Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

立教大OB70歳 VS 20歳のジャズコンサート

2014-04-20 19:35:22 | JAZZ

町田駅前の109という東急ビルにある小ホールで行われた立教大学のスインギン・ハードオーケストラの発表会にドクター桜井さんと同行する。小さなホールで歯切れのよい残響感に包まれた最前列の真ん中の席は居心地がよい。ちょうど目前にはワンポイント収録の為にセットされたソニーのコンデンサーマイクが立っている。立教大学を遥かな昔、卒業したOBの方のお薦めコンサートだ。彼もこのイベントの世話人をしていて町田市内には800名に及ぶ立教OBが住んでいると聞いて驚く。この日はスインギン・ハード平均年齢20歳とOBジャズコンボ平均年齢70歳という絶妙な組み合わせの演目である。

スインギンハードは、山野楽器主催のビッグバンド大会で毎年、上位に入賞するバンドというだけのことはあってパワフルなアンサンブルプレイが聴きどころだ。黒の就活服と見まがうフォーマルに身を固めた初々しい童顔男女部員の演奏を観察する。カメラ、登山、という分野における女子力の進出と同じようにジャズのビッグバンドにも女子の進出は著しいようで、150センチくらいの小柄な女子が自分の顔の大きさと変わらないベルを持つバリトンサックスをかついで、あるいは担がれて入場する様にドクター桜井氏共々、笑みがこぼれてしまう。

トロンボーン、サックス、コントラバス、トランペット、各枢要部分には女子が必ずいて素直でのびやかなプレイを男子部員に伍して披歴している。曲目はエリントン、ベイシー、グレン・ミラーのオールスタンダード曲だから全て楽しいし、退屈というものがない。男子部員でソロを担当しているサックスやトロンボーンのヤングマンの2、3人には健康一色のブラバンサウンドからモダンジャズへ移行中のような陰影を持ったよい音色を聴かせるプレイがあった。

OBバンドはにわか結成二年目とのこと。音の血行を整え揃えることで苦労している様子がしのばれる。それでも「四月の想い出」を失速気味なエディー・ロック・ジョーみたいな抑揚で歌い上げる高山さんのテナーにはヤングマンとも一味違う粋を感じたし、鈴木章冶で名高い「すずかけの道」はスインギン・ハードの若手メンバーとのコラボが楽しげだった。どんな時世にあっても世代を超えて繋がっていく音楽、それがジャズということを実感する和みのコンサートを味わうことができた。