ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 66ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-03-14 23:12:43 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【66ページ】


「シャブリ・グラン・クリュ7種の水平テイスティングというわけですね?」

「同じ銘柄でヴィンテージの違う垂直テイスティングも考えたのですが、色々な

シャブリ・グラン・クリュを楽しめた方がいいと思ったのです。」

「そうですね。」和音はうなずいた。


「和さん、7種のシャブリ・グラン・クリュを見てやってください!」


メイドが、7本のシャブリを運んで来て、テーブルに並べた。


「ブーグロ、ヴォーデジール、レ・クロ、ブランショ、プリューズ、グルヌイユ、

ヴァルミュール」 

高木が7種のシャブリ・グラン・グリュを紹介した。

「こうしてシャブリの最高峰をずらり並べると壮観ですね?」と和音は誉めた。


「7本のシャブリの飲み方は、マジックやゲーム的なお遊びを入れて、趣向を考えて

います。1本目は、狩野さんのマジックで楽しみましょう。狩野さんお願いします。」

「承知しました。」

狩野は、7本のシャブリが置かれているテーブルの前に立った。

そして7本の中からブーグロを選び出し、他の6本から離して置いた。


「ブーグロを最初に飲みましょう」


マジソムの狩野は、そう言いながら、ブーグロにハンカチをかけた。

そしてソムリエナイフを取り出し、ハンカチの上から抜栓の切り込みを入れた。

ボトルの口を覆っているキャップを取ると、手際よくコルクを抜いた。


「まず、和音さんのグラスに注ぎます。」