江東区図書館生活

本棚の本をずいぶん少なくすることができました。

心のなかの幸福のバケツ [単行本] ドナルド・O・クリフトン (著), トム・ラス (著), 高遠 裕子 (翻訳)

2012-04-18 06:11:26 | ★★★☆☆おもしろかった
心のなかの幸福のバケツ [単行本]
ドナルド・O・クリフトン (著), トム・ラス (著), 高遠 裕子 (翻訳)




場所:江東区図書館

とにもかくにもポジティブでいけ、そんだけ。
心のバケツにひしゃくで水を注ぎ続けろ、くみ出すな。
他人のバケツに注いだら、自分のバケツにも水はたまる。
感覚的には全くその通り。
部下や家族を含めて、ほめることやポジティブな言葉を投げかけることは、ほめられた側も気持ちいいし、ほめた側も気持ちいい。
ほめられることで、そのほめられた行為や考え方に正のフィードバックがかかって、よりその行為がくり返されるようになったり、考え方が定着する。
だからほめたいし、ポジティブな言葉を投げかけたい。
問題は、そのほめるべき、ポジティブな言葉を投げかけるべき行為や考え方が見られないとき。
ある種の約束が果たされないとき、それに対するダメ出しを控えてまでほめるべきか、ポジティブな言葉を投げかけるべきか。
この本から読み取れたことは、ネガティブ1に対してポジティブ5。
常日ごろからポジティブのシャワーを降らせるということか?
以下、メモ。

●<P.52>もちろん、ここまで決定的な瞬間は、そうそうあるわけではない。とはいえ、何気ない言葉や態度もおろそかにはできない。ポジティブ心理学の専門家は、ささやかでも、喜びや満足といったポジティブな気持ちを感じる「頻度」が重要だという。夫婦研究のパイオニア、ジョン・ゴットマンの調査によれば、ポジティブな言動とネガティブな言動には、五対一という「魔法の比率」があるという。夫婦のあいだで、ネガティブな言動一回に対して、ポジティブな言動が五回あれば、結婚生活は長続きする可能性が高い。この比率が一対一に近づくと、夫婦は離婚に至るという。
●<P.54>五対一という比率は、夫婦にかぎらず、職場の人間関係でも重要になる。最近の調査では、ネガティブな言動一回に対して、ポジティブな言動が三回以上見られるグループは、それ以下のグループにくらべてかなり生産性が高いという結果が出ている。ただし、ポジティブの比率が高ければ高いほどいいというわけでもない。フレデリクソンとロサダの計量モデルによれば、「上限」があるようだ。ポジティブの比率が十三倍を超えると、生産性は低下している。
★ポジティブ過ぎてもいけないけれども、いくらポジティブな言動を心がけても現実的にはそこまでいかない。
かなり意識してポジティブな言動を使って、やっとちょうどいいぐらいではなかろうか。
ダメ出しをする際にも、同じことを伝えるポジティブな言動はないか考える。
ネガティブな言動を伝えてしまったら、それは必ず記憶にとどめる。
その相手に対しては、意識的にポジティブな言動でフォローをするように勤める。
常日ごろから、ポジティブな言動のシャワーを降らせる。
そうすることで、ダメ出しが受け入れられる下地を作っておく。

●<P.57>その結果は驚くべきものだった。前向きな感情表現の多かった修道女のほうが、そうでない修道女よりも平均で一〇年寿命が長かったのだ。もと驚くべき事実がある。前向きな感情表現が少なかったグループでは、調査時点で二五人も亡くなっていたが、前向きな感情表現の多かったグループで亡くなっていたのは一〇人だけだったのだ。
ネガティブな感情がいかに健康に悪いかは、たばこの害とくらべればよくわかる。たばこを吸う人の寿命は吸わない人より短いが、その差は男性で五・五歳、女性では七歳だ。つまり、ネガティブな感情を抱くことは、たばこを吸うこと以上に寿命を縮めてしまうのだ。たばこと違って、ネガティブな感情が害になるという注意書きはどこにもないが、そうするべきではないだろうか。
★ネガティブは他人のためにもならなければ、自分のためにもならない。
ポジティブ、ポジティブ、ポジティブ、…
ネガティブな感情が沸き起こることは、おそらく押さえようがない。
とすれば、そのときにどうするか。
ポジティブな表現にして、口から出してしまう。
できるかな?
やってみよう。

●<P.76>テッドの上司は、バケツに水を注ぐときの極意がわかっていた。「褒めるなら、ひとりずつ、具体的に、褒めるに値する点を褒める。そうすれば本人の喜びも大きく、効果があがる」。メールのコピーをテッドの同僚にも送れば、テッドのバケツから水があふれることも知っていた。そして、この上司は、おそらく、この方法が誰にでも通用するものでないことも知っていただろう。部下のなかには、目立たないように、そっと肩を叩いてねぎらってほしい人もいれば、大勢の前で褒めてもらいたい人もいる。
要するに、バケツに水を注ぐとき、人によって合う方法、合わない方法がある。型にはまった表現などでは効果が期待できない。無理して褒めているとか、心にもないことを言っているとか思われるようではうまくいかない。
★コーチングでいうところの個別対応。
そのためにも相手を知らないといけない。
どういう褒められ方で顔がほころぶか。
普段からよく見る。

●<P.96>相手は何をしてほしいと思っているか?
1.どんな呼び方で呼ばれたいだろうか。
2.「いちばん関心をもっているもの」は何だろうか。人に話したくて、うずうずする趣味や興味は何だろうか。
3.ポジティブな感情を増やすもの、心のバケツをいっぱいにするものは何だろうか。
4.誰から褒められ、認められたらうれしいだろうか。
5.どんな方法で褒められ、認められたいだろうか。人前がいいか、それとも非公式がいいか。あるいは、紙に書かれたもののほうがいいか、口で伝えられるほうがいいか。
6.どんなかたちで評価されると、やる気が起きるだろうか。ギフト券をもらったときあ、コンテストで優勝したときか、あるいは、メモや電子メールをもらったときか。
7.これまででいちばんうれしかったのは、どんな評価だろうか。
★コーチングでいうところのデータベース作り。
今度の面談で、趣味や価値観について聞いてみよう。


【アクション】
ダメ出ししたら、必ずフォロー。
ダメ出しした相手には、意識して五回ポジティブな言葉を投げかける。


【これまでに読んだ著者の本】
なし



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