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雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

影法師…… ひそかに、そして確実にやって来る

2017-05-09 08:30:00 | つれづれに……

影法師…… ひそかに、そして確実にやって来る
   
     思いもしなかったところで蹴躓(けつまず)いた。

     忘れ物が多くなる。
          それに伴って、不安感が増してくる。
     電気は消したか。鍵は掛けたか。
           クスリは 確実に鞄の中に入れたか。
     駅で買った切符はどのポケットに入れたか。

           スマホの置き忘れ。
     情けないほど記憶力が減退していく。
           だから、メモが増えていく。
     スマホの予定表にメモる。
     愛用の手帳に書き込む。
     茶の間のカレンダーにも書き込んで万全を期す。
     しかし、新しい予定をメモるのを忘れ迷惑をかけることもある。

     一日の始まりは、予定表のチエックから始まる。
    しかし、たまたまこれを忘れた時に、大事な約束があったりする。

    持続力が減退していく。
    集中力もなくなってくるから、読書量も減ってくる。
    メガネは3種類。
    遠近両用にパソコン用の中近に読書用の近々メガネ。

    老いはかなり早い間に発生している。
    40代、息子と沢登りに行った。
    石の上を渡り歩くのだが、これが軽快にできなくなってきた。
    バランス感覚が鈍くなってきたのだ。
    先に登った息子が振り返り、バランスを崩した私を見て笑っていた。

    50代。
    国家試験に挑戦した。
    覚えられない。
    やっと覚えたのにすぐに忘れる。
    若い人の倍の時間をかけて勉強した。
    それでも、合格するのに3年を費やした。

    現在も「老い」は確実に粛々と私の肉体と精神を侵食している。

    暑い日があったり、寒い日があったりすると、
    体調を維持するのに努力が必要になってくる。

    花冷えの中での花見に、ぶるぶるっと身震いをして、
    俺も歳をとったなと思う。

    そうした、老いの心境を
    愛西市の小川 弘さんは次のように歌っている。
    
     花冷えにまた来る老いの影法師
                 (朝日俳壇2017.05.01)

                         (つれづれに……心もよう№59)     (2017.5.8記)
コメント (6)
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