Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

ボロ市の扁古壷

2014-01-17 21:57:58 | その他

一月の世田谷ボロ市最終日を知人二人と散策する。厳寒の日が続いているが、風が収まってくれて少し和らいだ天気になっている。12月のボロ市における木枯しから比べればとてもラクチンな気候に救われた。

近いうちにこのボロ市通りを背にした世田谷通り沿いの東急世田谷線上町駅前にある古ぼけたビル内で、古本&音楽茶房をオープンする予定だ。仮称「ATELIER MONOURAL」。木曜日から日曜までの週4日が営業日で,モノクロームやモノラルの世界にこだわって生きてきた証左を示すようなスペースを目指している。初期はフンガルフォンのような欧州のレコード会社が発売しているグレゴリア聖歌でも流そうと思っているところだ。下見とボロ市見物を兼ねて無欲に冬空の下を歩いたせいか、益子の扁古壷の現代作の素晴らしい良品が懐に飛び込んできた。

 

器体を彩る絵は冬に咲き始める木蓮の蕾だろうか?糠白釉の曖昧なアブストラクトの枝模様をアクセントするコバルトブルーに清新を感じる。いかにも蒼の旋律を奏でている様子に魅せられてしまった。背景の地もいい。グレーと茶褐色の折り重なる微細な布目模様は島岡達三ファミリーの様式特長の象嵌っぽい香りも漂っている。益子の規則に則りながらも自由に飛翔するよい味わいの壷だ。ずっしりした壷の感触と作者を推測するという楽しみも抱えて知人二人と三軒茶屋へ戻る。豆彦のコーヒー、台所家の回転寿司で寒の一日をしめることにした。