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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

酔うとなぜ美人に見えるのか

2011-09-11 08:52:18 | 科学/考察
 
 場所は大阪・道頓堀。
 朝、目が覚めると隣に女が寝ている。どうもゆうべの飲み屋で一緒になったあと、気が合って女の部屋に泊まったようだ。
 飲んでいる間は素敵な女性だと感じ、抱きたいと強く思ったものだが、少々二日酔いとはいえシラフでつくづく眺めると大したことはない。女が目を覚まさないうちに逃げ出そうかと…。

 これは僕の妄想の一つなのだが、このように、酔ったあげくどうでもいい(失礼!)女に手を出してしまった経験のある人もいるんじゃないかと思う。(僕は残念ながら、というか、ない)

 酒を飲むと、大脳皮質の方から麻痺していく。大脳辺縁系ほか中枢部が残るのは、生きていくために必要だから(呼吸なんかが止まると大変)。
 理性を司る皮質が痺れることにより、目の前の女性が美しいかどうか、素敵かどうかの判断が怪しくなる。と同時に、理性で抑えられていた肉欲が表に出てくるため、相手構わず口説いたりすることになる。

 最近の飲み会で、隣に座った女性と話し込んだはいいが、帰りにふっと消えられたことがある。女性なりの防衛本能だとは思うが、べつに口説くところまで酔ってはいなかったしそのつもりもなかったので、あまり気分のいいものではない。あまりに盾が強すぎるのも、攻める矛としては面白くも何ともない。

 話を戻すと。
 これはこれで、人類存続のためには必要なことだとも思える。大昔、いやつい昭和の初めくらいまでは、親や親戚の決めた相手と一緒にさせられ、飲めや歌えやの祝言のあと初夜を迎える、なんてことがままあったに違いない。
 それが今や上品になってしまって、相手を冷静すぎるほど冷静に眺め回すものだから、くっ付くものも付かなくなってしまったのだろうと思う。
 も一つは、テレビやネットの発達で、眼がぶくぶくに肥えてしまったこと。そしてこれまた画面や録画がきれいになり、美男美女にいつでも会えるというのもあるだろう。

 まあ、選ぶ方の立場である自分だって大したことねえや、って思えると、意外といい出会いが待っているのかもしれない。

〔冒頭の写真は「大阪おばちゃん特区」より勝手ながら拝借〕

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英数国理社ほか

2011-07-10 09:25:21 | 科学/考察
 
 先週3日の朝刊に、この春の大学卒業生の2割が就職も進学もできていなかった、という記事が載っていた。僕らの頃はどうだったか知らないが、若い衆も大変だな、と思う次第。

 その朝日の記事によれば文系が相対的にその比率が高く、法・政治が3割弱。ツブしが利く、と言われていたものだが、状況が変わってきているようだ。
 理系は専門的な分、進路も明確なのか。

 ところで、大学の主な学部というのは次の10くらいだと思う。文系/理系、それぞれ並べてそのイメージを書くとこんなものだろうか。
   医/法  さばく
   薬/経済 おさめる
   理/文  とく 
   工/国際 きずく
   農/教育 そだてる

 高校までの主要5学科について言えば、国語と数学と英語がベースにあって、その上に理科と社会が乗っかっている、というイメージだろうか。そして理科を究めると上記学部の理系になり、社会を究めると文系に。(もちろん国語を究める国文学科や数学を究める数学科というのもあるが)
 そして英語はともかく、小学校・中学校では国語と数学をしっかりやるのがよろしかろうと思う。
 ついでに言うと、問題解いていて、すぐに答を見たり人に聞いたりするのが、昔から嫌いだった。ずーっと自分で考えていたため、時間掛かって仕方なかったが。

