雨あがりのペイブメント

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2019参院選 ④ 棄権という権利

2019-07-25 06:00:00 | 昨日の風 今日の風

2019参院選 ④ 棄権という権利

  参院選が終わった。危惧した通り48.8%で、
 過去最低だった1995年の参院選・44.52%以来24年ぶりに50%を割ってしまった。
 特に18歳、19歳の投票率は31.33%で最低だった。
 19歳は最悪で、28.05%だった。
 若い人の投票率が低い。
 若い世代が高齢に達した時どんな社会が実現するのか、考えてみると恐ろしい。

 未来のために 選挙へ行こう

 棄権するということは、未来の希望を捨ててしまうということだ。

(朝日新聞7/21)
 美大出身者たちが三年前の参院選から始めた「Shall we 選挙?」のポスターの一つ。
著名人たちもSNS上で投票を呼び掛ける。
投票率の低さに危機感を持つ人たちが、運動を展開し始めている。

 「自分の一票じゃ何も変わらない」
 「誰がやっても同じ」
 という諦観が投票率を低くしている。
しかし、棄権をするということは、権利を捨てることだ。
我々の先達たちが、自由民権運動を経て勝ち取った血と汗の滲んだ選挙権なのだ。
投票権(選挙権)はあっても、「棄権」と言う権利はないのだ。

棄権をしてもおとがめはないが、ベルギーや豪州では罰金が科せられるそうです。
棄権を防ぐための究極の制度なのでしょうが、
権利を履行しないと罰金というのも何だか、強制されているようで嫌な感じがします。

棄権が増えれば(投票率が低ければ)どんなことが起きるのか。

強固な組織票を持つ政党や候補者が有利になり、
組織票を持つ組織の意向が政治に反映されやすくなってしまいます。
ということは、組織に属さない人々の意向が反映されにくくなってしまいます。

今の生活のことを考えてみれば、
種々の問題が浮かんできます。

「エネルギー問題」。危険な原発は暴れ出したら人間の知識や技術ではどうにもならないモンスターだ。
          黙っているわけにはいかないと思う。
「年金問題」「医療費」「介護保険」「消費増税」「教育」「子育て」等々、不安材料は沢山あります。
沈黙は無に等しい。
今の生活を少しでも良くしたい。将来の子どもたちに誇れるような社会を築いていきたい。

この思いを、投票という参政権に変えて履行することが
私たちの責務ではないか。 

 「憲法前文」を見てみよう。

  日本国民は正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し

  (略)主権が国民に存することを宣言する。

  国政は国民の厳粛な信託によるものであって、
  その権力は国民の代表者がこれを行使し、国民がこれを享受する。

  50%を割る選挙で選ばれた国会が「正当に選挙された国会」といえるのか。
  50%を割る選挙で選ばれた代表者が「厳粛な信託」によって選ばれた人なのかどうか
  私たちは真剣に考えなければならない。
  
  「棄権」は単なる怠惰であり、
  「棄権」という権利はないのだから。

  (昨日の風 今日の風№102)       (2019.7.24記)





  




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