ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

わが家の「百物語」

2015-07-23 09:22:53 | アート・文化

 

夏といえば怪談、ですね。

ワタシの母は、いわゆる怪談ものが好みで、子どもの頃に、よく映画やお芝居に連れていかれたものです。

 

その夜は、天井から何かが襲ってきそうで、お手洗いにも行けなかったことを思い出します。

のせいか、日本の怪談はともかく、ホラーものは苦手で、映画でも観に行くことはありません。

そんなワタシでも、楽しめる杉浦日向子さんの「百物語。(新潮文庫)

 

 

怪談というより「妖しの世界」といったほうがいいような、日常のなかの怪奇が九十九話、集められています。

百話、話すとね~~

読んだときには、「そんなに怖くないわ」と思うのですが、あとから、じわ~~と来る怖さ。

毎日一話とはいきませんが、ときどき開いては一つ、二つ。

 

で、わが家の「百物語」その①.

 

 

「もし、先に逝くようなことがあったら、お互いに、何か合図で、しらせようね」

話の成り行きから、こう約束したのは、もう三十年も前のこと。

その相手が海で亡くなってしまったのは、同じ年の夏。

「海で亡くなった」と聞いたときには、驚きのあまり涙もでなかった。

 

 

海で死んだその人は、海岸で荼毘に付されるとのこと。

亡骸が帰ってくるのを、家族や友人たちと、その人の家で待っていたんですね。

ガラッと、玄関が開いて、「帰ったよ」と、その人の兄が言ったとき、

 

 

 

 

待っていた部屋の電気だけが、バシッと音を立てて消えて~~。

 

 

そのとき思いだしました。

「~~何かで、必ず合図するからね」といった言葉。

怖がりの私を思いやって、怖くないように、たくさんの人がいるときを選んでくれたんだね。

もう三十年~~。

その人は学生のまま。

夏になると思い出す、そんな話。

年月が経ち、同じ年になった子どもが、同じ日に、海に行くと聞いたとき、「どうか、海につれていかないで」と心のなかで。

ヒドイことを思うものです。ごめんね。

 

あれから、海に泳ぎに行けなくなった。

 

 

あっ、30年じゃなかった、もう40年近いんだった~~。

 

また合図してくれるかな、もう怖くないよ、怖がらないよ。

 

一昨年の同じ日のブログは、なぜか

怖いより涙した菊之助の東海道四谷怪談」

 

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コメント (2)
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