ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 74ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-03-25 20:09:11 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【74ページ】


 3人は、ブルゴーニュワインとボルドーワインの違いについての話をしながら

グルヌイユと明石の魚介の料理を楽しんだ。

シャブリ・グラン・クリュは残り3本になった。


「高木社長、残り3本のシャブリ・グラン・クリュから1本選んでください。」


狩野が言った。


「ヴァルミュールを選びます。」


狩野は、テーブルに箱を置いて、その上蓋を開けた。


「高木社長、ヴァルミュールを箱の中に入れ、蓋を閉じてください。」


高木は、狩野に言われた通りにヴァルミュールを箱に入れ、閉じた。

狩野は、箱の上にローソクを立て、火を灯した。

そして胸ポケットからトランプを取り出すと、


「カードを投げ、ローソクの火を消します。うまく消すことができれば、ヴァルミュール

が赤ワインに変身します。 一回練習させてください。」


狩野は、きゅうりを取り出し、高木社長に手渡した。

そして、右手できゅうりを立てて、持つように指示した。

狩野は、トランプを1枚抜き出し、きゅうりに向かって投げた。


「あっ!」高木社長の叫び声と共に、 

きゅうりが真っ二つに切れて床に落ちた。

「お見事!」

和音は、拍手で誉め称えた。