NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

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フリーセミナー「望ましい総会の開き方」の報告

2010-03-28 22:36:11 | フリーセミナー

第79回フリーセミナー「望ましい総会の開き方」の報告です。
講師は、NPO集改センター正会員の井上正司氏です。

 最初に総会の立法趣旨について、区分所有法より前に制定された「中小企業共同組合法」と対比しながら説明がありました。「中小企業共同組合法」も組合に関する法律ということで似た部分が多く、参考になりました。

実際の管理組合総会運営を見ると、時には管理会社のペースで行われたり、それまでの進め方を踏襲して行われたりしていて、不適切であったり合理性を欠いたケースもあります。今回のセミナーでは、総会経験豊富な講師から事例が出され、参加者と対話形式で議論が行なわれました。そして管理組合役員が思い違いや間違いをしやすい項目について重点的に解説がなされました。
 
(例)
①     「議長は規約で理事長が務める」旨の記載(標準管理規約も同様に規定)があるのに、議長選出を行っている。 
コメント:無投票で理事長が議長就任すべきです。
 
②     議決権行使書の取扱いが千差万別である。また、議決権行使書自体が無い総会例も多い。
コメント:原則として議決権行使書は必要です。


③     監事が会計監査のみ行い、業務監査をまったくしていない。

コメント:一般に業務監査も監事の業務です。管理規約を再確認しましょう。
 
④     特別決議で議決権だけをカウントし、区分所有者数をカウントしていない。
コメント:区分所有法では、議決権数と区分所有者数の4分の3以上の賛成が決議要件であり、規約で別段の定めはできません。法律違反の可能性があります。
 
⑤     議決権行使書に賛否の意思表示がない(○が付いていない)場合に賛成票としてカウントしている。 
コメント:もし規約にその旨の記載が無ければ、意思表示のない議決権行使書は原則無効とみなすべきでしょう。


ただし長年の慣行として組合員の合意があると認められる場合は、有効となり得
ることとも考えられるので、判断が難しく是非の断定はできません。しかし、いずれにしても規約で「有効(無効)」と定める」、「無効票として取り扱う」など、はっきりさせることが大切です。
 
<感想>
経験豊富な管理組合役員経験者から熱心に質問が出されました。今回のセミナーでは、そのような意識の高い皆さんでも気づかない問題点が見つかったことが印象的でした。


アンケートには「総会全体の流れを把握することができ具体的な問題解説もあり役にたった」といった感想がありました。