老いるということ
(ことの葉散歩道№34)
「年をとっていいことはあるかい」 |
いいこと言うね。
おそらく若い時のことを全部忘れてしまったら、
記憶力の衰えも、
肉体の衰えも意識せずに、
「今が最高!!」なんて言いながら、
豊かな老いを生きることができるのかもしれない。
しかし、よく考えてみるとそれでも人生味気ないかな。
やっぱり山あり谷あり喜怒哀楽があって人生に味が出てくるのでしょう。
人間は、記憶があってそれを追体験することにより学習し、
より豊かな人生を歩むことができる。
記憶がトラウマとなり、苦しい立場に立たされる時もある。
認知症が哀しいのは、
遠い過去のことは覚えていても、
直近の現実を忘れてしまうからだ。
だから自分を忘れ、
夫の事を忘れてしまう。
ひどい腰痛を患う頑固な老人の言葉は、豪快で気持ちがいい。
老いなど吹き飛ばすほどの力強さを感じさせられる。
「細かいことを気にせず」に、
「若い頃のこと」は懐かしい思い出とし、
人生の肥やしとして保持していければ、
人生捨てたものではないですね。
映画のあらすじ
1994年にNYタイムズに掲載された実話を基に、「エレファントマン」のデヴィッド・リンチ監督がユーモアとペーソス溢れるタッチで描いた映画。
アルヴィン・ストレイトは娘のローズと暮らす73歳の老人。
腰が悪く、家で倒れても人の力を借りなければ立ち上がることもままならない。
長年会っていなかった兄が倒れたという知らせが届く。
兄が住む家までの距離は350マイル(約560km)。
アルヴィンは時速8㌔のトラクターに乗り一人で無謀とも思える旅に出た。
出会う人々は彼を奇妙に思いながらも、
ある者は助けを惜しまず、
ある者は示唆に富んだ老人の言葉を得る。ロード・ムービー。
冒頭に紹介した会話文は、
老人が妊娠5か月の家出少女との出会いの中で交わされる会話。
実は、この映画私は未見のため、映画案内で調べてみました。
是非見たい映画の一つになりました。
作家・北方謙三氏がインタビューの中で、「感動した会話」として紹介していました。
ブログ「ポケットに映画を入れて」のyasutuさん、見ていたら映画の感想聴けたら嬉しいです。