集改センターの松山代表理事のインタビュー記事第3弾をお送りいたします
松山 功 「集改塾」開講にあたって(3)
若い人に「基本」を
十分な教育を受けていない若い現場代理人は、間違ったことを一生懸命していることが多々あります。統括部長が週1回程度見に来て指示するぐらいでは改善されないのです。「ああしろ、こうしろ」と言う前に、「こうするべきだよ」と指導してあげないといけません。会社の指導者もこのことにはあまり気づかず、それを繰り返していると、自分の経験でだけしか覚えられません。若い人たちにもう少しちゃんと教えてあげれば、改修業に特化したスペシャリストとして上手くなるのにと思います。
大手改修業者でも現場代理人の資質によって現場が変わってしまうというのが実情です。
トップではなく、下の若い人を教育して変えていく方がこの業界が変わると思います。
将来は材料開発も
材料メーカーも技術向上に取り組んでおられるのでしょうが、例えば改修だけに特化した専用の塗料というのもあまりありません。現場サイドからすれば不満な点もあるわけです。
具体例を挙げますと、ウレタン防水を塗るにしても、メーカーさんは「平場はこれで、立ち上がりはこれで…」と商品を推奨しますが、実際には既存のものでは品質を確保するだけの厚みがとれません。設計者は「ちゃんと塗れ」と指示しますが、立ち上がりのところを塗ると、すぐ乾かないから垂れてきます。垂れたものが平場に行き、平場がどんどん厚くなります。立ち上がりをいっぱい塗ろうとすると、垂れた分だけが厚くなってしまいます。そんな商品を皆が使っているのが現状です。これはほんの一例です。
これは先の話ですが、将来の夢は、技術者もレベルアップし、材料も集改センターから発信したものを踏まえて、メーカーが製品化し、それを仕様にできればと思っています。
「女子会」に期待すること
メーカーなどでもよく女性だけのチームで商品開発をしたりします。集改センターの会員や賛助会員の女性が集まって、いろいろな話し合いをすることから、新しいものが生まれるのではないかと期待しています。
また、男性中心の業界の中で、どうしても女性は少数派で仕事の接点で会いませんから、まず会える機会をつくってみることにしました。メンバーは、年齢も20代から50代までばらばらで、親子ほどの開きもありますが、業界初めての試みなので、どのような展開になるか楽しみです。
管理組合も高齢化が進み、女性の比率が高くなってきています。管理組合の役員にも女性が多くなってきました。男性ならまず動かないようなことでも、女性役員は積極的に動いてくれる人が多いのです。集改センターの女子会にもそうした活動を期待しています。
*本稿は『日本塗装時報』1951号(2014年3月18日発行)に掲載された松山代表理事のインタビュー記事を元に、一部改題しています。