雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

熊本・仮設入居始まる

2016-06-07 18:44:20 | 熊本地震

  熊本・仮設入居始まる
                  (熊本地震№3)
  日を追うごとにテレビや新聞などのメディアが取り上げる熊本関連のニュースが少なくなってきている。オバマ大統領の広島訪問に続き、伊勢志摩サミットなどメディアの関心は熊本の被災地を離れていってしまう。
 5/16付の朝日新聞歌壇・俳壇から熊本に関する歌を紹介します。

〇 短夜をいくつも区切る余震かな ……八代市 山下しげ人

〇 原発は今の世の城崩れたる熊本城の声ぞきこゆる ……藤沢市 中村 喬

〇 「負けんばい」「がんばるけん」と熊本は力あわせて地震に耐える ……香川県 藤井哲夫

〇 これ以上倒るる家具も無ければと腹を括りてこの夜酒酌みぬ ……熊本市 高添美津雄 

〇 「ガレキ」とう言葉で括る淋しさよ私の記憶わたしの思いで ……さいたま市 伊達裕子
 
 6/6付朝日新聞一面に小さな記事が載っていました。
「仮設入居始まる 熊本」
 同県甲佐町に応急仮設住宅完成。一連の地震後初の仮設住宅・90戸だ。
 5日現在、16市町村で2,657戸の応急仮設住宅の建設が進んでおり、7月下旬には
 順次完成する予定。
  また、アパートなど「みなし仮設住宅」の入居も始まっている。

 被災地熊本の一日も早い「創造的復興」を願います。
 


 

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6月の風

2016-06-05 22:44:48 | 季節の香り

  六月の風

6月の風は

どこかに
新緑の軽やかさと
キラキラ輝く少年の日の
懐かしい思い出を運んでくる

美しい人の
髪の間からかすかにこぼれてくる
移り香が
少年の心を弾ませ
少年はうっすらと汗をかいて
思春期の憧れを
6月の風に載せる

一方で
6月の風は
雨の匂いを含んで
幾分重い風となって
徐々に体臭の濃くなっていく
思春期の少年の髪の間を
さらりと通り抜けていく

風よ
悪戯な風よ
田植えの済んだあぜ道を歩いていく
髪飾りの似合う少女の
スカートにまつわりついて
青空に還っていく風よ

還る前に
少年が託した6月の風の想いを
郵便かばんから取り出して
空いっぱいにひろげて欲しい

春の名残りのさわやかで
少しだけ憂鬱な
6月の風

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原発を詠う

2016-06-05 06:00:00 | 人生を謳う

原発を詠う
   朝日歌壇・俳壇から原発に関する歌を選んでみました。

 〇 原発をとめる根拠がないと言ひ人の不安は根拠に入れず  ……川越市 小野長辰  
      川内原発。大きな被害をもたらす地震が近くで続発している中で、
        全国で唯一稼働している九州電力川内原発
1、2号機は運転を続けている。
        敷地内で観測された揺れが原子炉を緊急停止する設定値を下回っているからだ
と言う。
 〇 全国の活断層のその上に人は暮らして原発は建つ  ……川崎市 小島 敦
                   
危険な活断層、原発も危険。でも危険と知りつつその上で暮らさざるを得ない不安。

 
 〇 原発の再稼働阻止の新聞が忘れたように括られている  ……三郷市 木村義熙
        
昨日の記憶さえも古新聞のように括られて忘れ去られてしまう。
        のど元過ぎれば……。
        
 〇 花霞む山里ゆけばおちこちに隠しようなきフレコンバック  ……福島市 美原凍子
 
〇 福島の美しき里ぼうぼうと無人の家にいのしし住み着く  ……国立市 半杭螢子
        フレコンバックのなかで、放射能への怒りや不安が閉じ込められて、いつの間にか
        帰れなくなってしまった故郷。いのししの住み家になってしまった。
 〇 被災地のさくら果てたる真の闇  ……福島市 池田義弘  
        しばし桜が咲いて明るさの光が見えた。だが、桜が散ってしまうと再び人のいない
        故郷が現れる。
 〇 国破れ被曝の春の山河あり  ……川口市 青柳 悠
        匂いもなく目にも見えない得体のしれない放射能に被曝したが、季節は春を迎え慣れ親
        しんだ故郷の山河は何事もなかったように静まり返っている。


   今日の新聞でも、被災地熊本はニュースから忘れ去られている。

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熊本地震 薄れていくニュース価値

2016-06-01 17:00:00 | 熊本地震

 熊本地震 
 薄れていくニュース価値

 頻発に起きていた熊本地震も、沈静化に向けて鳴りを潜めている。
地震に対する不安も少しづつ解消されていくのだろう。

 あれほど紙面を飾った地震関係の記事も日増しに少なくなっていき、
今朝(6/1)の朝日新聞は、熊本関連の記事は皆無である。

 もはや大きな動きがなければ、ニュース価値がないということなのか。 
 
まだまだ現地では不自由な避難生活を送らざるを得ない人たちが大勢いる。
熊本から遠く離れた関東の地では、ずーと昔の出来事のように
人びとの意識から遠のき、忘れ去られているような気がする。

 起こった現実だけを伝えるのが報道ではない。
 ニュースの掘り起し、甚大な被害を被り今なお立ち直れない人たちの姿を、
 倒壊した家屋をかたずけ、前に進もうとする人たちの姿を報道して欲しい。

 川内原発については、5/18付ブログ「大丈夫か川内原発」で少し触れましたが、
「川内原発停止要望」は、少数意見として世論を喚起するには至らなかった。
そして、地震が収束に向かい始めると、
「原発はやっぱり止めなくても大丈夫だった」
という既成事実だけが独り歩きしてしまう。
 
 「安全神話」はこうして徐々につくられ、
いつの間にか原発の危険性に注意しなくなってしまう。

 原子力ムラが作り出した安全神話という器に、
「既成事実」というオブラートと、
「既得権」と言う甘味をまぶしてしまえば
人間の感覚は麻痺してしまう。

 川内原発よ!!
 驕(おご)るなかれ!!
   どんなに科学の粋を集めた原発でも、
 自然の脅威やヒューマンエラーには、
 想定外の危険がいつもついてまわるのだ。
 

 

 

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