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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

『インドの衝撃』の衝撃

2007-02-04 09:19:59 | エッセイ
 
 NHKスペシャルで『インドの衝撃』というのがあった。昨年インドに行ったことがあるので、「そうそう、こんな感じ」と懐かしく見ていた。(詳しくは「海外出張報告(インド)」「インド人のあくび」に。)
 ちょうど行ってた3月に、ブッシュ大統領もインドを訪問していて、現地では連日テレビでやっていたが、日本ではほとんど報道されなかったようだ。

 貧しい国という印象が強いが、大型スーパーマーケットもあちこちに出来て、中間層以上の暮らしは先進国並みになりつつあるそうだ。ここ10年ほどの間に、貧困層は全体11億の80%から65%に減り、中間層以上が20%から35%に増えたためだという。スーパーの様子も、人の多さは別として、日本とそう変わらなかった。

 エリート教育も凄いらしい。0(ゼロ)を発見したお国柄だから数学が強いのはわかるが、理数系の教育に、国を挙げて力を入れてきたため、今や世界中のIT産業や金融業界の大きな勢力となっているそうな。(画面に出てきた黒板の数式、さっぱりわからなかった)
 僕がインドで会った原料メーカーの若い副社長も、もの凄いエリートのようで、日本人に対する畏敬の念とともに、「いつか日本を追い越してやる」とでもいった気概を感じたものだった。

 そして経済成長率が年8%。あと2,30年で、日本も追い越されてしまうそうだ。もちろん、ITだけが世の中のすべてではないし、農業や重工業、芸術・文化など、ほかにもいろんなことがこの世界を成り立たせているのだが。
 とは言っても、インド製の品物が身の周りで当たり前に見られるようになるのも、もうじきかもしれない。

 基本的にマジメな国民性だから、経済大国になるのも、間違いのないところだろう。僕らの子供の世代は、主にインド人を相手に仕事しているのかも。日本人とウマは合うとは思うが、負けないようにしないと。
 ただ、貧しい人たちはまだまだたくさんいるようで、日本で言う格差なんて、メじゃないほどだ。

 しかし服装やライフスタイルが欧米化するにつれ、テレビやビデオを楽しみ、アルコールをたしなむようになると、インドらしい、気高い精神性というものがなくなっていくようで、ちょっと寂しい。


PS.前々回の問題(各教科の「ぶんし」とは)の答を書くのを忘れてました。
 国語:文士(正確に言うと文学の世界だが、小説家のこと)
 数学:分子(分数で、横線の上の数)
 理科:分子(原子のかたまり)
 社会:分子(危険分子、反乱分子、など)
 英語:分詞(現在分詞、過去分詞、など)

コメント
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