『とんび』 重松清

2012年07月09日 18時39分05秒 | 重松清
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「昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう―。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。 」(BOOKデータベースより)


とんび(とび)が鷹を産む。

=平凡な親がすぐれた子を生むことのたとえ。

不器用な父親(ヤスさん)と息子(アキラ)の物語。

昭和の父親というものを俺は知らない。
むしろ平成の父親も知らない。

だが、理論よりも情や直感で生きているようなヤスさんには、昭和の父親という称号がとっても似合うのじゃないかと思う。
アキラが幼い時に事故で母親(美佐子)を失くしてしまう。
アキラをかばって死んだ美佐子。
その事実をアキラに伝えることができず、一人心の奥底に秘めているヤスさん。
不器用ながらも、アキラを愛し、懸命に子育てをするヤスさんにとっても感動してしまいました。
電車で涙流してたら、変な人に思われるじゃないですか。
いや、変な人かもしれないけど。

去年、父親を亡くしてからか、こういった親の愛を描いたような物語に弱くなってます。
親と別れて長い人、親に反抗的な態度しか取れない人、そして親のことが大好きなあなたに読んでほしい一冊です。


★★★★★

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