江東区図書館生活

本棚の本をずいぶん少なくすることができました。

武器としての交渉思考 (星海社新書) [新書] 瀧本 哲史 (著)

2013-12-15 08:59:00 | ★★★★☆もう一回ぐらい読みたいかな
武器としての交渉思考 (星海社新書) [新書]
瀧本 哲史 (著)



場所:江東区図書館

瀧本流交渉本、知識とするだけでなく実践の中で使ってこそ意味がある中身、交渉がうまく進まないときに手にとって照らし合わせてみたい。

以下、メモ。
・エデュケーションはラテン語で「引き出す」という意味のエデュカーレが語源と言われる、上の立場の考えを押しつけるでもなく、正解を詰め込むでもなく、思考力や洞察力や想像力を引き出すことが教育本来の姿
・全員が完全に自由になると他者の自由と衝突するがゆえにかえって不自由になる、互いの合意に基づいて互いの自由を束縛することで自由を最大化できる
・若者が世の中を変えようと立ち上がるだけでは世の中は動かない、世の中で既に権威権力を持ったエスタブリッシュメントから将来見込みがある若者として投資の対象として見なされることで協力をとりつけることが必須
・今後付加価値を持つビジネスは全て交渉をともなうものになる、ほとんど全ての業務はコンピュータにより機械化されるが、いかに高性能なコンピュータとはいえ交渉はできない
・交渉にはロマンとソロバンが必要、ロマンはビジョン、それがないとそもそも交渉が始まらない、ソロバンはコスト計算
・交渉は前提となるルールそのものを変えていくゲーム
・どんなに素晴らしい夢や希望を語ったところで相手に対して具体的なメリットを提示できなければ人を動かすことは難しい
・そのベンチャーが世の中に送り出そうとしている商品やサービスが、いつか多くの人に必要とされる日がくるか(長期的なロマン)、また、事業がスタートしてから、きちんとビジネスとして回っていくか(短期的なソロバン)、それらが揃ってはじめて出資対象
・困っているといえば聞いてくれるはずというのは子どもの論理、自分の立場を理解してもらうのではなく相手の立場を理解する、僕が可哀想だからなんとかしてでなくあなたがこうすると得しますよという提案をする
・オレンジを姉妹で取り合う例、お互いに一つ分いるのに一つしかない、話し合いで解決、実は欲しいものが違っていた、姉はオレンジの中身が食べたかった、妹は皮でマーマレードが作りたかった、一見利害関係が完全にぶつかっているように見える問題でも、相手と自分の双方の利害をよく分析すれば、うまく両者のニーズを満たす答えが見つかることがある
・バトナ、Best Alternative to a Negotiated Agreement、相手の提案に合意する以外の選択肢のなかで一番良いもの
・コモディティ人材は他にいくらでも代わりがいる、バトナがないとそうなる
・引越しすべきは5~6月、借り手でなく貸し手の立場で考える、交渉が不成立となれば次の引越しシーズンの3~4月までの一年間空室になるかもしれない、多少値段を下げてでも貸して確実な収入を得る方がましと考えるはず
・相手方のバトナを分析するには交渉が決裂したらどうなるかを考える、そのためには相手の情報を集める、交渉というコミュニケーション自体が相手の情報を集める行為
・自分と相手のバトナが把握できれば合意できる範囲ゾーパ、Zone of Possible Agreementが見つかる、ただしそもそもないこともあるが
・交渉における心理的なハードルを下げるには、代理人として挑むこと、交渉用の人格として交渉に当たると交渉自体がある種のゲームのように感じられる
・交渉はどこからスタートするかによって結果がまったく違う、アンカリングとは最初の提示条件によって相手の認識をコントロールすること、アンカリングされないためにはそもそもの条件設定がおかしいのではないかと疑ってかかること、相手側の条件提示でアンカリングされるのを防ぐには一切無視
・相手が情報を出してこないときはそのこと自体を利用する、リップルウッドの日本長期信用銀行買収はその良い例、日本政府が不良債権の開示を拒むなら、将来に不良債権が顕在化したらそれを保証することを条件につけさせた
・非合理的な交渉者のタイプ分け、1.価値理解と共感を求める人、2.ラポールを重視する人、3.自律的決定にこだわる人、4.重要感を重んじる人、5.ランク主義者の人、6.動物的な反応をする人
・相手の価値観は変えられない、合わせるしかない、そのためにも非合理的な交渉相手でもなにを価値観にしているかを知ると言う意味で、合理的な交渉相手と同様に相手の分析が重要


【アクション】
交渉がうまく進まないとき、この本に書かれていることをその状況に照らし合わせて実践してみる


【著者】
僕は君たちに武器を配りたい [単行本]
瀧本 哲史 (著)
http://blog.goo.ne.jp/shinyability/e/357c1a63af5fad0ce43d4b102382fd27


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