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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

改憲日程(静かな環境)

2018-01-26 08:57:35 | 自民党憲法改正草案を読む
改憲日程(静かな環境)
             自民党憲法改正草案を読む/番外170(情報の読み方)

 2018年1月26日の読売新聞(西部版・14版)の3面に、憲法改正について

国会発議・国民投票/日程 限られる選択肢

 という見出し。
 記事は(1)今年の秋に発議し、来年1月に国民投票、(2)来年5月に発議し、夏(参院選と同時、あるいはあと)に国民投票という2案があると書いてある。
 そのなかに、こんな記事が。

天皇陛下の退位が19年4月30日、皇太子さまの即位が5月1日と決まったことで、「参院選との同時実施は難しい」との見方が出ている。政府・自民党は退位・即位を「静かな環境」で実施するため、退位前後の発議は避けるべきだとの認識だ。

 またまた「静かな環境」ということばが出てきた。
 なぜ民主主義の国が「静かな環境」でなければならないのか。「退位・即位」に反対の声が渦巻いてもぜんぜんかまわない。それにあわせて憲法論議が起きても何も困らない。
 逆に読んでみよう。
 いまの天皇が即位するとき、天皇はどう語ったか。

皇位を継承するに当たり、大行天皇の御遺徳に深く思いをいたし、いかなるときも国民とともにあることを念願された御心を心としつつ、皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓い、国運の一層の進展と世界の平和、人類福祉の増進を切に希望してやみません。

 同じことを皇太子に言われては困るのだ。「皆さんとともに日本国憲法を守り」「世界の平和、人類福祉の増進を切に希望してやみません。」と言われては、北朝鮮への侵攻を前提とした憲法9条の改正ができにくくなる。自衛隊を9条に書き加え、軍隊としての機能を明確にすることが難しくなる。国民の多くは、これまでの平和が9条のおかげだと思い出すだろう。国民のあいだで「9条を守れ」という声が起きるだろう。「騒がしくなるだろう」。それはなんとしても阻止したい。
 それが安倍の狙いだ。
 「天皇は国政に関する権能を有しない」という規定は天皇だけを拘束するのではない。政権が天皇を利用することも禁じているはずだ。だが、安倍は何度も何度も、天皇に何も言わせないという形で天皇を利用している。
 「新年のお言葉」が封印されたのはその代表的な例だ。

 天皇が「平昌五輪、北朝鮮の五輪参加、南北合同チームの結成で和平の動きがみえるいまこそ、韓国を訪問したい。五輪の開会式に出席したい。北朝鮮の人とも会いたい」と言ったらどうなるだろうか。
 安倍は、絶対にそれを阻止するだろう。高齢とか冬の寒さとか、いろいろ理由をつけるだろう。
 天皇を平昌五輪に出席させることは「天皇の政治利用」になるか。もしそうなら出席させないということも「天皇の政治利用」である。
 天皇を封印し、さらに天皇に配慮し「静かな環境」と安倍が言うとき、ほんとうは何を狙っているのか、私たちはみつめなければならない。
 何度も書いているが、また書いておく。
 安倍は天皇に「天皇は国政に関する権能を有しない」ということを明言させ、沈黙させた。新年のことばも封印した。天皇さえ沈黙し安倍に従っている。国民は安倍の独裁を沈黙して受け入れるべきだと考えている。独裁を押しつけている。





#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


*

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