ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 56ページ目 マジシャンソムリエとの対決  

2012-03-01 21:10:43 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【56ページ】


「コンポートのイチジク、干しブドウやカラメルの香り、そしてクローブのような

スパイスの香りもあり、とても個性的ですね。」

「さすがソムリエだ!」


 その時、テーブル席の方で、驚きと歓声が起こった!

「ロゼワインだ!」

「白ワインと赤ワインが混ざってロワールのロゼ・ダンジュになったようです。」

「いやすばらしいマジックだ!」

周りの客から拍手が起こり、「ブラボー」という声に送られて、マジソムは下がった。


 その様子を見ていた高木は、マスターに語りかけた。


「息子さんのマジックの手さばきは、いつ見てもすばらしいね。」

「ありがとうございます。」

「ところでマスターに、相談があるのだが・・・」

「何でしょうか?」

「息子さんに一日応援してもらいたいことがあるのです。」


マスターは、一瞬ためらって答えた。


「夜も?」

「夜がメインになる。この店の夜の営業については、私の専属ソムリを応援に

来させます。」

「息子でお役に立てるなら、協力させていただきます。今息子を呼びますね。」


 マスターは、マジソムに手招きして、高木の席に呼んだ。