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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

iPad版:歯の表情

2012-01-08 18:37:47 | iPad版制作日記

さあ、今年もiPad版電子コミック【Wings ウイングズ】の制作を開始しました。

気力と執念だけでは解決しない領域に踏み込んできているような気がするので、何らかの手を打つべき時かもしれません。

今日の画像は、レナが食事を運んで部屋を出て行こうとする給仕ロボットに、「待って!」と呼び止めているシーンです。

なんかレナの顔がまことちゃんみたいになってしまった。中指と小指を曲げて、「待って!」を「グワシ!」にしたらぴったりでしょ?d(^^*)。

この画像を作成しながら、改めて3DCGで描く表情の難しさを実感してしまいました。

3DCGで手描きのマンガに負けない魅力的な表情を描くことは、私にとって長年の大きなテーマです。

線画で表情や特徴を誇張して描くことはマンガの重要な要素であり、マンガのマンガたる所以でもあります。

なぜ3DCGで描くとこの部分が難しいのか...それはたぶん線画は、線意外の部分つまり面の部分を何も描かないで真っ白にすることで、読者の想像にその部分をゆだねてしまい、描き手は線画の誇張に専念できるんですよね。

たとえば、キャラが「へ!?」と言いながら目を点で描くだけで、キャラが呆然とした豊かな(?)表情の線画が描けてしまいます。(最近はあまり見かけませんが)

そのくらい線画というのは表情や特徴の誇張が可能なんですね。

一方、3DCGの場合は、画面のすべての画素に1つの色が置かれ、それがグラデーションになって端から端まで画面を埋め尽くしています。線画のように真っ白な面の部分がありません。

上の画でいえば、口の中の舌から上顎の部分や歯のツヤまでしっかりと描かれているでしょ(^^;)。

線画の場合はマンガ家にもよりますが、口の形だけ描く人もいれば、けっこう口腔内もしっかり描きこむ人までいるけど、歯のツヤまでは描きませんよね?

つまり線画は極端な誇張で物理的にありえない形や表情であっても、真っ白な面の部分がそのありえない形状の嘘を吸収してくれるので成り立ちます。

ところが3DCGの場合は、グラデーションですべてつながっているので、ありえない形状の場合もそのありえなさをしっかり表現してしまうので成り立たないわけです。ゆえに線画のような誇張が難しいことになります。

目が点のような極端な表情を3DCGで描こうとはおもいませんが、生き生きとした輝くような表情、吐息が感じられるような表情を3DCGでも描きたいものです。

で、今回どこが難しかったのか?それは歯。口を開けたときの歯の面積です。

上の画のように口を開けたときの上の歯と下の歯の見え方というか、歯をどこまで出すかによって表情が随分違うことに気づきました。実はいままであまり気にしてなかったんですよね。

単に表情というだけでなく、歯の大きさから口の開け方・形状、歯が見える面積まで、レナというキャラを描く上でその重要性を改めて思い知らされました。

上の画よりもう一回りくらい歯が大きくても良かったかな?でもそれがけっこう難しいんですよ。ちょっとの差で急に野生的な雰囲気が出てしまったりするので。

さて、今年は3DCGに血を通わせるところから、さらに一歩進んでその温もりが感じられるところまでいきたいところです。

冒頭に、今年は何らかの手を打つべき時、つまり作品の完成を最優先するべきなどと書きながら、いきなり細部にこだわってしまいました。

『う~む、浅田真央のようにトリプルアクセルを回避してダブルアクセルでいくか...』ってどこがトリプルアクセルなんだよ!

今年も厳しい年になりそうです。






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