキンズのハイソックス。雨だったらアームウォーマーに長袖Tシャツで、ランシャツ。下はナイキのサポートタイツにランパン。それとナイキのランニングキャップ。さらにランニンググローブの上から毛糸の手袋。

今朝は冷たい土砂降り雨なので、当然雨バージョンの選択だった。でもスタートゲートに入っても最低で30分は待つので、上下に分かれた雨カッパ。カッパの下には300円で見つけた起毛の長袖Tシャツの上に着古したTシャツ。首にも100ショップで見つけたネックウォーマー。ウエストポーチも着けて、この中には携帯用トイレを2つ。シューズを買ったときもらえるアシックスの紐のついた大きなビニール袋にチョコと飲み物と使い古しのタオル。ここまで準備しないとスタート前には濡れ鼠のようになって、意気消沈、雨に打たれて全く走る気持が萎えてしまう。列に並べば動けないので事前の準備は大切なのです。スタート10分前には係員がカッパや笠、ゴミなど路上に散乱されたら危険なものは回収してくれるのでそれまでは起毛長袖Tシャツとカッパとチョコレートで暖をとる作戦だった。

Imgp1720 私は陸連登録者なのでAゲート入場。今年も狙いは『スタート最前列』。開門予定は8時なのだけどゲート前にいたら、雨なので混乱防ぐためにという判断があってなんと7:20分に入場させてくれた。今回もゲート入りだけは1番目の入場を達成。といってもまだ数人しかスタートライン付近に入ってこないが、外で待っても中でもあと1時間半以上を雨で待つのは同じ。Aゲート内はトイレも完備、そこそこの雨宿りスペースもあった。スタートライ付近の東京陸協のおじさんたちにウォーミングアップのジョグをして回り、朝の挨拶でまずはフレンドリーな関係を構築。長い待ちの間にはこの係りのおじさんたちが大切な話し相手になってくれるのです。そうこうして8:00過ぎには続々とランナーが入ってぎっしりと並ぶ。エリートランナースタート位置は右が男子、左が女子。スタートのスピードが男女で全く違うのと、スタートし200mぐらいでコースは右に90度曲がって歌舞伎町方面に下るので、飛び出す気のある者の多くは右側位置をキープする。私も右スタートラインの最前列中央のベストポジションに場所をとった。今回も3万5千人のスタートの最前列に並んで満足満足。・・・でも寒い。スタートライン前にあるクレーンカメラも右側(男子側)にあったので、テレビ中継のスタート直前の映像には静岡マスターズのユニフォームの私が、雨に打たれてピョンピョン跳ねたり手を叩いていたりと、長々と映ることになって、家で録画を見てビックリ、ちょっと恥ずかしい。

Imgp1727 スタート前の「待ち」は本当に過酷だった。気温は4℃といっていたが横殴りの冷たい朝の雨で、スタート前に遭難しちゃうんじゃないか?って思うほど、待つ途中は辛かった。座り込んでうずくまるランナーが何人もいた。ランパン&ランシャツにビニール袋を被った程度の格好で帽子も被らないで並んでいた選手は気の毒などほだった。またカッパの上着だけで、足が濡れて冷え切ってしまっている選手は、どんな強靭な選手でも筋肉のパフォーマンスは相当低下してしまうはず。その意味で今回のカッパのズボン履き作戦は成功だった。

Imgp1726 大会スタート前では大会開催のイベントで盛り上がる。コンサートの前座のように大音響の音楽で跳ねて声を上げて盛り上がるのだけど、それにしても寒かった。酔っ払ってるのか?寒さで口が動かないのか?呂律が回らない都知事のスピーチを、多くの野次を聞きながら前列で見て、大きな声で国歌斉唱もした。圧巻は私の目の前から車椅子部門のスタートだった。Imgp1725 有名選手の紹介やら、スタート前もイベントで盛り上がっていた。その後直ぐに招待選手ランナー&エリートランナーが紹介されていよいよ入場すると、雨の寒さとスタート前の興奮とで、やけくそになるくらいにみんなのボルテージが上がった。スタート1分前からカウントダウンして、緊張はなく、あっけなくDON・スタート!紙ふぶきのプシューっていう音を遥か後ろ側に聞きながら無事にスタートを切った!映像で見るあの銀色の紙吹雪の中をワイワイとゆっくりもスタートしたいのだけど、先頭集団は400m走なみのスタートで一気に流れ出す。Imgp1729 このスタートのスピード感は富士登山競走のワーッとハイペースで走り出すあのスタートに似ている。流れに乗って水溜りの中を歌舞伎町に向かってGo、Go、Go・・・!応援の垣根の中、この興奮が東京マラソンスタートの醍醐味だ!

