さて、この人を紹介してなかったんだなぁの第1019回は、
タイトル:革命の日、続革命の日
著者:つだみきよ
出版社:新書館 ウィングスコミックス(初版:'99、'01)
であります。
マイナーだけど、おもしろくて好きなマンガ家さんだったのに、目録を見て紹介していなかったことにちょっとびっくりです(笑)
まぁでも、何年ぶりかに段ボールから引っ張り出してなのでしょうがないかとも思ったり……。
さて、ストーリーですが、
『父親との確執に悩む高校生の吉川恵(けい)は、いつものように友人であり仲間である鳥羽、立待、神明とともに屋上にたむろっていた。
いつものバカ騒ぎをしている中、恵の身体には変化が起こっていた。このところ、妙に身体が痛むのだ。
そしてついには倒れて病院に運ばれた恵は、驚愕の事実を教えられる。
「検査の結果、君は女の子だったんだよ」
染色体の異常や遺伝子伝達のミスやらなにやらで稀に見た目は男性なのに、染色体が女性だったりする場合があるらしい。
15年間、男として生きていた恵。――しかし、このことをきっかけに女として生きていくことを決め、父親との確執も解消され、新しい人生、家族を歩むことにしたのだが……。
そうは問屋が卸さない。
学校に事情を話し、半年間の休学を経て、「同じ高校」に吉川恵(めぐみ)として入学した恵。サポート役で世話になっている病院の医者の姪、豊麻琴とともに新たな学校生活を平穏に送ろうとするのだが、同じ高校に入学したと言うことは、いつも屋上でたむろっていた仲間たちや、元クラスメイトに出会う確率はかなり高いわけで……。
案の定、疑惑の目を向けられる恵。
麻琴のフォローも虚しく、事情を洗いざらい元の仲間たちに白状した恵だったが、元仲間たちの反応は――ちょうどいい、だった。
もともと男でいたときから女性的な顔立ちで仲間内ではマスコット的な扱いを受けていたこともあり、仲間たちは完全に恵を女性として見る目に。
半年前までは男をやっていたのだし、しかもそのときの仲間が完全に女を見る目に変わってしまったことに混乱する恵。
男と付き合うなんて無理。しかもある事件がきっかけでほとんど男性恐怖症に陥った恵は一生麻琴の世話になると宣言するも、仲間たちの追及の手は収まらない。
あれこれと仕掛けてくる仲間たちから逃れるために、夏休みはほぼ毎日麻琴の家に逃げ込んでいた恵は、そこで麻琴の弟の実琴に出会い……』
マンガの世界ではなく、実際に稀ではありますがあるようですね。
続のほうに、ファンレターとして送られてきた手紙の中で実際に性別を変えて生きることにしたことを綴ったものが紹介されていて、事実は小説よりも奇なりを地でいくのもあるんだなぁ、と思います。
それはさておき、ストーリーですが、あらすじのとおり、染色体は女性と判断された恵が、女性として生きる決意をし、男時代に仲間だった連中に追い回されるのが「革命の日」の展開。
「続革命の日」は、相変わらず迫ってくる元仲間たちから逃げつつも、麻琴の弟の実琴と出会うことによって変わっていく恵を描いたもの。
基本、コメディです。
最初の話だけは、父親との確執が描かれていてシリアスな部分もありますが、それ以降は迫る仲間たち、逃げる恵の葛藤をおもしろおかしく描いていて、笑えます(笑)
当初、著者として「革命の日」だけで終わるつもりだったのですが、もろもろ指摘を受けてあまりに中途半端に終わってしまっているため、「続革命の日」が描かれるわけになったわけですが、個人的には「続革命の日」で実琴とくっついてくれて終わっているのでこれで完結でいいと思います。
あとがきなどで、恵の元仲間たちをひいきにしている人たちは、その誰かと恵をくっつけて欲しい、と言う意見もあるだろうと書かれていますが、まぁ、そのとおりでしょう。
ですが、どのキャラとくっつけても角が立つので、実琴という新キャラを持ってきてくっつけるほうがいちばん角が立たないとは思うので、これでいいのかと……。
キャラは、いちおう個性の説明はされているものの、元仲間たちは十把一絡げの扱いが多いので、仲間たちについてはややキャラが薄い印象があります。
と言うか、たいていセットで登場してくるので仕方ないところではありますが。
麻琴も当初の印象からかなり腹黒く変わっていっていて、ブレが見られます。(まぁ、麻琴は腹黒が定着してからはキャラがしっかりしているのでまだいいのですが)
始めからキャラがしっかりしているのは、主人公の恵と、実琴くらいでしょうか。
まぁ、それでもマンガとしてはおもしろいから目を瞑っていられる範囲ではありますが。
総じてコメディとしての出来はいいほうだと思います。
キャラひいきによる賛否両論はあろうかと思いますが、オチは納得できるものでもありますし、二冊で終わってくれているのでお財布にも優しいですし、個人的にはオススメのマンガに入るのですが……。
良品として、手放しにオススメできるかと言えば、そうでない部分もあるわけでして……。
Amazonの☆なら4つは確実につけられるおもしろさだとは思うのですが、個人的なオススメだけで良品をつけるわけにもいかないので、ここでは及第とさせてもらいます。
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:革命の日、続革命の日
