ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 76ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-03-27 20:32:04 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【76ページ】


 この後3人は、シャブリの特級畑名のヴァルミュールを飲みながら、

ブルゴーニュワインの不思議さと奥深さについて話し合った。


 ブルゴーニュの赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネといったように、

ほとんどのワインが単一のぶどう品種から造られている。

しかし造り手や生産地によって、ブーケやアロマの香りや味わいが異なるワインになる。


「さて、シャブリ・グラン・クリュも残りブランショとプリューズになりました。

和音さん、どちらを先に抜栓しましょうか?」


狩野が和音に聞いた。


「高木社長がよろしければ、ブランショをお願いします。」

「私もそれでいいですよ!」


狩野は、ブランショをプリューズから離して、置き直した。


「言葉の遊びをしながら、ブランショを飲みましょう。

テーブルに置かれたブランショは『ミルク』です。そしてワインショップで販売

されているブランショは『水』です。」


狩野は、ブランショを抜栓し、二人のグラスに注ぎ、和音と高木に手渡した。


「さあ、飲んでください。 お二人が飲んでいるブランショは『ミルク』です。

そして世界のどこかのレストランで誰かが飲んでいるブランショは『水』です。」


狩野は、テーブルのブランショにハンカチをかけた。


「ハンカチに覆われたブランショは『水』です。ハンカチを取り払うと何に

なるでしょうか?」