 子供に勉強を教えていると、よく「習ってないから分からない」ということを言われる。習っていないから勉強するんだ、習っていないことを知るのが楽しいんだ、と思うんだけどね。
 社会に出れば習っていないこと、教わっていないことをやるはめになるのはよくあること。誰もやったことないのであれば、間違ったって構わない。むしろ新しいことに挑戦したということで、高く評価されるに違いない。
 新しい国内ルールの海外への説明など、僕もよくそういう場に行かされるが、このような考えでやっているから、多少失敗したって何てこたあない。

 さてさて、就職も進学もできない人たちは気の毒ながら、理系の方が進学率&就職率高いのは、理系出身の僕としては嬉しいところ。日本も〈経済大国〉であるより〈技術立国〉であるべきだろうと思っているし。
 

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テレビの未来

2011-06-12 10:05:33 | 科学/考察
 
 まだCMは見ていないが、今月2日の夕刊に、東芝のテレビ〈REGZA〉で「タイムシフト」というのが載っていた。福山雅治の写真付きで。

 これ、過去30時間分を遡って見ることができるらしい。フライトレコーダーやドライブレコーダーの応用のようだ。今のビデオでも録画しながら別の番組を再生できるし、ハードディスクの或る部分で、30時間なら30時間分、前の録画を消去しつつ新たに録画し続けていくのだろう。
 M(メガ)やG(ギガ)を超えてT(テラ)バイトの記憶容量が可能になったのか。今後はその上の、P(ペタ)やE(エクサ)ということになっていくことだろう。そうすると30時間と言わず1年あるいは何10年という記録が可能になるわけで、果たして見る時間があるのだろうか、という心配とともに、ナマで見る意味がなくなってくるような気もする。
 テレビ局は、いつ見られるとも知れない番組を延々と放送することになるのかも。そうすると「視聴率」は一体いつ集計すればいいのか、分からなくもなる。

 一方、テレビ画面の方はさらに研究が進められていて、ハイビジョンの16倍の画素数を持つ〈スーパーハイビジョン〉というのが、そのうち出てくるらしい。
 段々と目が肥えていき、元に戻れなくなる…。
 
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物理学的人生論

2011-05-01 06:41:00 | 科学/考察
 
 高校時代に読んだ本なので中身はすっかり忘れてしまったが、人生論まで語れるような学問って素晴らしいと、大学では物理学をやりたいと思ったものである。(残念ながらと言うか、薬学部に進んでしまった)
 4月19日にNHKのBSプレミアム『コズミックフロント』で放映された「ダークマターの謎に挑む」を見ていて、その本のタイトル『物理学的人生論』を思い出していた。

 ニュートンの古典力学であらゆる物理現象を説明できると思いきや、微小/巨大な世界では通じないことが分かり、ハイゼンベルクらの量子力学やアインシュタインの相対性理論そして大統一理論が生まれた。
 そして今、ダークマターやダークエネルギーの存在が想定される段になってきて、「超対称性理論」なる説が唱えられるようになった。ただしこれが完成したところで、また別の謎が出てくるのかもしれない。(もし謎がすべて解明されたら、それはそれで、つまらないだろう、と)
 一つ解決したと思ったら次の問題が出てきて新たな理論が構築されるという、その繰り返し。だから物理学含め他の学問も、人生に似ているな、と思った次第。これはまた、ニーチェの〈永劫回帰〉ともつながるような…。

 話戻って、なかなか捕らえることのできないダークマターであるが、僕らの体はおろか地球をすり抜けるにも拘らずニュートリノと違ってかなりの質量があるらしい。とすれば、その昔存在を予言されながら否定された、宇宙空間を満たし光を伝えるとされた〈エーテル〉なるものは、実はダークマターだった、ということになるのかも。

 ところで、医学や数学、法学や経営学から人生論は組み立てられても、薬学からは難しいように思っている。薬学出身の作家が少ないこととも、関係があるのかもしれない。

〔冒頭の写真は、宇宙の大規模構造(国立天文台のHPより)〕
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1000億年後には…

