ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ブラックマジックの種明かし

2012-03-21 21:34:55 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
 高木社長が、和音の書いたワイン名を当てたマジックは、ブラックマジックと

呼ばれているものです。


 ブラックマジックは、二人が組んでおこなうマジックです。

一人は、読み上げの担当です。

もう一人は、それに対して「違います。」又は「そうです」で答えます。



 例えば、相手が好きな鳥の名前を『鳩』と書いた場合ですが、

読み上げの担当は、鳥の名前を『すずめ』、『ウグイス』、『インコ』、『カモメ』

等順番に言っていきます。


 そして『○○○』という鳥の名前を言った時が、次が正解の『鳩』だよという合図に

なります。


 さてその3文字の合図の鳥は何でしょうか?



ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 72ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-03-21 21:05:54 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【72ページ】


「それは、ローヌのシャトーヌフ・デュ・パプですか?」

「いいえ、違います。」

「それは、ソーテルヌのシャトー・ディケムですか?」

「いいえ、違います。」

「それは、カオールの黒ワインですか?」

「いいえ、違います。」


 マジソムの狩野は、6本のワイン名を言った。 それに対して、高木社長は

すべて「違います。」と答えた。 そして次が、和音が両手で7を示した7本目

であった。


「それは、ロワールのミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メールですか?」


 高木社長は、一瞬考えるそぶりを見せた。


「はい、そうです。」


 高木社長は答えると、二人の方へ向き直った。


「和音さん、正解ですか?」


狩野は、和音の書いたワイン名を見ながら、彼にも確認した。


「私の書いたワイン名は、ミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メールです。

高木社長、すばらしいマジックでしたよ!」


「和さんに、褒めてもらってうれしいです。」


 ちょうど高木社長のマジックが終わった頃、メイドが新しい料理を運んで来た。

タイ、タコ、アナゴ等兵庫県の明石の海の幸を使った料理であった。