Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

ラジオプラント訪問

2017-12-14 13:02:01 | ラジオ亭便り
散歩に飢えている旧友の青柳君と連れ立って念願の自由が丘にあるカフェ「ラジオプラント」さんへ寄ることができた。駅前のロータリーを昔ライブハウスの「ファイブスポット」があった路地からスーパー「ピーコック」のある「学園通り」へ出る。ブティック、女性向き雑貨屋、小さな飲食店などで賑わっている一角だ。これを少し南下して西に折れる右側の路地を探す。数分歩くだけで辺りは静かな住宅街に変貌する。目黒区自由が丘と世田谷区奥沢に住居表示が分かれるエリア迄来た。およそ駅前から7分程度の徒歩距離である。目印の学校と大井町線の線路が見えて来たところで「ラジオプラント」が右手に現れる。

よく手入れの行き届いたモダンな店内レイアウトは予想どおり。店の最奥にビンテージ系統のオーディオセットを納め、主人が入念に集めたと思われる古いラジオ類は棚の頭上に鎮座している。アールデコ調、ウッド調ありの小さなキャビネットがもたらす景色は旧時代ラジオフェチストには応えられないものがある。我々の訪問時間帯は幸いにもお客さんの動きが少なく、主人は気を遣ってLPレコードなどをかけることで歓待の意を表してくれた。メインのステレオスピーカーは自作ボックスに収まったジェンセンのフィールド型12インチに滅多に見かけなくなったツルーソニックのホーン型ツイータを加えて高域を補正している。これをEMTの930アナログプレーヤー、プライマーのコントロールアンプ、真空管のメインアンプを経由して鳴らしている。

再生音の総量は店のカフェBGM政策上、息を忍ばせた腰引け感が否めないが、流れる音の背骨は大らかな再生に耐える素性が垣間見えている。昔から馴染んで聴いているオールドピアニスト、アール・ハインズトリオの「ヒア・カムズ」これはリチャード・デイビスの固く引き締まったベースランニングと老人の童心還元的鍵盤遊びが綾なすコラボが魅力。

ピンキー・ウインターズのバンテージ盤10インチ、これはいつも「思い出の種」からか「リトル・ガール・ブルー」から聞くべきか?悩む一枚。フランク・ストライザーがアルト主役のビージェイ盤。これは脇の方でバック即興を繰り広げるブッカー・リトルの光芒に満ちたラッパソロも魅力。私などと同世代の主人が思いで集めたLPレコードはやはり皆いいものだと実感する。

ラジオ再生の圧巻はアメリカコスリー製ラジオにアナログプレーヤーで再生した音を独自トランスミッターで送り込むリー・ワイリーの「ウエスト・オブ・ザ・ムーン」。これがナローな人肌の温もりと情緒というものの何たるかを教えてくれる好古の見本のような再生音質だった。今の自分には一番フィットする感性だ。同行した青柳君も喜んで又再訪しようということで満足し、次の目的地横浜・伊勢佐木町へ向かうことにした。

営業のご案内 平常営業日 12月16・17(土)(日)12時〜19時