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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

安倍の手口(「天皇生前退位特例法」をめぐって)

2017-06-10 09:11:40 | 自民党憲法改正草案を読む
安倍の手口(「天皇生前退位特例法」をめぐって)
               自民党憲法改正草案を読む/番外84(情報の読み方)

 天皇を生前退位させる「特例法」が06月09日に成立した。読売新聞2017年06月10日朝刊(西部版・14版)の1面の見出し。

 退位特例法 成立/天皇陛下 来年末にも上皇に/新元号選定 本格化

 私は「天皇の生前退位」は安倍が仕組んだ憲法改正の第一歩と認識している。「護憲派天皇」の追放が目的である。憲法について何も言わせない、第二次大戦について発言させないための強行手段である。
 安倍は天皇をどうやって国民のあいだから消し去ろうとしているか。
 見出しに「新元号選定 本格化」とある。いつから新元号にするかは、特例法が成立する前から新聞を賑わした話題である。最初は2019年01月01日から新元号という「説」がひろがった。年の途中でかわると、わかりにくく、国民生活に影響がある、というのだが。私にはとても信じられない。元号がいつかわっても、私なんかはぜんぜん影響されない。何一つ困ることはない。カレンダーも「日付/曜日」を確認するものであって、元号を確認するために見たりはしない。
 いちばん国民生活に関係するものは何かといえば、「祝日」だろう。「12月23日の天皇誕生日」はどうなるか。「特例法全文」によれば、祝日について「2月23日 天皇の誕生日を祝う」と改めると書いてある。これは、いいのだが、そのあと、

「天皇誕生日 12月23日 天皇の誕生日を祝う。」を削る。

 とある。天皇ではなくなるのだから「天皇誕生日」ではなくなる。だから削る。あたりまえのようだが、私には「違和感」が残る。
 昭和天皇の誕生日「04月29日」は「みどりの日」になって、祝日のまま残った。どうして、平成天皇誕生日は「名称」を変えて残らないのか。
 12月の祝日がなくなる、というのは、元号の変化以上に国民生活に影響するだろう。どうして誰も話題にしなかったのか。昭和天皇の誕生日がそのまま祝日として残ったのだから、平成天皇の誕生日も残るだろうと思い込んでいたのかもしれない。それとも、私以外は祝日ではなくなるということを知っていたのかな?
 で。
 疑り深い私は思うのである。なぜ、「平成天皇の誕生日」を削除するのか。「平成天皇」を思い出させないためである。護憲派の天皇、被災地を訪問し被災者によりそう天皇を思い出させないためである。平成天皇を思い出させるものは、国民の目につくところから消してしまう。
 平成天皇を封印して、憲法を改正する。戦争のできる国にする。
 これも、安倍の「手口」のひとつである。
 憲法改正の動きが加速し、独裁が進む。
 憲法が権力を拘束するものであるように、法律も権力を拘束するものでなくてはならない。「生前退位特例法」が権力(安倍)の意思によって天皇を交代させるという動きに利用されないか、その点をもっと真剣に点検しなければならないはずなのに、点検されなかった。
 この特例法は、皇太子が天皇になって、天皇としてどう振る舞うかをみきわめたとき、どう動くのか。安倍にとって気に食わない存在とわかれば、すぐに「特例法」を適用させて、天皇を交代させるに違いない。

 権力の暴走をどう防ぐか。
 森友学園にしろ、加計学園にしろ、権力の暴走である。権力が、自分に都合のいい人間だけを優遇し、支配を強めている。秘密保護法も共謀罪も同じ。
 いま、あらゆる法律が権力の暴走を手助けするためにつくられている。「天皇の生前退位特例法」も同じである。
 安倍の、反対者を沈黙させて、やりたい放題をするという手口は天皇制にまで及んでいる。それを野党は見逃した。共産党も民進党も法案に賛成した。高齢の天皇に配慮するとは聞こえのいい言い分である。やっていることは天皇の封印である。

#安倍を許さない #憲法改正 #加計学園 #天皇生前退位
詩人が読み解く自民党憲法案の大事なポイント 日本国憲法/自民党憲法改正案 全文掲載
クリエーター情報なし
ポエムピース

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