5kmほど緩やかじゃない下りのコースを飯田橋あたりまで順調に走る。が、立ちっ放しと寒さと雨で固まった足の筋肉が、急に走り出したのでビックリしたのか、既にハムが刺したように軽い痛み発生。足の指先の感覚が驚くほど無くなって、冷え切っていたことを思い知る。

Imgp1744 皇居のお堀や東京駅前、日比谷公園を右に見て、東京タワーを見て・・・雨の東京の名所のジョグは楽しい。ペースも4分20秒~25秒/kmで順調に13kmの品川の折返し。ハムストリングが痛かったが、腿の付け根も痛い・・・。ペース的には順調に思えた有楽町手前16kmあたりから、急に足が動かなくなってきた。前回苦手だった銀座のコンクリートのような硬い路面でか、足が着地するびにズキンズキンともも全体が痛くベースダウン。銀座のメインストリートからは向かい風の霙(みぞれ)。人の後ろに張り付いて風除けで走ろうとしても、皆のペースに少しずつ置いていかれる。浅草雷門辺りの雨脚も強くなる。沿道の応援の熱気で、「静岡がんばれ!がんばれ!」の声に本当に励まされた。

Imgp1747 また銀座に着いたころは、足が痛くて動かず、さらにペースダウン。3時間を切ろうとしていた目標も、3時間半以内をなんとなしたい!っていう目標に時計を見て変わっていく・・・。銀座を過ぎるころは雨と足の痛さでヘロヘロの状態。佃大橋あたりはドンドンと抜かれていく悲哀を感じて走る。ここではロッキーのテーマが大音響とともに流れてランナーを応援してくれた。ロッキーのテーマを聞き、坂をトボトボと走っている時、自然と涙がポロポロと落ちてきた。

Imgp1754 Imgp1759 Imgp1762 下り終わって大きな交差点を右に曲がると、昨日のバスで下見をしたコースに出る。「まだここか・・・?!」っていう残りの距離を思って、まだまだって言う気持ちで頑張った。この頃にはもう雨が上がってきた。がさらにペースダウン。

このころから、「頑張れ、サブフォーになれるぞ!」っていう応援を聞いて驚く。すっかり3時間半は過ぎていた・・・。これじゃ目標を大幅ダウンで、またまた意気消沈で走る。

Imgp1777 ビックサイト前残り500Mぐらいで「○○さん、頑張れ!」と名前を呼ばれてビックリ!振り返るとなんとスターツの西尾選手だった。(サブスリーの華麗な走りじゃない)こんな姿を見せたくなかったが、でも凄く勇気をもらって最後の坂を走った。

ゴールは前回同様、大声援の中を両手を挙げてゴール。前回のような涙ボロボロの感動こそなかったが、短い時間のなかで家族のことや今の自分、もっともっと頑張れるんっじゃないか?!って、仕事のことも、色々と思い返し、多くの勇気をもらった気がした。

Imgp1781 ゴール後、振り返ると、雨はすっかり上がって、薄日が差してくる兆し。記録は、結局3時間50分もかかって、自己ワースト記録となった。だけど、やっぱり東京マラソンを走れて良かった!マラソンには走っただけのことは、苦しんだだけの感動はありました。・・・これだけは止められないなア!

止まない雨なんてない。土砂降りであればあるほど、雨が上がったときの感動も大きい。寒かったけど、多くの応援でありがたいほどの人の温かさも感じた大会だった。Imgp1785

Imgp1790