『負けてたまるか!リーダーのための仕事論』 丹羽宇一郎

2014年05月06日 11時44分56秒 | 読書
本日2本目です。

「リーダーに欠かせないのは、情熱と気力プラス倫理。前伊藤忠商事会長、そして前中国大使として、会社や国を最前線で率いてきた著者が、本質から説くリーダー哲学。 」(BOOKデータベースより)

1939年に愛知で生まれ、62年に伊藤忠商事に入社。98年に社長に就任し、2004年に会長。10年に民間出身で初めて中華人民共和国駐箚特命全権大使に就任。
日本の優秀な経営者のうちの一人の丹羽宇一郎さんがリーダーに贈る作品です。
丹羽さんには共感する部分が多くあって手に取りました。

丹羽さんが長年にわたって体得してきたリーダーとしての資質を惜しげもなく授けてくださっています。
リーダーとして悩みを抱えている方は一度読んでみてもいいかもしれませんね。

内容はあまり紹介できませんけど、リーダーだけじゃなく、若手にも十分価値のある本です。(ただ、若者向けの「負けてたまるか! 若者のための仕事論」という本も存在しますが。)

『統計学が最強の学問である』 西内啓

2014年05月06日 11時03分23秒 | 読書
今日も行きます。

「あえて断言しよう。あらゆる学問のなかで統計学が最強の学問であると。どんな権威やロジックも吹き飛ばして正解を導き出す統計学の影響は、現代社会で強まる一方である。「ビッグデータ」などの言葉が流行ることもそうした状況の現れだが、はたしてどれだけの人が、その本当の魅力とパワフルさを知っているだろうか。本書では、最新の事例と研究結果をもとに、今までにない切り口から統計学の世界を案内する。」(BOOKデータベースより)

キャッチなタイトルで読者の興味を引くような本は数多ありますが、これもその一つになるのでしょうか?
基本的に私はそういった作品を手に取ることはないんですけど、この作品は購入してしまいました。
なぜでしょう。

それは、きっと私が統計学のポテンシャルを信じてやまないからでしょうか。

統計学ってなに?統計の取り方を学ぶの?
難しい言い方をすれば「統計学は、経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす。」(wikipedia)ということですけど、簡単に言ったら「集めてきたデータになんか法則があるの?」という疑問を解消する学問でしょうか。

なんで、統計学が最強なのか。
まあ、最強かどうかは置いといて、統計学が多くの学問に影響を与えていることは事実です。

・ある薬を飲むと95%の人の症状が改善した。
・あるマーケティングを行うと30%売り上げが増加した。
・ある構造物は30年壊れない。

3つの文章を例に挙げましたが、医学・経営学・土木工学の分野の文章です。
でもそれぞれに統計学が使われているのがわかるかと思います。
ただその統計はほんとうに正しいことを言っているのか、それを見極めることが重要です。

本書では以下のような例が用いられています。(69ページ~70ページ)

〈次の食べ物を禁止すべきかどうか考えてみましょう〉
・心筋梗塞で死亡した日本人の95%以上が生前ずっとこの食べ物を食べていた。
・強盗や殺人などの凶悪犯の70%以上が犯行前24時間以内にこの食べ物を口にしている。
・日本人に摂取を禁止すると、精神的なストレス状態がみられることもある。
・江戸時代以降日本で起こった暴動のほとんどは、この食べ物が原因である。

すべて同じ食べ物ですがどう思われますでしょうか。
禁止しますかね?

この食べものは「ごはん」なんですけど、先ほどの文章がこういう表現だったら結論も違ってくるでしょうか。(追加した文章は私の勝手な想像で統計的な根拠は何一つありません)

・心筋梗塞で死亡した日本人の95%以上が生前ずっとこの食べ物を食べていた(が、100歳まで生きている人も同程度この食べ物を食べていた)。
・強盗や殺人などの凶悪犯の70%以上が犯行前24時間以内にこの食べ物を口にしている(が、それ以外の人は90%以上この食べ物を食べている)。
・日本人に摂取を禁止すると、精神的なストレス状態がみられることもある。
・江戸時代以降日本で起こった暴動のほとんどは、この食べ物が原因である(が、この食べ物はかねてから通貨と同等の機能を有するなどかつての日本社会に多大な影響をもたらした)。

こういった文書だとまた結論が違ってきますよね。
こういった「統計リテラシー」をしっかり持ちましょうというのがこの作品の言わんとするところでしょう。

この本に限らず、統計学知識は持っていて損がないと思います。
お勧めです。