2010-09-12 08:41:37 | 科学/考察
 
 科学/宇宙好きの人は見たと思うが、4日(土)の『サイエンスZERO』で暗黒エネルギー(ダークエネルギー)が取り上げられていた。もともと物理をやりたかったんで僕も興味深く見たのだが、ちょっとした無力感に陥っているところ。

 ビッグバンに始まり膨張を続けるこの宇宙、重力によって膨張速度が弱まるどころか、逆に〈暗黒エネルギー〉によって膨張の度合いが強まり、今から1000億年後には重力などに打ち勝って、すべての物質が素粒子の段階にまでバラバラになってしまうという。〈ビッグリップ〉(大いなる引き剥がし)と言うそうだ。
 核戦争や隕石衝突、ノストラダムスやインカ暦滅亡説も真っ青の事態である。
 この暗黒エネルギー、遠く離れれれば離れるほど大きな作用を及ぼすという、およそ普通の物理学では考えられないもの。だが、重力や電磁気力とはまったく「異次元の」ものであれば、それもアリかなと。

 僕もあなたももちろん生きてはいないけれど、輝く星々やおそらくブラックホールさえ、なくなってしまう。どうにも想像できないけれど、まさに「虚無」の世界。
 これ聞いて思ったのは、1984年の映画『ネバーエンディング・ストーリー』。子供の想像力の世界が〈虚無〉によって滅ぼされそうになるというもの。
 または、冒頭の太極図/陰陽図のようなイメージ。

 せっかく生まれた星たち、それと人類含む生命体をなぜ終わらせる必要があるのか。宇宙は永遠だと思っていただけに、残念なこと(いやあるいは、素粒子漂う宇宙空間自体は残るのかも)。
 1000億年に、人類の子孫なり異星人なりいるのかどうかわからないが、すべてが引き剥がされることになれば、それは残念なことだろう。「なぜだ!」と言いたくもなるだろう。
 誰でもいいから、なぜ宇宙がそんなことするのか、解明してほしいものだ。その仕組み、そしてその理由を。

 〈真空エネルギー〉というのがある。真空状態の中では粒子が発生/消滅しているという。これが暗黒エネルギーと関係あるらしいのだが、そもそもなぜ真空で粒子(エネルギー)が発生するのか。
 で、素人ながら考えたことは…
 おそらく、何かが存在していれば、外の宇宙(別次元と言ってもいいのかもしれない)からは入ってこれないのだが、希薄そして真空になると圧力が弱まった格好となり、そこを臨界点として外からエネルギーが入りやすくなるのだろう。暗黒エネルギーなるものが浸入/にじみ出てくるのだと。
 宇宙の暗黒エネルギーはどんどん増えているらしい。自己増殖する性質なのだろうが、エネルギーであるからには、増えるにはどこからか供給されなくてはならないから、それは宇宙の外からしかない。宇宙の真ん中でも暗黒エネルギーは増えているはずだから、宇宙の周りから浸入しているというより、宇宙と重なった、いわゆる異次元の形でしかあり得ない。
 まだ明らかな成果は上がっていないようだが、スイスのCERN・大型加速器施設で、異次元の存在確認実験が実験が行なわれている。宇宙の重力が比較的少ないのは、どこかへ抜けているからだろうということ。
 つまり宇宙の中と外とで、重力や暗黒エネルギーがやりとりされている…と、こんなイメージ。

 自分が死んでも、人類あるいは何かしら生物は生き残り、いつか宇宙に進出していく…そんなイメージをずっと持っていたのだが、それもいつか〈ビッグリップ〉によって終焉を迎える。こうして書いていることも、記憶媒体ごと消えてしまう。
 人類の知恵と技術のすべてを何か頑丈なタイムカプセルに納め、異星人/未来人に託したとしても、いずれ跡形もなくなくなってしまう…。これが僕の無力感なのだが、ひょっとしたら1000億年後の知的生命体は、異次元への移動手段を開発しているのかもしれない。。
 〈宇宙意思〉というのがあるとすれば、それが宇宙の終わりを決めているのだろうから抗うことは無理なのだが、想念あるいは魂というのもやはり消えてしまうものなのだろうか。そういう形のないものは、この宇宙とは別次元のところの話のような気がする。
 死ねば、ビッグリップの謎も理解できるのだろうか。だとすれば、死ぬことも楽しみになってくる

