カジノ法案衆院委員可決の背景
自民党憲法改正草案を読む/番外45(情報の読み方)
カジノ法案が2016年12月02日案衆院委で可決された。ギャンブル依存症、マネーロンダリング、暴力団の関与などの問題が指摘されている中、たった六時間の審議しかしていない。
なぜ、こんなに急いだのか。
読売新聞(西部版・14版)の三面に分析が載っている。11月初旬段階では法案成立はむりという見方が強かったのだが……。
「時間的余裕」がたった「 6時間」というのは笑い話にもならないが。
私が注目するのは「21日」という日付。「トランプ」という人物。「成長戦略」ということば。
安倍は「国の姿」を「経済成長(金儲け)」としか考えていない。これは自民党憲法改正草案の「前文」にはっきり書かれている。
「活力ある経済活動を通じて国を成長させる」とは「金儲け」のことである。カジノも「金儲け」の方法である。だれが「金儲け」をするか。カジノの主催者。ギャンブルが成り立つのは、客が支払う金が支払われる金よりも少ないからである。胴元が差額を儲ける。「外国人」が日本でギャンブルをしてくれることを期待しているようだが、浅ましい。
直前に「TPP」のことが書かれているが、活発な貿易を「経済活動」と呼ぶならまだ納得できるが、ギャンブルを「経済活動」に含めてしまうのは、いかがわしい。胴元が金を儲け、胴元からの「トリクルダウン」を安倍が受け取る、ということしか考えていない。
でも、この「経済戦略」は「方便」。一種の「詐欺」の口実だと思う。
ほんとうに注目したのは「21日」と「トランプ」。
というか、そこに「プーチン」の名前がない。
国会のあとに控えている重要日程に「日露首脳会談」がある。主役はプーチン。ロシアの大統領。その名前がない。トランプが大統領に就任するのは一月。その前に、プーチンとの問題がある。プーチンを気にかける方が重要なはずである。
日露会談は、北方領土問題の解決(前進/進展?)と経済協力がテーマ。安倍は四島ではなく二島の返還と引き換えに経済協力をする(ロシア側に投資する)という「取引」を考えていたようだ。しかし、どうもロシアは二島さえも返還しないという見方が強くなっている。報道され始めている。つまり、日露会談は「失敗」に終わるだろうという予測が聞かれるようになった。
これでは一月にもくろんでいる衆院選で国民に訴える「目玉」がない。
「TPP反対」と言っていたはずが、参院選後は「一度もTPP反対といったことがない」と嘘をつき、いまトランプが「TPP反対」と言っている。「TPP」は衆院選の「目玉」にはできない。
なんとか、国民にわかりやすい「成長戦略」を見つけ出す必要があるのだ。
カジノで外国人が日本にやってくる。観光客が増え、地方経済も潤う。しかし、カジノの候補地は、北海道、東京、横浜、大阪、長崎。どこもカジノがなくても観光客がやってくるところではないのか。
ばかばかしい。
カジノ誘致で日露会談の「予測間違い」を隠蔽しようとするのは、「目くらまし作戦」としては幼稚すぎる。あまりにも国民をばかにしている。
日露首脳会談は12月15日。山口県長門市で開かれる。そこで、どんな「共同宣言」が出されるか。どんな「条約」が結ばれるか。「成果」を安倍はどんなことばで語るか。カジノ法案成立でごまかせるか。あるいは、日露会談でカジノ法案を隠してしまうのが狙いなのか。北方四島よりも、カジノの胴元から安倍に入ってくる献金を大切にしたいのか。
カジノ法案と日露会談の「関係」にこそ、目を向けたい。書かれていないことの方が重要なこともある。
自民党憲法改正草案を読む/番外45(情報の読み方)
カジノ法案が2016年12月02日案衆院委で可決された。ギャンブル依存症、マネーロンダリング、暴力団の関与などの問題が指摘されている中、たった六時間の審議しかしていない。
なぜ、こんなに急いだのか。
読売新聞(西部版・14版)の三面に分析が載っている。11月初旬段階では法案成立はむりという見方が強かったのだが……。
状況が一変したのは11月下旬。会期延長が避けられない情勢となり、カジノ解禁法案を審議する時間的な余裕が生まれた。同21日には、次期米大統領のトランプ氏がTPPからの離脱意思を表明。安倍内閣の「成長戦略の柱」に不透明感が漂う中、IRへの期待感が膨らんだことも、政府・自民党の背中を押したようだ。
「時間的余裕」がたった「 6時間」というのは笑い話にもならないが。
私が注目するのは「21日」という日付。「トランプ」という人物。「成長戦略」ということば。
安倍は「国の姿」を「経済成長(金儲け)」としか考えていない。これは自民党憲法改正草案の「前文」にはっきり書かれている。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
「活力ある経済活動を通じて国を成長させる」とは「金儲け」のことである。カジノも「金儲け」の方法である。だれが「金儲け」をするか。カジノの主催者。ギャンブルが成り立つのは、客が支払う金が支払われる金よりも少ないからである。胴元が差額を儲ける。「外国人」が日本でギャンブルをしてくれることを期待しているようだが、浅ましい。
直前に「TPP」のことが書かれているが、活発な貿易を「経済活動」と呼ぶならまだ納得できるが、ギャンブルを「経済活動」に含めてしまうのは、いかがわしい。胴元が金を儲け、胴元からの「トリクルダウン」を安倍が受け取る、ということしか考えていない。
でも、この「経済戦略」は「方便」。一種の「詐欺」の口実だと思う。
ほんとうに注目したのは「21日」と「トランプ」。
というか、そこに「プーチン」の名前がない。
国会のあとに控えている重要日程に「日露首脳会談」がある。主役はプーチン。ロシアの大統領。その名前がない。トランプが大統領に就任するのは一月。その前に、プーチンとの問題がある。プーチンを気にかける方が重要なはずである。
日露会談は、北方領土問題の解決(前進/進展?)と経済協力がテーマ。安倍は四島ではなく二島の返還と引き換えに経済協力をする(ロシア側に投資する)という「取引」を考えていたようだ。しかし、どうもロシアは二島さえも返還しないという見方が強くなっている。報道され始めている。つまり、日露会談は「失敗」に終わるだろうという予測が聞かれるようになった。
これでは一月にもくろんでいる衆院選で国民に訴える「目玉」がない。
「TPP反対」と言っていたはずが、参院選後は「一度もTPP反対といったことがない」と嘘をつき、いまトランプが「TPP反対」と言っている。「TPP」は衆院選の「目玉」にはできない。
なんとか、国民にわかりやすい「成長戦略」を見つけ出す必要があるのだ。
カジノで外国人が日本にやってくる。観光客が増え、地方経済も潤う。しかし、カジノの候補地は、北海道、東京、横浜、大阪、長崎。どこもカジノがなくても観光客がやってくるところではないのか。
ばかばかしい。
カジノ誘致で日露会談の「予測間違い」を隠蔽しようとするのは、「目くらまし作戦」としては幼稚すぎる。あまりにも国民をばかにしている。
日露首脳会談は12月15日。山口県長門市で開かれる。そこで、どんな「共同宣言」が出されるか。どんな「条約」が結ばれるか。「成果」を安倍はどんなことばで語るか。カジノ法案成立でごまかせるか。あるいは、日露会談でカジノ法案を隠してしまうのが狙いなのか。北方四島よりも、カジノの胴元から安倍に入ってくる献金を大切にしたいのか。
カジノ法案と日露会談の「関係」にこそ、目を向けたい。書かれていないことの方が重要なこともある。