Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

雨のち山吹

2012-04-15 14:15:39 | 自然
昨日の雨で遅かった今年の桜も終わりかな?と思いながら晴れ渡った日曜日に自宅の廻りをぶらぶらしてみた。コースは日向薬師の参道を登って霊山寺の境内を経由、尾根道を降りて日向渓谷にかかる神明橋から日陰道を辿って自宅へ戻るというおよそ一時間の道のりを楽しんだ。
日向薬師の霊山寺は本堂の大改修工事中ながら宝仏殿を開放しているせいか、参拝客がたくさん訪れていつもより人気の多い日曜日だ。狭心症を病んだ後に数回登った時の息苦しさが今は嘘みたいに消えていることを明治期に寄進された参道の中腹に設置された石仏を眺めながらふと思い出す。

尾根道に通じる崖沿いの眺望は桜や雑木の若葉が混在して春めいた萌黄色の淡い彩りが素晴らしい。谷筋には山吹の花が垂れて春というよりは初夏を告げているようだ。
山道に咲く「マムシ草」「きぶし」といった地味な植物の春を愛でるのも嬉しい時間である。どこか山の斜面から鶯や中国渡来という「ガビ鳥」の変幻自在なさえずりも聞こえてくる。
今朝、寝床で遠くの方から聞こえてきた「ガビ鳥」の鳴き声は幻聴ではなかったようで、これから夏にかけて山里はこの怪鳥のさえずりに包まれることが多い。
日陰道には急傾斜した地形のせいか細い沢がたくさんあってこれが日向川の本流へ繋がっているようだ。そんな沢筋の水がなんとなく停留する場所で伊勢原に在来する「黒めだか」の群れを発見した。昔、横浜郊外に住んでいた頃、保全林の中で生きながらえた小川へ「かわにな」を採取しに出かけた時に捕獲した「ほとけどじょう」を思い出した。
休日散歩の締めくくりは日陰道を出てきた集落の無人販売所でオレンジピールを発見!
ミカン農家が作った副産物らしい。甘い糖衣を咬んでいくと次は幽かな苦い味が訪れる。
帰ってきてこのピールを齧って、「グリッシーニ」という細いスティック状のイタリア製乾パンを味わうティータイムを過ごしていたら、いつのまにか晴れ間の空はどんよりと雲ってきて春らしさを実感する。