 …番組見て以来、ずっとこんなことを考えています。
 再放送もおととい11日に終わってしまいましたが、NHKオンデマンドで今月18日までやってるそうなんで、見逃した方は是非。考えるところ大だと思います。
 あそうそう、宇宙創成をテーマにしたショートショート『理科の実験』というのをおととしの7月に書いてますんで、良かったらどうぞ。
 

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不思議な共感覚(音と色と形と味と)

2010-06-20 07:53:31 | 科学/考察
 
 Aは黒、Eは白、Iは赤、Uは緑、Oは青。
 …ランボーの有名な詩の一節である。

 先月29日、教育テレビで『共感覚のミステリー』というのをやってて、音を聞くとあるいは字を見ると色を感じる、という人が紹介されていた。
 聞いた音を処理するのに、または見た文字を処理するのに、色を感じる脳の部分も反応してしまうかららしい(ただし同じ文字でも、感じる色は人によって違うとのこと)。
 数千人に1人とか、そういう割合で存在しているようで、他にも形や音から味を感じたりする人もいるそうだ(『共感覚者の驚くべき日常』という本に詳しい)。ひょっとしたら、五感すべてがつながっている人もいるかもしれないが、とても生活しづらいだろうと思う。
 あるいは、オーラが見える人ってのは、共感覚者なのかもしれない、と。
 
 こういう感覚は一般の人でも多かれ少なかれあるようで、たとえば「ブーバ」と「キキ」と、○か☆かにそれぞれ名前を付けるとすれば、やはりほとんどの人が○をブーバ、☆をキキと呼び、それは人種や使う言葉の違いに関係ないとのこと。
 不思議な感覚なのでどうもイメージしづらいのだが、たとえば赤ちゃんの泣き声で心配な気持ちになったり、人の笑い声で嬉しい気持ちになったりするのも、共感覚の一種と言えないこともない。

 人類共通の感覚であるとすれば、他の惑星の住人ならば、また違った感覚(○がキキ、☆がブーバ)もあり得るのかもしれない。そう言えば、英語のzigzagは、日本語で言うとギザギザで、感じがよく似ているし、「行け行け」は“OKOK”に似ていないこともない。
 さらに言うと、walkと歩く、boneと骨、crowと(黒い)カラス、などなど、語源が同じじゃないかと思われるような不思議な一致もある。ただ言葉の生まれる元である感覚が同じであれば、同じような言葉になるのはある意味自然な流れだとも言える。
 ちなみにスワヒリ語の「マワレ」は、「回る」という意味だそうだ。

 相変わらず小難しくなってしまったので、最後に小話を。
 「はっきり答えて! イエスなの、ノーなの?」「いいえッス」

〔冒頭のイラストは、共感覚者・森のコアラさんのブログより勝手ながら拝借〕

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数学と自然界―『リーマン予想』を見て

2009-12-13 10:09:45 | 科学/考察
 
 NHKオンデマンドでランキング1位になったこともあるので知ってる人も多いと思うが、11月15日のNスペで『魔性の難問・リーマン予想』というのをやっていた。理学部の息子と、とても興味深く見た。

 詳しいところは難しすぎてよく分からないのだが、素数の並びから導かれた関数が、原子の動きを表わす式と、非常によく似ているのだという。
 ただの「数字のお遊び」と思われていた素数論が、自然現象・原子論に通ずるものがあるということで、その方面では話題になっているらしい。数学者や物理学者は、〈宇宙の神秘〉あるいは〈神の存在〉をますます感じつつあるようだ。

