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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

西脇順三郎の一行(27)

2013-12-14 06:00:00 | 西脇の一行
西脇順三郎の一行(27)

 「冬の日」

この村でラムプをつけて勉強するのだ。

 「ラムプ」が「ランプ」であったら好きになったかどうかわからない。「ラムプ」には音にならない不思議な音がある。耳に聞こえる音の奥、脳のなかに響く音がある。記憶の音。そういう音が昔はあったのだという肉体の記憶が脳に残っている--というのは、もちろん嘘、というか方便なのだが……。
 西脇の音(音楽)は「肉体」そのもので聞くというよりも、何か、この「ラムプ」につうじる不思議な響きがある。脳に響いてくる。脳なのだけれど、脳だけではなく、脳が覚えている「肉体の記憶」。かつては、そういう肉体があった、「ラムプ」は唇が動き、音が美しく口のなかにこもる、その振動が口蓋をくすぐる……。
 いまでも「ン」よりも「ム」の方が「プ」につながりやすいのだけれど。どうして「ン」と書くようになったのか……といってみても始まらないが。

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