Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

お好み焼の季節

2013-10-05 11:08:39 | 

金木犀が咲きだした。膨大な花芽が秋雨にうたれて道端に積り始めている。闇夜を伝わってくるその匂いを嗅いでいると、秋の深まりを感じる。庭の片隅でポットに納めている「コート・ダジュール」も紫色の花を咲かせている。

朝方の倉庫付近の気温は19℃になっている。夜勤明けの帰り道はクルマの中でたいていNHKラジオを聞いていることが多い。およそ45分の道のりを、平日なら「すっぴん」週末だと「ラジオ文芸館」あたりの時間帯だ。水道橋博士とか高橋源一郎をパーソナリティに使って真面目なカジュアル路線を狙った「すっぴん」ではテレビで拝見したことがある少しドラ声の藤井アナウンサーが素顔の生彩感を放っているようでいつも気持ちがよい。土曜日は藤井アナウンサーが出ていないからがっくりしていたら、TV番組のPRが流れてきた。「あまちゃん」の後継番組「ごちそうさん」のことである。好きな女優の吉行和子、財前なおみ、が出演するなら観たいのだが、座間へ引っ越して1年も経っているというのに地デジの接続ができない。座間はすぐ真上を米軍の戦闘機が轟いている地域だ。電波障害対策もあって共同受信にでもなっているのかもしれない。尋ねることも面倒くさいのでTV、デジタルチューナーなどをセット済みにもかかわらず、放置1年となってしまった。

そのPRでは「ごちそうさん」の素案を作ったチーフプロデユーサーが登場している。岡本ようこさんという女性が番組趣旨を素晴らしく明晰に語っていた。あの「あまちゃん」でさえ大衆食堂などで覗き見した機会もあった。意識していれば放映場面は町の片隅でも遭遇しそうだ。その岡本さんの説明には大阪食文化圏の「始末」ということの面白さにも触れられている。その説明を聞いていたらケチの次元とは異質な繊細に凝りまくっている美味しい簡単フードが連ドラに登場してくる気配がしてくる。これはTV接続を急がないと思っていたら雨足の強い座間に到着した。

朝飯を思案してみるが買い置き品は、相変わらず散漫である。「始末」という言葉にヒントを得たのだから、なにかないものかと思っていたら「お好み焼」ならできそうだ。気候も涼しい、夏場には縁がなかった簡単メニューである。小麦粉、卵、キャベツ、粉海苔、干しエビまでは在庫している。これにあり合わせのウインナソーセージを輪切りする。竹輪もあった。邪道でも「始末」が趣旨である。粉に対する水の分量がセーフだったようだ。弱火でゆっくり焼き上げる。両面には適度に焦げ色をつける。中はキャベツから滲んだ水気が潤いを与えている。直径25センチのお好み焼が仕上がってようやく朝飯の代用となる。いつもソースと醤油を半分づつに分けて味わうのだが、今日は醤油との相性がよかった。