 そこで思い出すのは、人間の手の形の不思議さ。
 たとえば指をすぼめたとき、親指から小指までが1点に集まるのは、まあ物をつまむのに都合がいいからだというのはわかるが、「フレミングの左手の法則」をやったとき、親指・人差し指・中指の先端同士の距離が、ほぼ等しくなるのは不思議だ。つまり、3本の指先にインクを付け、「フレミング」の形にして紙に押し付けると、そこに正三角形の頂点が現れるということ。
 さらに、指を少し動かして、人差し指・親指先端同士を結ぶ線と、人差し指・中指の先端同士を結ぶ線とが直角になるようにすると、そこには、長さの比が「3:4:5」の直角三角形ができてしまう。

 そんなの単なる偶然だよ、と言われればそうなのだが…。
 有名なところでは、〈ミロのビーナス〉に黄金比が隠れているなんてのもあったりして。

 なおこの番組、今夜遅くに再放送があるそうなので、興味ある方はどうぞ。
 ところで、上記リーマン予想は10進法での話なんだけど、2進法や12進法でも同じことが言えるのだろうか。同じ土俵であれば、同様な結果になるのだろうとは思っているが。

 …ちょっと小難しい話になりました。
 

コメント (2)
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考察(教会が尖っている理由)

2009-11-29 08:20:46 | 科学/考察
 
 日曜夜の『THE 世界遺産』(ソニー提供)なんか見ていると、欧米の教会は屋根がものすごくとんがっている。天に向かってそんなに突き刺さなくてもいいのに、といつも思うのだが、その理由が何となくわかった、という話。

 山岳信仰という言葉もあるように、日本では信仰の対象として、富士山をはじめとする山々が挙げられる。お寺の名前に「○○山」と付くのもそのせいかもしれない。その山々の代わりとして作られる寺社の屋根は、日本の山々と同様、なだらかとなる。
 これに対しヨーロッパの山々は、マッターホルンに代表されるように、かなり嶮しい。ヨーロッパ人も山岳信仰を持つとすれば、その代わりとして建てられる教会も、鋭角的になるのだと思う。
(まさか自分たちの高い鼻に合わせたわけではなかろう。ついでながら、西洋人の鼻の高さは、吸う空気の温度と関係があるそうだ)

 もう一つはやはり、遠くからでも目立つように、だろう。礼拝に行くのに、教会がどこにあるのかわからなければしょうがない。日本の神社やお寺だと、森(杜)に囲まれているから、その緑を目指せばいいのだが、教会の場合、そういったものはないから。
 これはまた、自己主張する欧米と、奥ゆかしい日本との違いとなっているのかもしれない。

 話を戻すと。ペルーやメキシコなど、山ばかりの地方になると、さらに上の方、つまり、太陽を信仰することになるのだろう。「日の本」とも言われるように、日本でもその傾向はある。
 また山がなく太陽もありふれた南の島々では、海洋信仰ということになるのかも。
 そしてロシア。小説『罪と罰』でラスコーリニコフが大地に接吻するように、高い山もなく太陽もあまり出てこないロシアでは、残るものとしては大地になるのだろう。

 まとめると、山岳信仰・太陽信仰・海洋信仰・大地信仰、となる。

 ところで、日曜夜6時半からはキヤノン提供の『奇跡の地球物語』という、これまたいい番組が始まった。おかげで日曜の夜はテレビ漬けになってしまうのだが、ソニーとキヤノンと、CMのツクリに大きな違いが見られる。やはりソニーの方がアカ抜けている分、キヤノンの方は堅実と言える。社風というのは、こんなところからも透けて見えるものだ。

〔写真は、チェコのプラハ(『THE 世界遺産』のHPより)〕

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鉄―生命の素

2009-09-06 08:57:24 | 科学/考察
 
 出張を利用して、東大総合研究博物館で開催されている「鉄―137億年の宇宙誌」を見てきた。(ついでながら、出張の時に当該用件だけしかやらないというのは、非常にもったいないことだと思っている)