著者:つだみきよ
出版社:新書館 ウィングスコミックス(初版:'99、'01)
であります。
マイナーだけど、おもしろくて好きなマンガ家さんだったのに、目録を見て紹介していなかったことにちょっとびっくりです(笑)
まぁでも、何年ぶりかに段ボールから引っ張り出してなのでしょうがないかとも思ったり……。
さて、ストーリーですが、
『父親との確執に悩む高校生の吉川恵(けい)は、いつものように友人であり仲間である鳥羽、立待、神明とともに屋上にたむろっていた。
いつものバカ騒ぎをしている中、恵の身体には変化が起こっていた。このところ、妙に身体が痛むのだ。
そしてついには倒れて病院に運ばれた恵は、驚愕の事実を教えられる。
「検査の結果、君は女の子だったんだよ」
染色体の異常や遺伝子伝達のミスやらなにやらで稀に見た目は男性なのに、染色体が女性だったりする場合があるらしい。
15年間、男として生きていた恵。――しかし、このことをきっかけに女として生きていくことを決め、父親との確執も解消され、新しい人生、家族を歩むことにしたのだが……。
そうは問屋が卸さない。
学校に事情を話し、半年間の休学を経て、「同じ高校」に吉川恵(めぐみ)として入学した恵。サポート役で世話になっている病院の医者の姪、豊麻琴とともに新たな学校生活を平穏に送ろうとするのだが、同じ高校に入学したと言うことは、いつも屋上でたむろっていた仲間たちや、元クラスメイトに出会う確率はかなり高いわけで……。
案の定、疑惑の目を向けられる恵。
麻琴のフォローも虚しく、事情を洗いざらい元の仲間たちに白状した恵だったが、元仲間たちの反応は――ちょうどいい、だった。
もともと男でいたときから女性的な顔立ちで仲間内ではマスコット的な扱いを受けていたこともあり、仲間たちは完全に恵を女性として見る目に。
半年前までは男をやっていたのだし、しかもそのときの仲間が完全に女を見る目に変わってしまったことに混乱する恵。
男と付き合うなんて無理。しかもある事件がきっかけでほとんど男性恐怖症に陥った恵は一生麻琴の世話になると宣言するも、仲間たちの追及の手は収まらない。
あれこれと仕掛けてくる仲間たちから逃れるために、夏休みはほぼ毎日麻琴の家に逃げ込んでいた恵は、そこで麻琴の弟の実琴に出会い……』
マンガの世界ではなく、実際に稀ではありますがあるようですね。
続のほうに、ファンレターとして送られてきた手紙の中で実際に性別を変えて生きることにしたことを綴ったものが紹介されていて、事実は小説よりも奇なりを地でいくのもあるんだなぁ、と思います。
それはさておき、ストーリーですが、あらすじのとおり、染色体は女性と判断された恵が、女性として生きる決意をし、男時代に仲間だった連中に追い回されるのが「革命の日」の展開。
「続革命の日」は、相変わらず迫ってくる元仲間たちから逃げつつも、麻琴の弟の実琴と出会うことによって変わっていく恵を描いたもの。
基本、コメディです。
最初の話だけは、父親との確執が描かれていてシリアスな部分もありますが、それ以降は迫る仲間たち、逃げる恵の葛藤をおもしろおかしく描いていて、笑えます(笑)
当初、著者として「革命の日」だけで終わるつもりだったのですが、もろもろ指摘を受けてあまりに中途半端に終わってしまっているため、「続革命の日」が描かれるわけになったわけですが、個人的には「続革命の日」で実琴とくっついてくれて終わっているのでこれで完結でいいと思います。
あとがきなどで、恵の元仲間たちをひいきにしている人たちは、その誰かと恵をくっつけて欲しい、と言う意見もあるだろうと書かれていますが、まぁ、そのとおりでしょう。
ですが、どのキャラとくっつけても角が立つので、実琴という新キャラを持ってきてくっつけるほうがいちばん角が立たないとは思うので、これでいいのかと……。
キャラは、いちおう個性の説明はされているものの、元仲間たちは十把一絡げの扱いが多いので、仲間たちについてはややキャラが薄い印象があります。
と言うか、たいていセットで登場してくるので仕方ないところではありますが。
麻琴も当初の印象からかなり腹黒く変わっていっていて、ブレが見られます。(まぁ、麻琴は腹黒が定着してからはキャラがしっかりしているのでまだいいのですが)
始めからキャラがしっかりしているのは、主人公の恵と、実琴くらいでしょうか。
まぁ、それでもマンガとしてはおもしろいから目を瞑っていられる範囲ではありますが。
総じてコメディとしての出来はいいほうだと思います。
キャラひいきによる賛否両論はあろうかと思いますが、オチは納得できるものでもありますし、二冊で終わってくれているのでお財布にも優しいですし、個人的にはオススメのマンガに入るのですが……。
良品として、手放しにオススメできるかと言えば、そうでない部分もあるわけでして……。
Amazonの☆なら4つは確実につけられるおもしろさだとは思うのですが、個人的なオススメだけで良品をつけるわけにもいかないので、ここでは及第とさせてもらいます。
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