花ならば櫻 (つれづれに…心もよう№31)
関東以西では、桜も終わりに近づいてきた。
櫻 桜 さくら サクラ。
どこに行っても桜。
夜もライトアップされて桜 ブログの写真もさくらが満載。
いささか食傷気味の桜である。
「花は桜木、人は武士」
パッと咲いてパッと散るその潔さと美しさを、花ならば桜が一番。
同じように、潔く命を捨てる武士の姿に、桜と同列に武士を挙げたのだろう。
ソメイヨシノの咲く桜並木。
「桜」は単体で鑑賞するのではなく、集合体で鑑賞するのが美しい。
遠くから眺めるのが趣があっていい。
だが、花よりだんごなのだろう。
桜並木の下を、散る花びらを浴びながらそぞろ歩く、
ビニールシートを敷いて宴に興じるのも
江戸の昔から引き継いできた日本の文化なのだろう。
(ワシントン・ポトマック川沿いの桜)
アメリカにも「全米桜まつり」というのがあるらしいが、日本のように騒がしい「桜まつり」なのだろ
うか。かの国には、「だんご」もないし「日本酒やさかずきもない」。
そんなことを思いながら、「桜狂想曲」が過ぎていき、
どこかで、ホッとしている自分を感じている。
「月に叢(むら)雲、花に風 とかくこの世はままならぬ さよならだけが人生さ」
などとうそぶいて、すねている自分を慰め、風流を味わうのも粋なものだ。