清純blog

本門佛立宗 常住寺住職・高野清純のブログ

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耳で聴く

2015年03月25日 | 日記

先日、玉川信行寺さんにお参りしました。お導師に6月のお会式をお勤めいただくので、お願いのご挨拶にあがったのです。

寺務所の前まで来ましたら、二階の本堂からお看経の声がきこえてきました。どなたでしょうか、女性の声で、素晴らしくよいお看経の声です。

本堂に上がりました。声の主は、一番前で、姿勢正しく一生懸命に、お看経をあげていました。

ボクもいっしょにお看経をあげたのですが、その方のおじゃまにならないようにと思い、声のトーンや速度などを合わせてお唱えしました。

いっしょにお唱えし始めて一回目の息つぎの時、お題目がずれました。すかさず合わせたのですが、二回目の息つぎからは、向こうが意識して合わせてくれました。

ちゃんと、他人の(ボクの)お看経の声を聴いて、お看経されているのが分かった瞬間です。

知らないモノ同士が、同じ空間でいっしょにお看経をあげる。当然、二人ともご宝前に向かってますから、同じ本堂にいましても目を合わせるワケでもありません。

でも、耳で聴いて、ちゃんと呼吸を合わせて、声を合わせてお看経をあげて下さいました。

ボクは僧侶です。ですから、そういうことはいつも意識してお唱えしています。音程も、音痴にならないように、(女性の音程)ソプラノでお唱えしました。

その事を、向こうは気づいたようでした。そして、早さやタイミングを、向こうも合わせてきてくれたのでした。

些細なことですが、すごく大事なことです。たいしたものだ。素晴らしいと思いました。おかげさまで、とても良いお看経があがりました。

二人以上であげるお看経は、「セッション」です。息継ぎの時に、声がずれたら、他の人と合わせてお唱えすることができません。

でも、ずれる人は結構多くいます。しかも自身で気づいていない。こうなると、もう、誰かと一緒にお唱えすることはできなくなる。お題目がガチャガチャです。

ガチャガチャのまま、通そうとする人もいます。気づかない人もいる。原因が自分だと気づかず、息つぎのたびに、本堂のお看経がバラバラになってしまうワケです。

そういう時は、気づいた人が合わせてあげれば良いのですが、なぜか、それができない人がいる。これは残念なことです。

信行寺さんのご信者さんは、実にみごとでした。本堂でいっしょになって、顔も目も合わせないウチから、お互いに合わせてお看経をしようと意識して下さいました。

そして、とても良いお看経、熱烈なお看経があがりました。

この方は先にお帰りになりましたが、お帰りの歳、ごあいさつ下さいました。信行寺さんには、とても素晴らしいご信者さんがいらっしゃいます。


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