 血液中のヘモグロビンに鉄が利用されているのは知っていると思うが、そもそも地球内の大量の鉄により磁場ができ、そのおかげで太陽からの有害な宇宙線が防がれ、また太陽風により大気が吹き飛ばされるのも防がれたという。鉄器や鉄骨としてだけでなく、こんな形でも、鉄は生命を守っているようだ。
 非常に安定であるため、宇宙にはそんな鉄が大量に存在するらしいが、うまくできてるな、と思う次第。もちろん鉄だけで生命が生まれ、守られるわけでもないのだが。
 なお植物も、鉄がないとうまく育たないらしい。冷蔵庫のような恒温器に、鉄を充分与えたイネとそうでないものと、並べられていた。

 あそれと、東北大学(さすが金属関係は強い)で作られた、純度99.9989%以上という鉄の塊が、デシケータに収められ展示されていた。何でも、さびない上、塩酸にも溶けず、展延性があるという。
 見た感じはピカピカでモコモコのステンレス。軟らかいというから、触ってみたかったが。鉛みたいな感じだったろうか。
 ただものすごくコストが掛かるため、そう大量には製造できないそうだが、いわゆる常識的な鉄とはまったく異なっている。とすれば、たとえば『理化学辞典』に載っている「鉄」の性質は、あくまでも純品ではない、という前提付きになってしまう。
 鉄に限らず、その他の物質でも、そういうのがあるのかもしれない。

 地味な展示会ながら、なかなか考えさせらるんで、興味のある方はどうぞ。10月いっぱいまでやってます。

 …前回リキ入れ過ぎたため、きょうは短め。

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地震と台風と

2009-08-23 08:33:38 | 科学/考察
 
 地震と台風とは関係があるんじゃないだろうか、という話。

 去る11日、ここ静岡を中心に地震があった。
 明け方5時過ぎにグラッとなり、「(東海地震が)ついに来たか」と寝ぼけ頭で思ったものだが、どうもそうではないらしい。幸い、棚の上の物がいくつか落ちる程度で済んだものの、ちょうど台風9号が近付いていたので、あれで自宅に被害があれば、雨ざらしになるところだった。

 台風(あるいは低気圧)が近付いていると、どうも地震が起きやすいように前々から感じている。冒頭のような動画は一度は目にしたことがあると思うが、地震というのは、地球表面のプレート同士の境界において、相対的に軽い方のプレートがはじけて起きるものだ。この2つのプレート間の摩擦力が、台風などで気圧が下がることにより、小さくなるのではないかと、単純ながら考えている。
 空気というのは軽いものだが、大気の層になっているため、気圧がたとえば20ヘクトパスカル下がれば、1平方メートル当たりで204kg、1平方キロメートル当たりだと20万4千tも軽くなる(計算合ってると思うけど)。プレート自体の重さに比べればおそらく微々たるものにせよ、これだけ軽くなれば、歪んだプレートも元に戻りやすいんじゃないか、と。
 どなたか、そういう研究でもしている人はいないものか。

 ところで今回の静岡沖地震でも「緊急地震速報」というのが出て、ケータイなんかで事前(と言っても今回は5秒ほど前)に知ることができたそうだ。
 これ、震源付近の揺れ、特に先に伝わってくるP波(縦波)を捉え、そこからの予測に基づいて出されるもののようだ(便利になったもんだ)。そしてあとから伝わってくるS波(横波)が、本格的な揺れとなる。
 このP波とかS波とか、高校の地学か物理で教わると思うが、PはPrimary(1番目の)の、SはSecondary(2番目の)の頭文字というのは、あまり教えてはくれないんだろうね。縦とか横とかで和英辞典をいくら調べても、PやSは出てこないものだ。
 こういう余分な知識が、意外と役に立つもの。

 ともあれ、そのうち東海地震はやって来るのだろう。くわばらくわばら。

 〔動画は、静岡県地震防災センターのHPより〕

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